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イブ・マジック!  作者: 桜
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第15話:ローリ町とアコーディオン奏者とフルートの奇術師③

音楽コンサートの結末は・・・!?

ローリ町の宿。あの後、イブはソフィーと一緒にアンサンブルで出場することになった。イブはクラリネットを使った手品マジックを披露するために真剣に取り組んでいた。フルータに勝つために。



「イブー。そろそろ寝た方がいいぞ。いくら、明日だからって・・・」

「平気よ。私はこう見えても体力はあるからね。」

「イブ・・・本当に変わった奴だな。まあ、頑張れよ」

「ええ!」



イブはこの日、一晩中、クラリネットの練習とクラリネットの手品マジックを取り組んでいた。







そして、翌日。音楽コンサートの会場では他国からの観光客や音楽関係者もいた。イブのクラリネットとソフィーのアコーディオンのアンサンブルの出番は12番。フルータは11番だ。



「緊張します~!」

「大丈夫よ。緊張なんて誰でもあるんだから。」



イブがソフィーを励ます中、もうすぐ出番になるフルータが現れた。



「やあ、イブ。」

「(げっ)フルータ・・・」

「今日の演奏を楽しみにしてるよ。もちろん「失敗」を祈ってるからさ」

「失敗何かしないわよ。ソフィーの許可を得て、クラリネットを使った手品マジックを披露するからさ」



イブの挑発的な態度にフルータは可愛い顔に似合わない舌打ちをした。



「・・・ふん。全ては結果で決められているからね。楽しみにしておくよ」

「フルータさん、出てきて下さい。」

「はーい」



フルータはスタッフに呼ばれて舞台に行った。イブはソフィーに励ます。



「私達も頑張りましょ!私達ならできるわ!」

「はい!・・・!」

「どうしたの?」

「あの・・・」



ソフィーは天井棚にあるものを見つける。それは・・・







「あのハットは・・・何でしょうか?」

「えっ?」







そのハットは水色のマジックハット。そう、レインカラーのように。イブはそれを見て自分が探していた欠片に気付く。



「あー!!あれはレインマジックハットの欠片!!」

「レイン・・・マジックハット?」

「こんなところにあったのね。早速、捕らえて・・・!?」



ヴヴヴ・・・カッ!



すると、レインマジックハットが動いて、舞台の方に駆けて行った!



「動きました!!」

「舞台の方に行ってる・・・!!捕まえるわよ!!」



一方、フルータはフルーティスト界の巨匠のザラキエル=ルーシェが作曲した「無伴奏フルートソナタ」を吹いていた。



(へっへっへー。僕のフルートに誰も適うもんか!)



すると・・・



ピカッ



「!!?」



すると、突然の光に会場はざわめいた。すると、レインマジックハットの欠片が現れた。すると、雷が落とされた。



「これは・・・レインマジックハットの欠片!?こんな・・・恐ろしいものだったなんて・・・!!」

「きゃー!!!」

「何だ!?」

「雷!?」

「み、みなさん、落ち着いて下さい!!話は後でーーー・・・!!」



スタッフが逃げ惑う会場を落ち着かせようとする中、応援に来たハヤテとヒトハは逃げずに魔法を発動しようとする。



「おい・・・!!これは止めないと大変そうだな・・・!!」

「そうだね!」

「待って、ハヤテ!!」

「!!イブ・・・」



現れたイブが魔法のクラリネットを持っているのを見て、ハヤテは魔法をここで使うのをやめた。隣にいるソフィーに目で合図して、イブは魔法のクラリネットで吹き、ソフィーはアコーディオンで弾く。



「・・・えっ!?」

「クラリネットと・・・アコーディオンの音?」

「この曲・・・ヴェルサーナ=コレーディアの「フルートとアコーディオンのためのソナタ」・・・?」



イブとソフィーはコレーディアの曲を奏でる。そして、クラリネットから青色の形の音符が出てきた。・・・本物の。



「あれ・・・!手品マジック!?」

「すごい・・・!!」

「あっ!!アコーディオンからも本物の音符が出てる!」



クラリネットとアコーディオンの音から、クラリネットは青色、アコーディオンは清らかな紫色の音符が出てきた。これに激しい怒りを覚えたフルータは・・・



「・・・何で・・・っ!!」







『いいか、フルータ。完璧に吹けば、お前は勝てるんだ。しかし、兄はできるのにお前は家の恥曝しだ。その程度のことで曲を止めさすな。お前は俺の息子だという自覚がないんだ、自覚が・・・』







フルータは自分の父親に言われたことを思い出して、さっきのルーシェの「無伴奏フルートソナタ」を吹く。風は彼の手品マジックによって吹かれたが、観客はフルータの方を向かなかった。



「・・・。・・・・・・。・・・・・・・・・!!」



フルータは自分の負けを認めて、吹くのをやめた。そして、青色の音符はレインマジックハットの欠片を撃った!



「やったぁ!!」

「止めましたね!」

「これを見つけるのは大変ならまだしも捕まえるのは大変だからね。・・・あの、みなさん」

「!?」



すると、イブは観客にあることをお願いする。



「私達の演奏は終わりましたのでフルータ君の演奏を聞いてあげて下さい。フルータ君はとても悲しそうにしてましたので。お願いします」

「!」

「・・・おう!分かった!」

「あなた達の演奏は聞いたもんね!」

「フルータ君の演奏を聞くぞー!」



その観客が自分の演奏を聞くためにフルータは涙しながら頭を下げながら感謝の言葉を言う。



「みなさん・・・ありがとうございます・・・!」



そして、フルータは自分のフルートで吹き始めた・・・







その音楽コンサートが大成功して、翌日。イブとハヤテとヒトハはレインマジックハットの欠片の一つを捕まえて次のレインマジックハットの欠片を見つけるために次の町へ行く馬車を待っていた。そこにフルータとソフィーが見送る。



「イブさん!あなたとのアンサンブル、とっても楽しかったです!また来たら、やりましょう!」

「ありがとう。・・・フルータもあのコンサート、ちょっと楽しかった?」

「・・・楽しかったね。イブが促したおかげで。・・・ありがとう」

「私は思ったことを言っただけよ。」

「・・・イブとヒトハと・・・ハヤテだっけ?」

「何だ?」

「これから、次の町へ行く前にちょっと寄り道してかない?あのねーーー」



すると・・・



カカー!



「!!?」



赤みを帯びた黒いカラスがフルータのフルートを奪った!



「ああっ!!僕のフルート!!」

「あのカラスは怪しいわね。追うわよ!」

「おう!!」

「うん!!」

「ソフィー、御者さんには言っておいてね!じゃあね!」

「は、はい!さようなら!」



イブとハヤテとヒトハ、フルータはフルータのフルートを奪ったカラスを捕まえてフルータのフルートを取り戻すため、次なる地ーーークローリの森に旅立った・・・

次回からは二部作(6話分)を使ってお届けします。付き合って下さいね?お楽しみに!

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