男二名の集中(台本形式)
キャスト★男2:女1
・太郎(♂)
・美紅(♀)
・レイ(♂)
※ニコ生やこえ部での使用は自由です。
強制ではないですが、連絡くれるとうれしいです。
あと可能ならURLの記載をお願いします。
太郎はスプーンをじっと見つめている。
美紅はその様子を不思議そうに見つめている。
太郎「……」
美紅「太郎、どうしたの?」
太郎「……」
美紅「おーい? スプーンなんか見つめてどうしたのよ」
太郎「……うるさい」
美紅「へ?」
太郎「うるさい! 人が集中してる最中に!」
美紅「集中って、スプーン見てるだけじゃない」
太郎「俺はスプーン曲げに挑戦するんだ」
美紅「は?」
太郎「そのために超能力を使うんだ。だから集中する必要がある」
美紅「は? くだらない」
太郎「なんだと!? スプーン曲げに挑戦することの何がおかしいんだ
美紅「あんた、超能力なんて使えないでしょ」
太郎「ああ。だから集中してるんだ」
美紅「……」
太郎「だから話しかけないでくれよ。まあ、話しかけられたとことで返事はしないけどな」
十分ほど経過。
美紅「……もう十分も経った」
太郎「まだだ、まだ足りない。早く曲がれ」
美紅「無理だって」
そこへ一人の男登場。
見た感じ、太郎たちと同年代。
レイ「お前……」
美紅「……何?」
レイ「そこの男、話がある」
美紅「あ、太郎に用があるの?」
太郎「(集中している)……」
レイ「人が声をかけているというのに、無視とはいい度胸だ」
太郎「……曲がれ、曲がれ」
美紅「ああ、気にしないでください。馬鹿なだけなんで」
レイ「俺の名はレイ。お前、話がある。話を聞け」
太郎「……」
レイ「話を聞けと言っているだろ」
美紅「あの、あなた何者?」
レイ「お前、なぜさっきからスプーンを見つめているんだ?」
美紅「なんか、超能力が使いたいみたいです」
太郎「はあ、はあ……いけ!」
レイ「なぜ問いに答えない。なぜお前はスプーンを見つめているんだ?」
美紅「だから超能力でスプーン曲げたいみたいですよ」
レイ「この男、先程から人の話を聞いていないな」
太郎「絶対に、俺は成功させてやる!」
レイ「話を聞け!」
美紅「……人のこといえるの? あんた、さっきから私の話聞いてないよね。こいつは超能力でスプーンを曲げようとしてるだけなんです」
レイ「無視するとはいい度胸だ。お前はなぜスプーンを見つめ続けている?」
美紅「だから馬鹿な実験してるだけですって」
レイ「俺の話を聞かないとはいい度胸だ。私は人の話を聞かない奴が嫌いでな」
美紅「あんたも聞いてないじゃない。てか、私の存在気づいてます? 太郎に話しかけることに集中してないで、こっちの話も聞いてよ」
レイ「こうなったら、俺もスプーンを見つめてやる」
太郎「俺ならできる!」
美紅「ああ。知らない人までスプーン見つめ始めた……てか両方私の事放置?」
一時間後
太郎「はあ、はあ。いつになったら成功するんだ」
レイ「未だに目的がわからない。この男は何のためにスプーンを見つめるんだ……」
美紅「あれから一時間が経ったけど、こいつらいつまでスプーン見続けてんのよ」
レイ「おい、お前」
太郎「さあ、曲がれ!」
レイ「お前、いい加減俺の話を聞かないか?」
太郎「くそっ……! 俺は無力なのか……?」
レイ「いい加減に話を聞け」
美紅「こいつら、集中しすぎ……」