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第七話 Q、生きていく上で必要なものは何ですか A、愛です

ポエルさんありがとうございました!

「わるものAさん、働いてください」


かなり遅めの朝食を萌葱とともにとった後、コーヒーを飲んで咳き込んだ彼女が息をようやく整えて言った。

 ちなみに例によってキッチンには冷蔵庫、電子レンジ、オーブンその他諸々が一つもなかったので、今日の朝食のメニューは、マンションの下にあるコンビニ「ヘブン イレブン」から萌葱の金で買ってきたパンとコーヒーである。

 初めてのコンビニ体験だったわけだが、コンビニには・・・・・・天使がいた。正直「ヘブン(・・・) イレブン」なんて大仰な名前つけやがって・・・・と呆れて入ったものだが、確かにあそこは天国だった。レジの女の子が異様に可愛かったのである。あの鈴の音のように澄んだ声を聞いただけで、もう何か現実ナイス! そう思えてしまった。萌葱と比べても遜色ない・・・・いや、萌葱よりも・・・・

 なんてことを考えていたら、萌葱がそんなことを言ってきたのである。

 「働く」。なんて嫌な響きを持った言葉だろうか。そもそも俺には働くという感覚がわからない。AIであるときはただプログラムに従って動いていただけで、それは必要性にかられてということではない。

 だが、今は違う。こうして生身の体を持った今、俺にはたくさんの必要なものが生まれた。まず食料。そして、暮らすための住居、生活必需品。そしてそれらを手に入れるために、現実ではお金を必要とする。では、お金はどうやって手に入れるのか。答えはひとつ・・・・働くしかないのだ。しかし俺には一つ疑問があった。

「なんで、働かなきゃいけないんだ?」

俺はもう一度部屋を見渡した。萌葱により住居は確保済み。食料も萌葱の金がある限り大丈夫である。生活必需品は・・・・金があればなんとかなるだろう。生きるために必要なものは最低限揃っている。それを言うと萌葱は怒ったように言う。

「わるものAさん! 気づいていますか?」

何にだ?

「それら全てに、前提として私の存在があることを。」

・・・・気づいていた。もう一度振り返ってみよう。

 萌葱(・・)により住居は確保済み。食料も萌葱の(・・・)金がある限り大丈夫である。生活必需品は・・・・(萌葱の)があればなんとかなるだろう。・・・・・・。

 けど、なんだっけ? 契約? それがある限り俺はここにいてもいいんだろ?俺の中にはそんな甘い考えが浮かんでいた。

 そんな俺の考えを見抜いたのか

「契約を思い出してください。私はあなたに寝所を提供すると確かに言いました。」

・・・・さっきまで、忘れてたくせに。

「そしてその代わり、あなたには私を養ってほしい、そう言ったじゃありませんか。」

まぁ確かに言っていた。けど、

「その必要はないんじゃないのか? この家を見る限り、お前は金に困ってるようには思えないん」

「603円」

俺の言葉を遮る形で萌葱が強く言った。

「これが、今現在の私の所持金です。」

「・・・・え?」

「あ、間違えました。先程パンとコーヒーを二人分買ったので・・・・205円ですね」

205円。一体それで何が買えるというのだろうか。うまい棒(9円)なら20本ぐらい買えるかもしれない。だが、うまい棒20本でこれからどうやって生活していけるというのだろうか。

 黙り込む俺に、萌葱がバックからあるものを取り出す。その紙は

『履歴書』

これを書けということか。

 どうやら俺は働かなければいけないらしい。・・・・就職できるかな、俺。


「ヘブンイレブン」


この名前にピン!と来たら


http://ncode.syosetu.com/n9347bw/


まで!

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