7話
開いて頂いてありがとうございます。
よく朝、たまたま道端で会ったフォルスと一緒にシルベールは登校していた。
「なあ、シル、今日ってナイトの発現の授業があるだろ?緊張するぜ。俺も適性あるから勉強させられたから基本的なことは分かるけどよ、魂の契約ってのが気になるんだよ」
だらだらと歩きながらフォルスが困った顔になる。
「だってよ、ナイトの総数ってのはまだわかってないし、場合によっては何代目っていうのがあるじゃん。カーラ様のシンナイト(烈火)も確か2代目だろ?80年前の黙示戦争のときに初代が出て、それでその初代が死んだあと、カーラ様が烈火を発現したじゃん。これって魂っていうより、素質とかじゃね?って思うんだよね」
「うーん。まだ俺らは発現させてないから分からない部分も沢山あるしな。発現させたら何か分かることもあるかもしれんし、各契約内容については秘匿の義務があるしな」
「ま、今日の授業で一度発現させて契約しないとはじまんねえな。楽しみだわ」
校門を過ぎ、学校に入っていこうとするときにシルベールは呼び止められた。
「おい、そこの君」
「なんだ?」
声のする方への振り向くと、そこにいたのは金髪で取り巻きを連れた男だった。
「君がスターレイン公爵家のシルベールか?」
こいつ金髪で、取り巻きをつれてそれでこの顔は…。
「ああ、そうだ。シルベール スターレインだ。それでお前は、ギグス公爵家のホイトか」
「そうだ、よく分かったな。ああ、我ら四大貴族の一員だからな、お互い仲良くしようと思って声をかけた。それで、シルベール、お前の横にいるやつは誰だ?紹介してくれたまえ」
フォルスは嫌そうな顔をするがしょうがない、一応こいつも貴族だから答えないと。
「フォルスだ」
するとホイトはフォルスに対していかにも汚らわしいものを見るような視線を注ぐ。
「シルベール、君とあろうものがなぜこのような平民と一緒にいるのだ?品格が落ちるぞ。さあ、僕と一緒に行こう」
そう、こいつホルト ギグスはまことにやっかいなことに俺と同じ四大公爵家のひとつ、ギグス公爵家出身だ。ギグス家は先々代、要するに黙示戦争の時代の当主はよかったそうだが、ホルトとこいつの父親はまさに俺が嫌いな、権力欲にまみれた男だ。しかも対してナイトも強くない。
「ホルト、俺が誰と居ようとお前には関係ないはずだ。平民であっても能力があるからこの騎士学校にきているのだろう?一々文句をつけるな」
それを聞いてホルトの取り巻きが文句を言い始める。
「貴様!ホルト様になんてことを!」
「貴族は貴族といればいいのだ!平民などと付き合う必要はない!!」
周りをちらっと見ると既に野次馬が集まっていた。まあ当然か。四大公爵家の息子二人がいるのだろうしな。だが、面倒だ。さくっと追い払おう。
「黙れ…」
俺はその言葉に日頃抑えている殺気を纏わせた。それだけで、あんなにも煩かった取り巻きも黙る。
「お前たちこそ誰にものを言っている?俺はスターレイン公爵家のシルベールだ。貴様らに俺の行動をとやかくいう権利はない。去れ」
ホルトは俺の殺気を受け、動けなくなっていた。そうだった。ホルトは騎士の適性はあるが無能で有名だった。俺の殺気は自分で言うのもなんだが、あの父上に鍛えられたものだから弱いやつにはつらいかもな。
「フォルス、行くぞ。こんなやつ相手にしている必要はない。1限からさっそくナイトの発現の授業だ。忘れていこうぜ」
「俺は大丈夫だぜ?こんなの気にしてたら騎士学校なんざは入学してねえ」
それを聞いて安心する。フォルスは獰猛な顔をしていた。
俺らはアホをやり過ごし、教室に向かっていった。
シルベールのやりとりを陰でみていた人物がいた。
「ふーん。あれがシルベール スターレインかぁ。おもしろそうな人ね。後、一緒にいたフォルスとかいう平民もおもしろそーね。機会があったら話かけてみよ」
彼女の服には赤色の紋章が入っていた。これは三年生である証拠である。そしてその彼女の紋章は金色の枠で縁どられていた。
よくある展開ですね。やはり入れてみました。