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嫉妬

 「なんでマユが神坂くんのこと知ってるの?」

 ――ましてコウスケくんだなんて・・・・・・まだ体中が脈打つ中

必死で平静を装いながらミキは尋ねた。

「マユたちが体育館で遊んでたんだけど、そこに上級生が来てマユたちの場所を

無理やり取ったの」

「そこを神坂くんが助けてくれたの?」

「ううん」

 あっさりとマユは首を横に振った。

「へ?」

 ミキはますます混乱してしまった。

「なんでとりかえさないの? ってマユたちに言ったの」


――なんで取り返さないの? 悔しくない?

 一部始終をステージに横になって見ていたコウスケは、諦めて体育館を去ろうとしている

マユたちにそう声をかけた。

「無理だよ、相手は上級生だし」

 と、口を尖らせて言うマユに対し

「でも君たちの方が先に遊んでたんだろ? ならそこは君たちの場所だ」

 とさらりと言い放つ。

「そんなこと言うなら先輩が取り返してくださいよ!」

 マユの友達が半ば怒り気味に頼むが、コウスケは首を縦に振らなかった。

「自分で取り返さなきゃ意味ないんだよ」

「えー! 口だけじゃん!」

「そんなこと言っても他人の力で取り返してもなんの解決にもならないから。

だから僕は一切手は出さないよ。」

 コウスケの言葉をただの屁理屈だと思ったマユの友達は

大股で足踏みをしながら教室へと帰って行ってしまった。

「・・・・・・本当のことなのに」

 小さくなっていく後ろ姿に向かって、コウスケは

ぼそりと呟き、再びステージに横になった。

 去っていってしまう友達と、コウスケを見比べ、マユはコウスケの枕元に

ちょこちょこと歩み寄り、顔を覗き込んだ。

「何か?」

 前髪の間から意外と長い睫毛に縁どられた目がうっすらと開く。

「先輩、あんなこと本気で言ったの?」

「当たり前だ、やってみなきゃどうなるかなんてわからないだろ。」

 マユにしつこく聞かれて少しイラっとしたのか、眉間にしわが寄る。

案外わかりやすい人なんだな、とマユは少し笑ってしまった。

「わかるよ」

「なんで?」

「女っていうのはそういう生き物だからね」

 すこしにやりとしてマユは答えながら、どうだと言わんばかりに胸を張る。

「なるほど、そりゃ男の俺にはわからないな」

 そんなマユを横目にコウスケもふふっと笑いながらそう頷いた。

名前はその時に聞いたのだという。


 そんマユの話をあたかも興味なさげに聞いていたミキだが、内心はマユに嫉妬していた。

自分がいつもしたいと思っていたことを、マユはさらりとやってのけたのだ。

「マユ、そんなこと言ってないの。あなたもそんな子と仲良くしちゃダメよ、ね? ミキ」

 ミキはうんとは言わなかったが、その沈黙を都合のいいように解釈したのか

ママは満足気な表情を浮かべる。

しかし、マユはそのつぐんでいた口を開き、「嫌」と答えた。

「こらマユ! そんな事言うんじゃないの」

 ママは少し、語気を強くする。

「そんのママの勝手な考えでしょ! 自分がそうするかぐらい

マユ自身に判断させてよ!」

そういうとマユは扉を力強く閉めて、自分の部屋に行ってしまった。

「全くあの子ったら・・・・・・ミキはちゃんとしなきゃダメよ」

 そう言われ、ミキは何も言えなかった。

 箸を持つ手に力が入った。


んー、なかなか難しいですね。なんとか更新できましたが・・・・・・。

もうちょっと続きます(´・ω・`)

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