悪いけどちょいワルでね。
ガキは読むな!悪いけど俺はちょいワルオヤジでね。
そこいらオヤジと違うんだ。やさしいことなんか、いわねーぞ。
本音だけの直球一本トークだ。
もし、あんたやる気があるなら、ちょっと付き合ってもいいぜ。
ほんとにあったはなしだ。俺が石田純一に似てるって云うんだ。
あいつも ちょいワルだな。
むかし、トレンディ俳優、今は歳の差結婚。イケメンだな。
はじめどうでもいいと思ったが、そう云われれば悪い気はしねえ。
すると、また別の女が、「絶対に石田純一ねって!」って言うんだ。
二人に云われたら、まあ、そうかと思うしかねえだろ。
家に帰って夜寝るとき、やっぱ思いだすじゃねーか。
うん、そういえば云われたなって。
云われたよな?俺は石田・・・うん、なんだっけ?
石田???なんだっけ?
下の名前がでねーなんだ。
どうしても、その名前がでねーなんだ。
なんだっけ?なんだっけ?
思い出せねぇ!!
そん時だ、思い出した。
「石田三成」だ。
俺は、石田三成に似てるんか?
ちょっと待て。石田三成って戦国武将じゃねーか。
俺は、いつからサムライなったんだ。
翌日だ。また昨日の女たちがきやがって
「今日は、石田純一しないのですか?」と聞くんだ。
そうか、石田純一だ。
俺は石田純一だったんだよな。
ハハハ、良かったぜ。思い出せてよ。
するとまた、別の女が俺に聞いたんだ。
「今日は靴下履いてるんですか?昨日は、素足に革靴だったのに」
えっ、靴下?靴下って昨日はたまたま暑かったから脱いでいただけだぜ。
それで、石田純一だったのか似てるって、靴下履かないところだけなのか。
俺は夜中、名前出なくて苦しんだっていうのに、たったそれだけのことだったのか!
わかるか?このはなし。ちょいワルを通すのは、辛いもんだぜ。