29/31
7-1
でも、未だに、わからない。
‘彼の’ではない、僕の論文は完成した。
大学院博士号取得。
そして大学院の卒業。
彼の死した日、養女となっていた‘風見’は、これから戸籍上正式な名を名乗る。
あの日、すぐに名乗っても良かった、本来なら名乗るべきだった。
覚悟が無かったのだ。
中途半端な考えを捨て去り、区切りがついた、今。
皆がいる前でにこやかに、桜舞う中、静かにゆっくりと口を開く。
「はじめまして…………藤咲瑠維です。」
でも、未だに、わからないまま。
でも、未だに、わからない。
‘彼の’ではない、僕の論文は完成した。
大学院博士号取得。
そして大学院の卒業。
彼の死した日、養女となっていた‘風見’は、これから戸籍上正式な名を名乗る。
あの日、すぐに名乗っても良かった、本来なら名乗るべきだった。
覚悟が無かったのだ。
中途半端な考えを捨て去り、区切りがついた、今。
皆がいる前でにこやかに、桜舞う中、静かにゆっくりと口を開く。
「はじめまして…………藤咲瑠維です。」
でも、未だに、わからないまま。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。