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永久  作者: 愛埜
about 5 years ago
21/31

6-1


 彼の研究について、‘不死’について、瑠維は今一度考え直した。

 そのきっかけは、卒業研究。

 ここでは、三年次から卒業研究に取り掛かる。





 皆が集まる桜の木の下。

 進級したばかりの者たちが、大学構内の桜林のふもとで、花見という名の酒盛りをしている。


『あのさあ、皆、卒業研究ってろーすんの?』


 酔っ払って、眠りだすものが出て来た時、この中に居たうちの1人、マリ、が言いだした。

 呂律が回っていない。


『わたしは・・・南先生のトコがいいな~って。で、新しい植物、花を作る!』


 そう答えるのは、瑠維と同い年のアスカ。


『そーゆーのって、卒業してから作るんじゃらいの?』

『へ?』

『やっぱり酔ってる?』

『ちょっと、それはマリの方じゃない?』

『あーあーあー、聞こえん。・・・アスカはさ、先生のところでは原理について研究したら良いんじゃないかな~って』


 三年になったばかりで、そのような事まで今はまだ考えていない者が大多数だろう。

 その中で、アスカはまだ考えている方だ。


『うー。その方が現実的かも。瑠維は?』


 いきなりアスカから話を振られて、瑠維は答えられない。


『え、あ・・・まだ考えてない。』

『そうだよね、この時期で具体的にアスカみたいに考えてる人の方が少ないよね。』


 酔いは覚めたのか、いつもの口調に戻ったマリが早口に話す。


『とりあえず、今までやってきたことの集大成ってトコでしょ。』

『そうだね。』


 瑠維には苦く笑うしかなかった。

 皆が自分の意思で研究内容を考え決めて行く中で、自分だけが他人の意思を受け継ごうとしていたのだから。






 不死とは、単に死なないと云う事を示すのか。

 それとも、彼にとって別の意味が存在するのか。

 今の瑠維でも、その真意に辿り着くことが出来ていない。

 その為に行動に出る。 誰に何と言われようと。

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