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永久  作者: 愛埜
about 13 years ago
17/31

4-5


 彼女は随分と長い間、目が覚めなかった。

 13と云う年齢での大仕事、妊娠・出産。

 世間からの目、自分の求める幸せ像。

 その2つの間にあるズレを目の当たりにし、それに正面から衝突しつつも逆らい続けて来た。

 疲れたのだろう。

 皆はただ、彼女の目が再び開くことだけを願った。

 何も、皆でこの世から居なくなる必要はないのだから。







 こんなに可愛い少女を置いて、貴方は一体どこへ行ってしまったのです






 目が覚めた少女に、大人は容赦なく現実を突き付けた。


『約束が違うっ』


 そう泣き叫ぶ少女の声を聞いていられなかった。

 数日前、この病室で彼と共に幸せそうに笑っていた面影は一切なく。

 長い間眠っていたにもかかわらず、疲れきった表情。

 幼い彼女は外見は随分大人っぽく、いつ見ても年相応には見えなかった。でも、今は余計に、大人っぽくを通り越して、年相応には見えず老けて見える。


『どうして、僕を1人にしないで・・・!』


 彼女は再び、1人になった。

 愛おしくて仕方がない彼と最愛の子の両方が、共に彼女の手から抜け落ちたのだから。






 こんなに可愛い少女を置いて、貴方は一体どこへ行ってしまったのです






 彼女は年相応に儚く脆いと云う事は、誰よりも貴方が一番知っていたのに

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