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厳重梱包

作者: 尚文産商堂
掲載日:2026/06/01

「今日中に、これを送ってくれないか?」

お昼も少し過ぎたころの、手野貨物のとある事務所。

俺はそんなお客を相手にしていた。

「ええ、いいですよ。大きさなどを量らせていただきますがよろしいでしょうか」

営業所だから、荷物の発送の持ち込みなんて日常茶飯事だ。

だから何も思わずに、お客が持ち込んでいた荷物を確認する。

段ボール箱のようだけども、あまりにもテープでぐるぐる巻きにされていた異形の姿が真っ先に目に入る。

そしてそのテープの上からはたくさんの不思議な文字や記号が書かれた紙が貼られていた。

「……一つお尋ねしますが、こちらの紙に記載されているものではないでしょうか」

こういう時用のものが準備されているところから見ても、思った以上に不可思議なものを送るということは多いのだろう。

「あ、これですね」

お客は神をじっと上から下へとみていったがあるところを指さして、渡していたボールペンで丸を付ける。

「承りました。割増料金をいただきますがよろしいでしょうか」

紙を見てもらっている間に、各辺の長さと、箱自体の重さを確認していた。

普通なら550円に特急料金となるが、今回の場合はそれにプラスしてお金をもらわないといけない。

特別仕様の輸送車が必要になるからだ。

運がいいことに、ここにはその特別使用車が用意されている。

「はい。お願いします」

他にも必要なものを書いていってもらう。

運ぶのは呪いの人形で、すでに封印はされているが確定ではないこと、それに輸送先の都合でできるだけ早めに運んでほしいこと。

追加すれば、ほかの人へ危害を加える可能性も少しはあり得るということだった。

「特別仕様による輸送となりますので、料金は全部合わせて、税金込みで2500円となります」

「クレジットカードで」

「はい、承りました」

カードを受け取り、その処理をしている傍らで、同僚へと紙とほかに書いてもらったものを回していく。

こういう時のために、特別な訓練を受けた人がここにはいて、その人がこういったものを専任で配送をすることになっていた。

「ありがとうございました」

カードの処理が終わり、返却すると、レシートと伝票をお返しする。

これでお客さんは営業所から出ていくが、これからが大変だ。

なにせ呪いの人形を、安全安心に運んでもらわないといけない。

もっともそれは俺の範囲外だから、あとは頑張ってもらうしかないわけだが。

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