ドラゴンハンターとは俺のことだ
「着いたな、北の森に」
タラ子がほくそ笑みながら言った。
タラ子とアサリの二人を乗せた絨毯が森の入り口に着陸した。
「結局、お前も絨毯乗っとるやろが」
アサリが絨毯をしまいながら言った。
「まあな、長いものには巻かれろってな。絨毯だけに」
「全然うまくねぇよ」
「しかし、随分と薄暗い森だな」
タラ子は森を見渡した。
「確かに、いかにも危険って雰囲気がするな」
アサリが眉をしかめながら言った。
「ああ、まるで悪魔か何かの根城のような。そんな雰囲気を感じるぜ」
「そうだな、ただならぬ雰囲気だ」
アサリは森を見渡した。
「まさに、とんでもない雰囲気だ。例えるなら」
「いやもういいだろ。どんだけ森の雰囲気感じてんのよ」
「いいじゃん。詩人チックだろ?」
「くどいと言ってんだ。早く森の中に入れよ」
「おい待てよ。お前、森を甘く見てると命を落とすぞ」
「急に? 一里あるが、早いとこドラゴンを討伐しないと」
「そうだな」
「納得早っ! ホントムダにつっかかってくるなー、時間のムダすぎる」
「そう思うならとっとと行くぞ、遅れるな」
「こいつホント……」
二人はようやく森の中へと足を踏み入れた。
そして2時間後……。
「うむ。迷ったな」
タラ子が伸びをしながら言った。
「台詞の割には呑気だな。どうすんだよ?」
「安心しろ。こういう時のために『ドラゴン呼びの笛』を持ち歩いている」
タラ子が懐を探りながら言った。
「必要な場面が限定的すぎるだろ。お前本当に転移者か?」
「よく言われる」
「いやお前、さっき転移したばっかだろ」
「それより、ドラゴンの場所が分かったぞ」
「もう? まだ吹いてないだろ」
「いや笛のデザインをしてるだけで、吹く必要はない。先端のボタンを押せばサーチが始まる」
「えぇ……で、ドラゴンの場所は?」
アサリが尋ねた。
「5秒後にこの場所だ、2・1・0!」
突如、二人の目の前に巨大なドラゴンが降り立った。
「うわー! ドラゴンだぁ!」
タラ子が叫んだ。
「いや、唐突すぎる! 何の準備もしてないが!」
「恋とドラゴンをいつも唐突にと決まってる。行くぞ!」
「いやそれ初めて聞いた。どうすんだよ? 武器は?」
「貸して」
「マジで勢いだけだなお主は」
次の瞬間、ドラゴンは口から巨大な火炎弾を二人に向けて放った。
「うお! あれはドラゴニック・インパクトだ!」
「勝手にそれっぽい名称付けるな! かわすぞ!」
二人はプロの体操選手に引けを取らないアクロバティックな動きで火炎弾をかわした。
「いや脚色付けすぎだろ。絶対そんな華麗じゃないよ」
「うっ! 今の回避で腰が! 寄る年並には勝てないか、加齢だけに」
「くだらねぇ。全然余裕だろお前」
アサリは額に冷や汗を浮かべた。




