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その頃デス○ートを読んでいたので、将来的にこの町から虫の異常が始まった事を、辿る人が出る危険性に気付いた。


そこで隣県の一つの町をテストケースとして選んだ。

田舎特有の暴走族がまだいるし、ドキュンって呼ばれる人も多い。

彼らの活動時間は夜だし、僕は夕飯後に部屋に籠れる時間だから、都合が良い。


コンビニで集まっているなら蚊やゴキブリに襲わせ、爆音で暴走をしているバイクの場合は、何匹かのカブトなどの甲虫に犠牲になって貰って、正面からヘルメットにぶつけて事故をさせた。


車で移動する奴は虫で追わせる。

暴走族でも何でも、その本人がいなければ成り立たないし、グループを構成している人数なんてたかが知れている。

一人一人虫で追いかけて、家を虫に襲わせれば、居場所がなくなって逃げ出すのだ。


それぞれの両親にも責任を負わせた。

他人に迷惑をかける子供を作り、放っておいた罪は償わせる。

子供が暴れて被害者面の親もいたが、製造責任を取らせねば筋が通らない。


この頃からノートにありとあらゆる記録を書く事にした。

最初は好きに書きなぐっていたが、あっという間にノートが尽きる。

細かく緻密にスペースを無駄にしない書き方が身に付く。

それでもノートの消費量が異常になっている。書く事が多すぎる。

親にお願いしてお古のノートパソコンを貰った。

エ〇セルで管理をすると一気に楽になる。

お年玉で新しいパソコンを買うまで、急に固まったりするパソコンでデータ整理をしていた経験で、ノートに元の数値を書いて置かないと危ないという認識を、強烈に持つようになった。

ノートに数値を列記して、パソコンで把握する方法で、ノートの消費量は1/10以下まで減らせた。


迷惑者本人が成人で、別居している家族で追いきれないところを見つけるのが、一番苦労した。

自分で作ったルールを捻じ曲げたくなる。

どこにも逃げ出す資金もなくて、仕事にも行けなくなって家に全員で引きこもる家族もあったが、ほぼ全ての家族が散り散りになって夜逃げした。


責任をどこまで訴求するか問題は、後には明確に問題行動者の親が善良な場合は親まで、親が駄目ならその親達も。という簡単なルールに落ち着いた。

その調査の過程で他に駄目な親族がいた場合は、同じく見つけた者から上に派生させる。

兄弟も親族と同様に扱う。


親族連座制には思うところもあったが、製造者と近しい者に責任を取らせなければ、他に責任を持つべき者がいなくなる。

反社会性パーソナリティ障害、いわゆるサイコパスの場合も、親に責任は無いが製造責任を取らせないと、他人に迷惑をかけた罪が行き場を無くしてしまう。

このシステムが一番自分で納得がいった。



授業中はセミオートの指令を出した虫で、向こうの町内の小中高の各クラス・次に各部活・塾など、しらみつぶしに様子を見てイジメを見つける。

法によって裁くのではない。僕が調べてダメと判断したらダメだ。

その分、調査に時間はかけた。

1クラスに付き1週間位はかける。それでも田舎のその町では小中高全部で18クラス程度しかない。

中高の部活もそこまで多くない。

冬休みが始まる前にはほぼ全てのクラスでイジメが無くなった。


イジメをすれば乳首と性器を虫に刺されるという恐怖は、都市伝説の様に町に広まった。

夏の暑さの残る頃に偶然そういう場所を刺された人が悪い事はしていないと狂乱したって話も聞いたけど、秋も深まった時期に両方を蚊に刺されるのはイジメっ子だけだって事に気付いてからは刺される=本人が悪いの図式が出来ていた。


イジメの凄惨さに合わせて罪の重さを選定した。

最上級は高須君の時の4人と同じだ。

回数を重ねて屑連中の酷さを知れば知るほど、与える罰に容赦は無くなっていく。

実際のイジメが行われている場面も見て、もっと激しく罰したくなる気持ちは強くなっていたが、何とか押しとどめた。

僕が裁く以上、僕がフラフラする事は許されない。

感覚が麻痺して基準がぶれない様に、少しの時間でも本を読むようにした。

普通の小説から政治学や自己啓発本まで何でも読んで、一般的な人の感情と乖離しない様に務める。


暴走族やドキュンの苛烈な制裁ぶりが知られ、同じ町内で噂が回ってきた事で、同じものだと気づいた人たちはイジメをぱったりと止めた。



恐怖支配以外で悪意をどうにかするなんて幼稚な考えは、始めから持つ気もない。


バレれば中世の魔女狩り以上の迫害かな。火あぶりになってもおかしくない。

僕の一族郎党こそ殲滅されるだろう。

バイクで事故った人には半身不随や失明した者もいる。

その後を見ていないが、逃げ出した家族や引きこもった家族には自殺者もいるかも知れない。


でも覚悟は決まっていた。

僕だけが貰った能力を、世を良くする事に使う。

まだ関知している人死には出ていないが、出ても問題なんてない。


その町のイジメが完全に消えてから、放射状に範囲をランダムに広げるのを装いながら、晩秋から初夏までの期間は、蚊の代わりにダニを使ったりシラミを使ってイジメを撲滅していった。

どこでも徹底的にやれば二度と起こらないのは確認済みだ。

そして小6の初夏には自分の地元の町の浄化に着手した。



同時に、虫の研究を進めた。

ゴキブリやシロアリが益虫でもある事は知っていたが、改めて生態を学ぶ。

イジメ撲滅の起点となった県の更に二つ先の県で実験開始。

農業被害を出す害虫の抑制をして成功したために、調子に乗ってミツバチに手を出して失敗した。


ミツバチに果樹などに対する花粉の受粉率を上げさせたのだが、実が付きすぎて味が悪くなったり、他の植物の受粉率が下がったせいで色々な弊害が出た。

これは大体復帰させるだけで2年を要した。


自然は全てが繋がっているから、人間にとっての都合だけ考えてイジるのはとても危険だ。

でも人間にとっても自然に取っても良い影響を与える事は出来る。


ミツバチやクマンバチ・マルハナバチなどの受粉の媒介者になる虫への操作は、研究を進めて影響を把握できるまでは行わない事とした。



この頃に自分が会っていない虫にも、指令を伝播させる能力が身に付く。

僕の決めた範囲で伝播させるかさせないかを設定すれば、僕の指令が同種の虫に届く。

届いた虫には入る事も可能だ。




水質改善効果の強い水生昆虫を集めて、一気に一カ所ずつ川の掃除をさせる。

虫が分散していると効果が薄いけど、一度に纏めてヘドロやノロなどを上流から順に処分させると、川が一気に再生した。

この実験はイジメ起点の県とミツバチの県の間の県で行った。


以後色々な実験は、隣県とその隣の県を起点として続ける。

時々更に離れた県を加えて、二つ隣の県が怪しい印象を与える。


この時に甲殻類にも入れる能力が身に付く。

エビに指令を与えられるようになったことで、水質改善が一気に進み、カニに川床の砂を掘らせてフカフカにする事で、川の環境自体を劇的に改善出来た。


虫の力は通常は分散しているから影響が薄いだけで、それを人の意志で集中させる事で効果が出る。

集中させ過ぎて水質が浄化され過ぎ、在来種の魚が減少する区間を作ってしまったり、試行錯誤しながらも実験を進める。


この頃には食性に合った指令の場合は、虫の生涯どころか次世代、更にその次と決めた世代に渡って、何十代でも指令を出せるようになっていた。


更にはバクテリアや菌類も操作が出来る。

中に入る事も指令も出せないけど、集めたり離散させる事だけは出来るようになった。

菌類は数が多くて、勉強量が跳ね上がる結果になったけどね。



川が綺麗になった後は近くの沼やため池、小さな池なども浄化。

留まり水にはバクテリアが最も有効な手段だと分かって、川の浄化にもフィードバックさせる。

街中を流れる堀も綺麗になって、蛍が住む清流になり、観光客が一気に増えた。


水質改善は農業・林業・はては海の漁業にまで影響を与える。

調査と研究に追われる毎日になった。

水質改善は最終的な切り札になる予感を感じ、中高を通しての研究テーマのメインになった。



不良やイジメの浄化も同時に進めた。


監視させる虫から異常を見つけた場合に、アラームをこちらに知らせるという能力を思いついてから、劇的に管理が楽になった。

視界の共有や意識に入らなくても、一度繋がったり指令を出したりした虫の全てに、自動でアラームを送らせる事が出来るようになる。

実質的に僕が注視している色々な地域の、あらゆる場所の異常を知る事が出来るようになった。

元々出来る事は無数にあるのに、僕が思いつかないから能力が制限を受けている。

もっともっと発想を豊かにしないといけない。


けっこうな数のイジメる側を裁いていく中で、法則が分かってきた。

イジメを主導的に行う人間は、ほぼほぼ全員が家庭に問題がある。

肉体的な虐待やネグレクト、性的虐待、不倫や離婚や犯罪や反社会的職業、過剰な躾や潔癖症、強迫観念的な学習虐待。

まるで家庭から出るアラームみたいに、親の鏡のように、親の問題行動を知らしめるようにイジメを行う。


だが、そこで他人をイジメるという選択をした者を許す気は、全く起きない。

他の一般的な生徒にも、親に問題を持つ者はけっこうな頻度でいたが、他人に迷惑をかける選択は取っていない。

他人へ迷惑をかけて発散するという、その愚かな選択は生涯に渡って償って貰う。


イジメの観察を行う中で他の犯罪を目撃する事も増えた。

万引き・・・いや窃盗や、建築物への落書き=器物損壊など。

その場合は即座に罰を与えた、それも容赦ない罰を。


家庭に問題が無い穏やかな家庭で育つ子供は、イジメグループに所属することはあっても、率先や主導はほぼしない。

主導連中が辞めたり居なくなれば、イジメから手を引くこいつらをどうするか考え、リスト化して保留にした。

一回は乳首と性器を刺して警告はしてある。

次回があれば問答無用で最上級の罰を与える事にする。


学校のやっかい者がいなくなって、自分が台頭しようとしたバカがリストの中に居て、瞬時に罰を与えた事が数件ある。

親を含めて一切容赦しなかった。

あくまでもイジメの殲滅が目的だ。

元からのイジメっ子の行った悪行の量や回数と比べれば、軽微である事を一瞬考慮しようかと思ったが関係ない事に気付く、バカを容赦する理由が無い。


過去にイジメを受けた人間が、イジメをし返すという案件はまだ見ていないが、女子の方で、過去に性犯罪を受けた人物が、イジメを主導している案件があった。


現在進行形でイジメを行っていたために、本人には罰を与えたが、このような場合のみ親への制裁は止めた。

性犯罪の事実は分からないが、会話や本人の呟きからは本当だろうと思われた。

性犯罪の加害者は捕まっておらず特定も出来なかったので、何も出来なかった事は少し悔やまれた。


ますます調査の必要性が増えたが、過去の犯罪被害が現在の犯罪行為の免罪符にはならない。

本人への罰は手抜きせずに行った。


アラームは町の犯罪にも応用出来た。

窃盗や傷害などの分かりやすいものが基本だが、犯罪をすれば虫に襲われて、止めなければ追い詰められる。

町の半グレといわれる連中を壊滅したり、外国人の窃盗団を壊滅したりもした。

必ず警察が動き出すまで追い詰めた。


これらの浄化の認識が、地域の人全員に信仰的に広がっていく。

その意識の改善で、全体的に民度が上がって、酔っ払いの暴行や交通トラブル等や親の児童虐待なども減っていく。

虐待して子供がイジメをすれば、親も漏れなく破滅するから当然だ。




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