表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/24

017


翌日のビオトープで、昨日の顛末を話し合う。

原田さんの被害はキツイ話だけど、知った事は全部2人に伝えた。


本命さんこと高堂さんは、刺した原田さんを訴える事はしないという事になった、

原田さんは自宅で親に怒られて謹慎状態になった。


内田君は完全にブチ切れた女性刑事を筆頭に、他の刑事からもキレられ、呼び出された親の目の前で、全ての悪行をバラされていた。


原田さんの下腹部のタトゥーの写真を見せられた父親が、内田君の事をかなり本気でボコっていた。

ところで女性刑事さん、止めるのあからさまに遅かったですよ。

止めなきゃいけないの今気づいた~、みたいな事言っていたけど、数分間は見ていたよね。

昌のキックよりも高堂さんのパンチよりも、親が殴って顔がボコボコになっちゃった。


夜の内に、内田君の父親が原田さん宅に謝罪に向かったが、玄関にも入れて貰えなかった。

必ず裁判を起こすから、次はそこでだ!と言われて、ずっと雨の中で土下座をしていた。


うーん・・・2人には言えないけど・・・

内田君だけ悪役になっているけど、僕はそう思えないんだよな・・・

僕もエッチの内容までは見てないから驚いたけど、変態プレイにしても、タトゥーにしても、嫌がりながらも1回でやられた訳じゃないのに、自分から内田君の家に向かっていた事を、僕は知っている。

しかも嬉しそうな顔だったことも。


それに取り調べで内田君が話していた内容。

付き合う前に何回か告白されて、その度に振ったのに原田さんが身体目的で良いって食い下がるから、セフレメンバーに加えた。

だけど、やっぱり好きになれないから別れを切り出した。

その度に彼女の方から、無茶苦茶な事してもいいって言ってくるから、やることがエスカレートした。

タトゥーも俺専用になったって喜んでいたけど、メンヘラすぎて怖いから、途中で嫌になって適当になった。

彼女が自分で書き加えた部分も多い。

っていう話は言い逃れじゃなくて、本当の事だと思う。

少なくとも、僕がたまに観察していた、2人の表情や扱いにはかなり合致する。


内田君も惚れられて、好き放題やりすぎた事は間違いないけど、全ての責を負わされるのも違うんじゃないのか?

恋愛がらみは、一方的に裁くのは危険だなぁというのが感想。


2人は凄惨な内容に、言葉を失っている。

原田さんは、昌へ感謝の連絡をくれたっていう。

スカッとしたって。

この後どうなるか分からないけど、昌にだけは感謝を伝えないといけないって思ったって電話をくれて、昌はずっと心配だった。もっと止めれば良かった。先輩、いつでも相談乗るからねって泣きながら伝えたって。


昌の両親はどちらも怒らなかったどころか、夕飯が豪華になったって。

ちゃんと判断して行動した昌を、誇らしいと思っているって言われたらしい。

帰りの車中で僕の事を色々聞かれて、相当に困ったけど、今大好きな人なのってハッキリ言ったらしい。


続報だが、内田君の他の彼女の元に、女性刑事が事情を聴く態で聞き込みに回った。

親の前で事件の概略を話して、同じようにタトゥーなどをされていないか確認していた。

各親は狂ったように怒り、内田家に押し寄せたりしていたが、それは間違いだろう。

他の彼女たちは事情を知っていて、それでも自分で我慢する道を選んだのに・・・

親の気持ちも分かるけどね。


程度の差はあるが、そこまで酷い事をされていたのは原田さんだけだったらしい。

彼女たちも元々我慢していたので、今回の件で完全に別れる形になった。


内田家では親が自宅を売却。

一千万もの大金を用意して、弁護士を通して原田家に示談金として納めた。

最初は大金だと思ったけど、原田さんの未来を考えるとそれほど高くもないかな・・・

他の彼女達の口から噂が広まり、とても居られなくなった内田家は、夏休みの内にそのまま引っ越して他県に移住してしまった。


今回の件は・・・後味の悪さだけが残った事件だったな。

でも誰を責めるべきなのか、今も分からない。

恋心を抱いた原田さんは悪くないけど、振られたのに無理を通した原田さんは悪い。

別れを切り出されて、性的な無茶をさせる事で引き留めた部分はもっと悪い。

複数の女性と付き合っている内田君は社会的には悪いが、相手は納得していたから悪くない。

引き留められて好き放題した部分は悪い。

それぞれが悪くて、それぞれが悪くない。

後の原田さんは、やられた事の噂が広まって不登校になり、高校も入らなかった。

後で高卒認定試験でも受けるのか、通信制でも受けるのか・・・


さて、夏休みに戻って、カジカガエルはビオトープの池になじんでくれた。

無事に定着して、出産された卵は一部を確保して、浄化された地元の川に放流。


なんと学校側から、植樹の話が本格化したと伝えられる。

ビオトープの傍の土盛りのところにカエデの中木2本、林にしたい場所にナラやブナなど落葉樹を中心に高木を5本くらい移植して貰えるそうだ。

「こ、こ、高木ぅ~!?」

って驚いたら、カジカガエルの御褒美だという。

もう学校を通さないで、教育委員会の人と通話するのも普通になって来た。

単純計算で、植樹だけで25万円くらいかかるんじゃ?

他の費用加えたら総額が分からんレベル。


カエデとは見栄え狙ってきたね~って思ったけど、万々歳で受け入れる。

8月の後半には植木屋さんが続々送ってくれるっていう。

育てている苗木も育ったら植えよう。


校内のビオトープに来るまでの道に、アジサイを配置したいけど、色んな植物各種揃える方が良いのかな・・・

流石に今回みたいな用途の植林の樹種までは、調べても出てこない。

だれか詳しい人いないかな・・・って思っていたら2人が調べるって。

本当にありがたい。



お盆を過ぎた頃には、ビオトープは食物連鎖も完成して、全部の生き物が順調に生活し始める。

トンボのヤゴが入らなければ、涼しくなるまでは変化無しで行けそうだな。

台風で大量の雨水が入ったら、ちょっと不安かも。

台風の時は様子見に来なくちゃかな。


夏休みの後半に、大きい方のプールの掃除を始める。

林を作るのに、雨水を貯める水がめとして利用したい。

ソーラーパネル付きの水中ポンプを使って、少し湿地帯に近い環境の林にしたいって計画していて、先行で水中ポンプを前回の購入時に含めておいたのだ。


普通の場所で湿地を作ると、虫が大量発生して大変だけど、そこはほらねぇ、僕の能力あるし。

植樹の話の時に、お伺いを立てたら使って良いっていう。

夏の暑い時期に水着に着替えて、美少女2人とホースで水を掛け合いながらのプール掃除はあれだ・・・感無量。

間違いなく人生の勝ち組だ。


湿地帯にするのは植樹した木が落ち着いてからだけど、プール掃除は夏にやらないとね。

どうせ微生物やエビで、藻の類は管理出来るし。


プール掃除以外は、追加の植林用の苗木か種を、近くの山に探しに行く。

接ぎ木用に土台になる落葉樹の苗木を、科別に集めたり・・・

植林奥深いわー、ちなみに植林の実務は、昌がリーダーでやっている。

細かく調べてくれて本当に助かった。

2人ともかなりマニアックな知識が備わってきていて、僕が教えて貰う事も多い。

今年の夏休みは、全部ビオトープで終わりだなぁ。


あ、ちゃんとお祭り回はあったよ。

浴衣の2人と一緒に歩いて、出会った連中からも羨ましがられまくった。

まぁ、3人だから部活で仲良いって事で収まりました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ