表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/24

014


「ここからは、観察だけだから、予定ある人は帰って大丈夫だよ。僕は夕方まで観察続けるから」

「部長と一緒にいたいから、ここにいます」

「まったく同じ!」

「あはは、ありがとう」

「いつもの作業あるならやってください」

「そう?じゃあお言葉に甘えるね」


リュックから水質改善のノートを取り出して、意識を繋げた虫を使って、分かる限りのデータを書き留めていく。

昨日は全然出来なかったから、二日分のデータを記入する。

雨のテントの中で、僕がペンを走らせる音だけが響く。


2人はカエルを見たり、僕のノートをチラチラ見ている。

「ふー、やっと終わった」

「その記録って毎日続けているんだよね?パソコンのデータは2年前くらいからあったけど・・・何年続けているの?」

もうこの2人には全部を話すと決めている。


「うん、小6の夏くらいから始めたんだ。水質浄化をしているんだよ」

「水質浄化?」

「え?え!?川が綺麗になったやつ?」

「うん、そう」

「え?だってあれってこの付近の県の川が、どんどん綺麗になってるってニュースで・・・」

「うん、あれ、僕が犯人なんだ」

「全国ニュースどころか、凄い騒ぎになってるやつじゃん!!環境省の調査団来た奴でしょ!?」

「私たちに教えてくれるんですか」

「うん、僕を好きになってくれた、信用できる2人には、全部言おうって決めたんだ。でも、聞いたら僕を嫌いになるか、怖くなると思う。その覚悟で聞いてくれる?」

「絶対にない!」

「私もそんな事にならないです!」

「ありがとう・・・じゃあ時系列で話すね」


僕が手に入れた能力の話、高須君事件、ミツバチの話や河川浄化の件、そしてイジメ撲滅・暴走族排除の話まで一気に話す。

被害者の惨い状況は、実際の事を一切隠さないで話した。


話し終わりの近くに、周りに居たハエを集めて、少し離れたテーブルに一列に留まらせる。

「これが僕の能力」

ハエは横に一列に並んだ状態から、カエルのケースの周りを等間隔で円で飛んで、今度はテントの屋根の内側に丸の形で留まる。


「はーすっごい話。超能力者だろうって話してたけど、当たらずとも遠からずだったね」

「やっぱり部長は、悪い事してなかったですね」

「悪い事をすると虫に襲われるって話、聞いたことあるよ。そっかあの事件ってぶちょーだったのか」

「隣の県のいとこからも聞いたことあったし、私の学年でも広まってました」

「凄い事してるなー」


「僕はね、この能力で世の中を良くするって決めたんだ。中二の僕が言うと、正しく厨二な風に聞こえるけど、これはね、僕の・・・恩返しなんだ。

この力は使い方で、世界にもの凄い影響が与えられる。だから僕の素性がバレる事だけは避けたいんだ。だから隣の県か、その先の県をスタート地点にして実験を進めているんだ」

「良く考えているなぁ・・・そうだね、攫われて解剖されちゃうね、冗談じゃなくて」

「うん、国が・・・日本だけじゃなくて世界から狙われるの、確定ですね。もう3つの県の川が綺麗になってるんでしたよね。これってもっと他にも色々出来るんですよね」

「うん、他にも時間が無くて出来ていないけど、外来種の駆除も行う予定なんだ。小規模の実験では成功している」

「・・・それってさ、あたし達が手伝うって出来ないかな?データ整理とかだけでも」

「ええっ?」

考えても見なかった。


「そうですよ、私たちもずっとビオトープだけしてても時間空くし、漫画持ってくる?とか言ってたくらいだし、部長の研究のお手伝いできるならやりたいです」

「いや・・・うん、データ整理してくれたら助かるのは助かる」

「本当はパソコン上にデータ入れたいんでしょ?」

「うん・・・いつもはノートでまとめた数値を、家でパソコンに入れている」

「じゃあ、うちにノートパソコンあるから、それ持ってきます。直接データを入れましょうよ。下計算とかデータ入力とか私たちでやるから、部長は元の数字を読み上げるだけにするってどうですか?」

「それ・・・効率化とかのレベルじゃないな・・・」

「その分空いた時間で、部長は部長にしか出来ない、新しい事を始めてください」

「いいね~そうすれば、毎日ぶちょーにも会えるし、ぶちょーも楽になってウィンウィンだね」


「本当に・・・そんなのいいの?」

「何が駄目なの?」

「僕だけ得しすぎじゃない?」

「私たちも得してるからウィンウィンなんですよ?」

「え・・・だって・・」

「好きな人に会えて、好きな人の手伝いが出来る。あたし達がどれだけ嬉しいか知るべきだね、ぶちょー」

「そうそう、私たちの事も、もっと知ってもらえるし、マイナスが無いんですよ。ウィンウィンです」

「あはは、本当にありがとう。じゃあお手伝いをお願いします」

「「はい」」

「でも、さっきも言ったけど、一切表に出す事は無いから、僕の手伝いをしても、誰にも褒められたり評価されることはないよ。それは覚悟しておいてね」

「「はい」」


「でもさ~、この世の中が良くなる流れを、あたし達が手伝ってるって思えるのって、かなりの御褒美だよね」

「うん!私、かなり興奮してますよ。誰にも知られなくても世界の・・・地球の再生に関われる中学生なんて、まるで映画の登場人物ですよ!」

「そこまでの規模に・・・うん、するつもりなんだ。2人ともありがとうね、本当に本当にありがとう」

3人で雑談に戻る。

色々と質問されて能力の事や、今までの事を答える。


カエルは安定している。ビオトープの水を加えて、また数時間の様子見だ。

今日は次でおしまいかな。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ