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双子美少女姉妹の妹の方にTS転生してしまったわ  作者: はるお


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イソギンチャクの上で雄叫びを上げる

「舞ぃ。

 やっぱり舞は優しいなぁ」

徹君は嬉しそうにふにゃふにゃと笑い始めた。

子煩悩と言うやつだろうか、雅孝爺さんと話してる時はキリッとしていたが、今は別人のようだ。


落ち着いたようなので本題に入ろうと思う。


「あの、えっと、そろそろスマホほしい、です」


「うんうん。

 新しいのが欲しいのか。

 パパがなんでも買ってあげるぞ」


舞さんにとっては父親だけど、俺にとっては年下の他人だから買い替えはなんとなく気が引ける。

でも、他人だと思う気持ちがあると態度に出るみたいだから、俳優の様に舞さんになりきるよう努めなければならない。


「えっと。

 壊れたスマホ。

 直ってたら返してほしいだけです。」


「ああ、そう言えば、修理にだしていたなぁ。

 でも、次のスマホは舞が選びたいっていってから買い替えようか」


くっ、流石は金持ちだな。

じゃあ、ありがたく、買い替えてもらうじゃないか。


「あ、私も欲しい!

 舞とお揃いにしたいの」


「そうかそうか

 今度一緒に買いに行こう」


「やったぁ!

 約束のリュックもいいよね!」


「ああ、もちろんだ。」


しっかりリュックもおねだりしてゲットする澪。

でも、ニコニコ顔でスマホに写ってるリュックを見ている姿を見ると、買って上げたくなる気持ちも分かる。


「あなた!

 アキラがら聞いたけど、舞に何かあったの!」


明日香さんが血相を変えて現れた。


「そ、そうだ!

 舞の顔が赤い。

 元気そうだけど少し熱があるかもしれないんだ。」


徹君がそう伝えると、明日香さんはすぐに非接触型の体温計を持ってきてピッと計測。

ちらっとこちらを見た後、徹君にわたした。


「37度ね

 微熱があるようね。」


体温計を見た徹君の表情が険しくなった。


明日香さんは顎に手を当てて少し考える様な仕草の後、俺で屈んで俺と目線をあわせてにっこり笑った。

このにっこりはやばい奴だ。

何故か怒られそうな気がする。


「舞、頭は大丈夫?

 痛いところは無い?」


特に痛いところは無いので「大丈夫」と答える。


「お医者様からは激しい運動はしないで自宅で静かに療養する様に言われたのは一緒に聞いていたわよね?

 ちゃんと大人しくしてた?」


ギクリ

イソギンチャクの上での乱行に加えて澪との擽り合戦でグロッキーになったな。


「ちょっと、大人しくなかったかもしれない。

 ごめんなさい。

 ママ」


既に自尊心という壁は破壊済みなので、ナチュラルにママと言えたためか、明日香さんは漂わせ始めていた怒りのオーラは霧散し、ポカンとこっちを見ている


「も、もう!

 次は怒るからね」


どうやら明日香もさん、一瞬でデレた様だ。

この両親は二人ともチョロすぎて心配になる。


「舞。

 本当に大丈夫なの?

 昔から無理するから

 辛かったらちゃんと言ってね」


澪が心配そうにこちらをみるので、大丈夫だといってにっこり笑う。


「車の準備をしてくる。」


立ち上がろうとする徹君の裾を掴む。

正直な所大したことはないし、疲れたし、今から病院は少し怠い。


「大丈夫。

 顔はもう赤く無い。

 今日は安静にする。」


イソギンチャクの上まで移動して、触手の中に潜り込み行きたくないアピールを行うと、疲れていたのか、直ぐに睡魔が襲ってきた。


「もう少し寝たい。」


「しかしだな。

 ちゃんと医者に診てもらわないと俺が不安なのだが。」


「アキラちゃんが澪と下に響く位はしゃいでたと言っていたから、少し様子をみましょうか。」


「いやぁ、でもなぁ。」


「私、今日から舞と一緒に寝る。

 何かあったらすぐにパパとママの所に行くから安心して!」


澪の話を聞いて、徹君は渋々だが了承したので、睡魔の導きに従いスヤァっと落ちかけたけど、兄アキラ君が入ってきたので、もう少し頑張る。


「みんな、舞の部屋にいたのか。」


「ああ、ちょっと、舞が熱をだした。」


「え!

 大丈夫なの?」


「舞が眠いからもういいって言うので、様子をみることにした。

いや、もう寝てるみたいだな。」


「ふーん。

 キララお婆さんが、食事の準備ができたから母屋に呼ぶように言われたんだけど。

デザートは舞が大好きな四方堂のモンブランだって。」


ぴく‥


そう言えばお腹がすいたな。


「じゃあ、舞の分は僕がもらおうかな」


おいおい。

これは眠いけど体に鞭を打ってでも食べに行かんと。


『ぐぅううううううううう』


ふぁ!?

ファッキン腹の虫の雄叫びが部屋の中を木霊した。


「食べる。」

お腹を押さえてムクッと起き上がる。


アキラ君はクスクス笑いながら「食欲があるみたいだし、大丈夫だよ」というと、心配そうな顔をしていた徹君も納得したみたいだ。


アキラ君、なんかムカつく。


「そうだな。

 熱があるからここに持ってこさせるよ。」


そして徹君は優しい。



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