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双子美少女姉妹の妹の方にTS転生してしまったわ  作者: はるお


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6/27

姉は泣きながら訴える

スゥウウウ

ハァー

ビデオチャットを終了した後、何度も深呼吸をして心を沈める。


落ち着いついて考えれば、破れたぬいぐるみは修理すればいいし、そもそもぬいぐるみ位で怒り出すのは大人げない。

そう、俺は見た目は子供。

中身は大人という奴なのだ。


すぐに伊集院さんから「ごめんニャさい」とメッセージがきたので、「もういいから、ちゃんと直してから返してください」と返すと、レオ(トラジマ)とジョセフィーヌ(黒猫)ファミリーの写真を送ってきて、色々猫のを良さをメッセージで訴えてきた。

やさしくメッセージ相手をしてあげると、最後のメッセージは「やはり野生の勘は間違ってニャかった!」で締めくくられた。


未読のメッセージはまだあるけど、さっきの伊集院さんの相手で疲れたから休む事にする。


すっと立ち上がり部屋に入った時からずぅーーーと気になっていた超巨大イソギンチャクのぬいぐるみの前に移動する。


いい年したおっさんなら絶対に出来ないが、子供の姿なら出来る!


「とぅ!」

俺は超巨大イソギンチャクのぬいぐるみにダイブしてゴロゴロ転がりまくり、触手をモフりまくって悦に浸る。


えへへへへへ

うへへへへへへ

あへへへへへへへ


素晴らしい!

シルクのような肌触りに弾力のある触手!

思わず何度も頬ずりしてしまう。

マジで癒やされるぅ!

ああ、心のスキマが埋められていくこの感覚。

あーたまらん。

マジでたまらんわー。



「舞!

 遊ぶわよ!」

澪ちゃんが扉をドーーンと開けて中に入ってきた。

そしてイソギンチャクをモフってる俺の方を見てピキッ固まった。


むぅ。

この乱行を目の当たりにして硬直してしまったか。

無理もない・・・。

でも入る時はちゃんとノックをすべきだと思う。


すっと起き上がり、乱れた息と髪を整える。

そしてキリッとすまし顔で「おかえりなさい」というと澪ちゃんはニチャアと嫌な笑い顔を浮かべた。


おいおい美少女さんがそんな腹黒悪代官のような笑みをこぼしていかんな。

何かされそうなので、ゆっくり後ろに距離を取り始めると

澪ちゃんはイソギンチャクにダイブ。

俺の体をくすぐり始める。


「コチョコチョコチョコチョ

 ほーら舞!

 笑いなさい!」


「ちょ、くすぐったい。

 くはっ、や、やめて、ぷははは、あはははは!!」


「やーよ!

 舞はもっと笑いなさい。

 私にもっと笑顔を向けなさい!」


「あはははは。

 ちょ、ちょっと、おヘソとか、ダメだから本当にストップゥ」


「だーめ!」


くっ!

このまま、なされるがままに蹂躙されるわけにはいかない!

俺は「事案」という単語を封印して反撃に転じる。


「きゃ、舞。

 くすぐったい」


「反撃する。」

そう、くすぐられたら、くすぐり返す!

倍返しだ!


澪との戦いは長時間に及んだが。

流石に二人ともつかれたので、一旦休戦する。

というか、俺の方は完全にグロッキー状態だ。


「はー、スッキリしたわ。

 でも、ちょっと疲れたわね」


ちょっとじゃないし。

だが、澪の方はまだまだ余裕がある感じだ。

双子のはずなのにこの体力差はいったいどうして生まれたんだ?


「ねぇ、このまま一緒に寝ようよ」


「制服は着替えた方がいい」


疲れたし、このまま寝るのはいいけど。制服がはだけまくっているので皺になる。

すると澪はブレザーだけを脱いで横になりこっちを向いた。

顔がものすごく近いな。


「ねぇ去年から別々の部屋になったけど、やっぱり私は一緒に寝たいな。

舞は嫌?」


難しい問いかけだな。

俺的には完全にNGだ。


「舞が私の事を忘れたなんてすっごい嫌なの。

 だから今は少しでも多く一緒にいたいな。」


むぅ・・・

なるほど。

ちょっと澪の目が潤んでるし、このお願いを無下にするのは人としてNGだ。

まぁこの体だし別に一緒でも問題はないか。


「わかった、一緒に寝る。」


承諾するとにっこり笑ったあと、直ぐに真剣な顔になった。


「舞はパパやママの事をなんて呼んでるの?」


うっ!

これは答えにくい質問だな。

明日香さんは毎日病室にやってきたけど、お母さんとは呼ぶのはハードルが高すぎて呼んでないんだよな。

ましてやママなんて無理すぎる。


「舞は僕達の事を家族だと思ってないんじゃないかなって兄貴がみんなに言ったの。

ねぇ、そんな事無いよね?」


 澪は涙をあふれさせながら、ぐっと手を強く握ってこっちを見つめている。


・・・

・・・

・・・


「ねぇ、どうして直ぐに家族だと思ってるっていってくれないの?」


「わからないから。」


乗っ取りかそれとも前世の記憶の上書きか、それともそれ以外の何かなのか、まだはっきりわからない。

いや、どれが正解なのか、はっきりさせる方法なんてないのかもしれないので、正直に答えた。


「えっと、どうしてわからないの?

 私を見たら姉妹だってすぐに分かるでしょ?

 この私がパパ、ママって呼んでるのだから舞にとっても同じに決まってるじゃない。」


「むぅ、確かにそうだと思う。」


「ふふ、じゃあこれで分かったわね。 ちゃんとパパ、ママって呼んであげてね

お願いだから!

あ、それと私の事も「お姉さん」ってちゃんと呼んでね!」


「分かった。」


「それだけ?」


「わかった。 お、お姉さん」


「うん・・・

 よかった・・・」


ローファンタジーでは無い気がしたので文芸コメディにジャンルを変更しました。

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