表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子美少女姉妹の妹の方にTS転生してしまったわ  作者: はるお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/41

素振りで海を爆発させてしまった件

花形家の別荘に着いた。

見た目はちょっと古めな大きい家だ。


「アキラ!」

別荘の敷地に入って車から出ると、隣の車から降りてきたアキラ兄さんに、麻美さんがダイビングハグをした。


本当に仲睦まじいですね。


そして、鬼のような形相でアキラ兄さんを睨む、出迎えに出てきたおじさん。


「こんにちは。お世話になります」

ちょっと怖いが、姉さんと一緒に鬼のような形相の花形のおじさんとおばさんに挨拶する。

続いて小華に手を振って挨拶。


パパとママ達を横目に見ながら、小華が別荘の中を案内してくれた。

この別荘は外から見たら周りに溶け込むような地味な外観だったが、中は無垢な木をふんだんに使ったいい感じの内装で、広く、部屋も沢山ある。


「そういえば聞いてます? 咲夜様達が城浜に来てるって話」

「そう?」


チラッと姉さんを見ると、頭を横に振った。どうやら知らないようだ。

すぐにスマホを出してメッセージを送っているようなので、多分確認しているのだろう。


小華に別荘内を一通り案内してもらった後、最後に連れてきてくれたのは2階の広いフローリングの部屋だった。

真ん中には、小華の文鳥が入ったケージが置いてある。


「ここが私達の部屋ですわ」

どうやらここで、姉さんと小華と私の3人で泊まるようだ。


車に置いてあるケージを取りに行こうとすると、使用人さんがピッピとサクのケージと荷物を運んできてくれたので、さっそくミネラルウォーターと餌を入れる。


姉さんはベッドにダイブしてぐてーっとなりながら、ペチペチとスマホを弄り始めた。


「咲夜と由貴が来てるみたいかな」

「まぁ、本当だったのですね」


小華は姉さんの話を聞いて驚いている。情報の出どころは不明だったが、半信半疑だったみたいだ。


「何でも、昔死んでしまった猫とそっくりな猫が大阪にあるお店に入荷したからって、リニアに飛び乗って向かったみたい」


ふむ、咲夜は相当な猫好きだからな。


「『ジョセフィーヌ』ってもう名前まで決めているみたいだね」

メス猫か。すごい名前だな。


スマホのチャットルームを見たけど、何も表示されていない。

私が入っていないチャットルームみたいだ。


「どうして咲夜は城浜にきたの?」

「どうだろ。暇だからじゃないかな。ふふ、由貴も強引に連れて行かれたって、思いっきり愚痴ってる」


高柳さんも災難だな。

姉さんがチャットに送られた写真を見せてくれた。誰が撮ったか分からないけど、手前で猫を『高い高い』して喜んでいる咲夜と、その後ろで子犬を食い入るように凝視している高柳さんが写っている。

なんだかんだ言って、高柳さんも楽しんでいるようだ。


部屋の窓から外の様子を見ると、道路を2つ隔てた向こう側に港がある。

外は明るいし、人は結構いる。

お化けは流石に出ないだろう。


魚捕りにでも行こうかな・・・。

大きなキャリーバッグの中に忍ばせていた組み立て式の手網とプラスチック容器を取り出すと、小華が近づいてきて不思議そうにこちらを見る。


「虫でも捕りにいきますの?」

「ちょっと港に行く」

「港ですか?」

「魚を捕まえる」


採集出来るかどうかわからないけど、ここまで来たらやらない理由はない。

小華が姉さんの方を見ると、「疲れたからパス」と言いながらピッピとサクをケージから出して戯れ始めた。


「ちょっと待って下さいね」

小華は部屋を出て、下に降りて行った。


「舞!」

小華を追いかけて外に出ようとすると、姉さんが私の手首に銀色のブレスレットを付けた。


「これ、くれるの?」

「とっても大切なお守り。それに、これは舞のものだよ」


ふむ、確かにどこかで見た気がする。記憶を失ってしまったから、覚えていないだけか。


「そう、なんだ。」

「気をつけてね」


姉さんに見送られて部屋の外に出る。てっきりついて来ると思っていたが、拍子抜けだ。

部屋を出ると吹き抜けになっていて、下の階で小華が美人のお姉さんと話をしているのが見えた。

どうやらこの美人さんがついて来るみたいだ。


というわけで、美人さんに付き添われて港に移動。

岸壁沿いに魚がいないかと海を覗き込もうとすると、手を引っ張られて止められた。


「危ないので、私が見ます」

「大丈夫」

「ダメです!」


美人さんは私の手網を奪い取り、自ら採集を始めた。

ま、まぁ、海に転落でもしたらたぶん保護者としての責任問題だよな。

仕方ないか。

結局は、美人さんが岸壁を見下ろしながら魚を探している姿を、指をくわえながら見守ることになった。


ちぇ。


ふと、車の中で見た夢が頭に浮かぶ。

そういえば、あれからあのおじさまとサグメさんはどうなったのかな。

剣一本で黄色い三つ首の大蛇に向かって行った、あのおじさま。

ちょっとかっこよかったんだよね。


あのおじさま。初心で一途な所がいい。

ああ、なんだろう。思い出しただけでキュンキュンする。

夢の中のおじさまに一目惚れなんて、これも厨二病なのかな。


そしてあの剣。

天羽々あめのはばきりの影打ちって言ってたな。

AIのカクレクマノミさんに聞いたところ、日本神話で素戔嗚尊すさのおのみことがヤマタノオロチを倒した時に使った霊剣らしい。


まずは目を瞑って精神統一。

そしてあのおじさまは影打の剣を、こう構えてぇ、こうピュッと振ったら……


『ドゴーーーン!!』


・・・

・・・

・・・

ん?


何? 爆発?

周りを見回す。

港に並んでいる船が大きく揺れている。

そしてパラパラと雨が降ってきた。いや、これは巻き上げられた海水か。


ちょっと危ないな。

別荘に戻ろうと思ったら、美人さんの姿が見えない。


まさか、海に落ちた!?

探しに行こうと思った時、ふと気付いた。


私の右手に、あのおじさまが持っていた剣と全く同じ物が、しっかりと握りしめられていた事に。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ