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双子美少女姉妹の妹の方にTS転生してしまったわ  作者: はるお


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夢見

目が覚めると、見覚えのあるアクリル製の水槽が並んでいる。

中にはサンゴが並び、海水魚が泳いでいた。

手元にはライブロックに大きく育ったウミキノコ・・・


そうだ、俺は株分けをしようとしてたんだ。


・・・

・・・

・・・


『俺』?

あれ、どうして男みたいなしゃべり方に・・・

あ、そうだ。

俺、いや私は双子の妹の方に生まれ変わったんだ・・・


「おじさん、ちょっと遊びにいってくるね」

10歳くらいの少年が扉から顔を覗かせ、そのまま出ていった。

はて、この子はどこかで見たことがあるような、ないような。

そうだ、この子は弟の子供だ。

弟夫婦が亡くなり、母方の親族をたらい回しにされた末、最終的に私が引き取ることにしたのだった。

名前は確か・・・


「おじさん!

 サグメさんが来たよ。」

少年が戻ってきた。

サグメ?

頭に義足の女性が頭に浮かぶ。


「おじさん。

 いい歳なんだから、俺のことは気にせず頑張れよ。

 俺、サグメさんなら大歓迎だから!」

そうだ、あの義足の女性は、隣の家に住む一人暮らしの女性だった。

海水魚やサンゴの飼育と出荷の手伝いをやってもらっている。


ウミキノコを水槽に戻して、居間に移動しようと扉から出ると、サグメさんが真っ赤になって立っていた。

ドキンと鼓動が高まる。

そうだ、俺はこの女性の事が好きだ。


好きだ。 

ずっと一緒にいたい。


ちゃんとプロポーズしないと・・・。


『あなたの事を一生大切にします。結婚してください。』

この一言をこの女性に伝えよう。


・・・

・・・

・・・


『ガタガタガタ』


物凄く周りが騒がしい。

意識が覚醒してきた。

目を覚まして体を起こすと、前に須藤さんが物凄く驚いた顔で私を見ている。


周りを見回すと周りにいるクラスメイトが全員私を見ている。


「ね、ねぇ、舞ってプロポーズしたいくらい好きな人いるの?」


は?

直ぐにサグメさんの顔が頭に浮かぶと心臓の鼓動が激しくなり、顔が真っ赤になっていくのが分かる。


「まじかよぉ!」

「誰だよ、そのぶち殺したくなるくらい羨ましい奴は!」

男子生徒達が物騒な事を言い始めた。


「ねぇねぇ、誰?

 こっそり教えてよ。」

須藤さんが周りに聞こえないように、耳を近づけ自白を促すと、周りがシーンとなり、聞き耳を立てる。


相手はもう、おばあちゃんになってると思う。


「好きな人なんていない。」


「ははは、その顔で言っても説得力皆無だから!

 さぁ、吐きなさい。

 だれ、その幸運な男の名前を!」


「い、いないものはいない。」

私はあの人の事がまだ好きなのだろうか。

ああ、会いたいな。

串木に行けば会えるだろうか。


いや、ゴールデンウィークに城浜までいくから、その時に必ず探しに行こう。

それに弟の子供の事も物凄く心配だ。


しかし、前世で好きになった女性を思い出してドキドキするって変な感じだ。

でも、誰かと結婚していて幸せな家庭を築いていたら、すごくショックだ。

まぁそれは仕方ないか。


「はい、はーい。

 授業再開しますよ!

 景山さん、授業が終わったら一緒にきなさい。」


あ、授業中だった。

というか、先生まで聞き耳を立ててたのか。




授業が終わり、先生に連れて行かれたのは個別指導室。

授業中の居眠りを注意された後、好意を持っている男性は誰かとはっきり聞かれた。


初めて知ったのだけど、普段持っているスマホの位置情報を元に接触した生徒を割り出すことができるらしい。

これはプライバシーの酷い侵害なので、持ち歩きたくなくなったけど、これがないと買い物もできないので、肌身離さず持つしかない。


接触の多い男子を調べた結果、特定ができなかったので本人に確認となったみたいだ。

ただの寝言だし、何を言ったか覚えていないと言ったが、須藤さんに好きな人を聞かれたときの私の反応を先生は見ていたので、全く信じられていないようだ。


個別指導室から出ると、須藤さんと海原さんが出口で待ってた。

クラスで結構な騒ぎになっているそうだ。

前世のように普通の庶民の家の生まれなら、誰を好きになろうが特に騒がれることは無いので、私はやっぱり良家のお嬢様なのだなと思った。


「さぁ、舞。

 尋問の時間だ。」

ジャイアント海原の両手が私の両肩をガシッと掴む。


「海原さん、ちょうど良かった。

 あなたに話があります。

 中へ入りなさい。」

先生がジャイアント海原の肩に手をのせると振り返ると、そのまま個別指導室に連れて行かれた。


どうやら、難をのがれたようだ。


「何を安心しているの?

 もう既に犯人の捜索が始まってるのよ。」


「は、犯人探し?」

どうして私の好きな人が犯罪者みたいに言われているのだろう?


須藤さんのスマホを見る。

ほぅ、これはイナズマヤッコ?

アバターが海水魚のヤッコだった。


「このアバターはイナズマヤッコだよね?」


「違う!

 そっちじゃない。

 掲示板を見るのよ!」


『舞ちゃんの想い人を見つけよう♪

 そしてみんなで祝福しよう♪(3)』


ぶっ!

すごいスレが立ってるな。

っていうか三スレ目!?


何々、読んでいくとスレタイとは真逆で退学に追い込むやら、他の女子をけしかけるとか物騒な事を書いてある。

この子達本当に小学生?


「いいの?

 舞の想い人が見つかったら、惨い目に合うかもしれないよ?」


「いないから問題ない。」

想い人なんていないので、問題はない。


「舞がひた隠しにする・・・

 ひょっとして、学校の生徒じゃない?」

やはり信じてもらえないようだ。

前世の想い人だし、もう年齢的におばあちゃんになってるし、串木にいるはずだから、探すだけ無駄だと思う。


「ところで、その水槽の壁紙。

 海水魚飼ってるの?」

「あー、忘れてるんだ。」


忘れてる?


「舞はこの壁紙を見て、私に声をかけたんだよ。」

ほぅ。

確かに、このアバターと壁紙を見たら、絶対に声をかけると思う。


「また水槽を見に来る?

 舞の家の車で送ってもらえるなら楽ちんだし。」


もちろん行くことにした。


申し訳ありません。

リアル都合で更新頻度が下がります。

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