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双子美少女姉妹の妹の方にTS転生してしまったわ  作者: はるお


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犬がきた

ワンワン!」


犬がやってきた。シェパードのMIXらしい。

正直、犬も猫も大好きだ。

この日のために用意していたマスクとゴーグルを装着し、皮手袋に長袖長ズボン。髪は団子にまとめて帽子をかぶる。

さらに、部屋に置いてあったアレルギー反応を抑える薬も服用済み。


一点の死角もない完全装備で、母屋の奥にある土間へ向かう。


「舞、不審者みたい」

姉さんがニヤニヤと笑っている。

普段と変わらない姿で犬と戯れられるなんて、羨ましい。

双子の姉妹なのに、どうして私だけが猫と犬のアレルギーなんだろうか。


「犬と触れ合うため。

 やむを得ない。」

 世の中の不条理と不公平に怒りが湧くが、今は犬を見に急ぐ。


「ふーん。

 あ、ユキが見たいから動画を送ってだって」


ほぅ。

犬好き感があったが、どうやら本物のようだ。


「よしよーし、アントニオ!」

ほう、アントニオか。雄かな?

なかなか大きい。精悍なシェパードの面影が色濃く出ている。

尻尾を振りながら、兄さんに抱きついている。


か、かわいい。


姉さんがスマホをアントニオに向けて撮影を開始した。


「お、来たね・・・

 プッ、何その格好。」


イラリ

やはり不審者に見えるのか。


「に、兄さん!笑うことないと思うな!」

姉さん、もっと言ってください。この意地悪兄さんに。

それに、城浜の別荘の件、まだ許してないから。

向こう1年は無視してやろうかと思ってたけど、犬が来たなら仕方ない。

特別に、許すことにする。


「ここまでしないと、ママが許可してくれない。」

そう、ママは心配性なのだ。


「そ、そうだな。ごめんごめん。撫でてあげて」

ふむ、素直でよろしい。

さっさと、どくのだ。


姉さんはスマホで撮影しながら、じっと私のファーストコンタクトを見守っている。

次は私が撮影してあげよう。


軽く深呼吸。

さて、撫でるか。


犬・・・

前世の子供の頃、知り合いから譲り受けた雑種の犬に、家の残飯を無造作に与えるなど、

無知だったとはいえ、ぞんざいに扱ってしまい、二、三年ほどで死なせてしまった。

もっと勉強すべきだったし、大切にすべきだった。

ずっと後悔していた記憶がある。

今思えば、この犬猫アレルギーは、前世で犯した罪への罰なのかもしれない。


アントニオは、できる限り精一杯、大切にする。


誓おう。


絶対に大切にする『カプッ』・・・と・・・

あるぇ?


「あーーーー舞、大丈夫ぶ」


「コラァ!

 アントニオ!

 離しなさい!」


は、ははは、

見事な噛みっぷりじゃあないか!


「ストップ!甘噛だから、問題ない・・・よね?」


「そ、そうか?結構、本気で噛んでるように見えるけど」


「そ、そんなに痛くない」

うむ、厚めの皮手袋だから大丈夫……なのか?

いや、でも本気で噛んでいるなら、唸ったり怒りを感じるはずだと思う。

けれど、アントニオは自然体で噛んでいる。


故に、本気ではない。


神は言った。

「右の頬を打たれたら、左の頬も差し出せ」と。

つまり、右手を噛まれたら、左手で頭を撫でればいいのだ。

屈んで、左手で頭を撫でる。

怖くない。怖くないぞ。


『カプッ』


あうぅ・・・


オッケー私。

泣いてはいけない

こんなことで

うぅ・・・


「アントニオ!」

兄さんが近づくぱっと左手を離した。


ほっ。


ど、どうやら、わかり合うにはしばらく時間が必要のようだ。


「ねぇ、兄さん。

 そのこ本当に大丈夫なのかな」


姉さんも警戒して距離を開け始めた。


「本当に人懐っこい大人しい犬だよ。」


「大丈夫。

 本気で噛んでない。」


『舞!大丈夫か』

高柳さんの声が姉さんにスマホから聞こえた。


そうか、全部見ていたのか。

「大丈夫か」と言われて強がったけれど、正直、身に危険を感じていた。


『そのこ一度トレーナーに躾を頼んだほうがいい』


「いや、既に躾は済んでる」


「じゃあ、今度は私がやってみる。」


『手袋をしたほうがいい。

 舞が使っていた手袋とは別の物がいい。』

ほぅ、私の手袋に何か問題があるとでも?


兄さんが姉さんに皮手袋を渡す。


私も手袋を外し、噛まれた手をみる。

ケガはない。

ノープロブレムだ。


姉さんがそっとアントニオの頭に手をやると、大人しくしている。

さらに、ゴロンと仰向けに寝転がり、お腹を撫でられて嬉しそうに喜んでいる。


「か、可愛いい!」


ふーん

へー

ほー・・・

「納得出来ない。」


気まずそうにこっちを向く姉さん。


「ふむ、舞は犬もアレルギーだったな・・・。

 そういえば、アレルギー反応を即効で抑える薬の中には、服用すると犬が嫌う臭いを発するものがあるらしい。

心当たりはあるか?」


「あ、舞。薬、飲んでたよね?」

確かに、ママに教えてもらったアレルギーの薬を飲んだので、「コクリ」と頷く。


『その薬をもらったとき、医者から説明を受けているはずだが・・・問題ない薬だったのか?』


そんなの、記憶にないし。


「アレルギー反応によく効く薬と教えて貰った。

 グスッ・・・」


「舞、泣いちゃダメだよ」


「泣いてない。

 このまま引き下がるわけにはいかない。」

翌朝リターンマッチすると、今度は姉さんと同じような反応をした。


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