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双子美少女姉妹の妹の方にTS転生してしまったわ  作者: はるお


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18/27

学校にいく

 今日から学校に「出勤」じゃなくて「出席」する事になった。

頭の傷はすっかり治っていて、普段通りの生活をして構わないとのことだったので、昨日は病院の帰りに明日香さんに連れられて美容室へ。

カット、シャンプー&トリートメント、ヘッドスパ、フェイスケアと、フルコースで施術されることになった。


明日香さんは、髪の毛が痛み始めてかなり気になっていたようだが、頭のケガだったため、ずっと我慢していたらしい。


寝る前には、澪に言われてブラッシングをし、シュシュでゆるくまとめてナイトキャップもしていたのだが、それでも入院中の髪のダメージは大きかったのかもしれない。


髪を紐で束ねて前に流し、それから制服に着替える。

リビングで送迎の車を待っている。


「舞と一緒に学校行くのって

 すっごく久しぶりだね。」


「そうなるのか。」

俺的には始めてなので、久しぶりと言われてもピンとこない。


「えへへへ」

それでも、腕に抱きついてきて嬉しそうに笑う彼女を見ていると、胸の奥がじんわりと暖かくなる。


『カランカラン』


どうやら車が到着したようだ。

外に出ると、昨日見たあのごっつい車が停まっていて、花形さんが待っていた。

俺と澪が3列目に乗り込むと、続いてアキラ君と花形さんが2列目に座る。

1列目の運転席にはスーツ姿の男性が、助手席には女性が座っていた。

自動ドアが静かに閉まり、車は音もなく動き出した。


いやぁ、なんだろう。

すごく静かで広い3列目なのに、異常なくらいフワッフワで、しかもオットマン付き。

景山のごっついワゴン車もかなり豪華だったけど、この車はさらにその上をいくな。

そして前の席ではアキラ君がリア充を謳歌中。

キャッキャウフフしてる。

若いのう・・・。


さてと。

チラッと隣を見ると、澪さんが黙々とスマホをいじっている。

なんとなく感じる。

怒っているわけじゃないけど、少し機嫌が悪そうだ。

目の前のリア充に不快感を覚えてる?

いや、さすがにそれはないか。


とりあえず、そっとしておいたほうが良さそうだったので、俺もスマホで海水魚とサンゴのオークションをチェックする。

水槽の設置まではまだ時間がある。

今は、優良な出品者を探すフェーズなのだ。


いろいろ出品者の分析をしているうちに、車は豪華な門をくぐって駐車場に停まった。

ドアが自動で開いたので降りて周囲を見渡すと、送迎用と思われる車をはじめ、さまざまな車が並んでいた。

アキラ君が近づいてきて、「この場所、覚えてる?」と確認してきたが、残念ながら、まったく見覚えがない。

俺はフルフルと首を横に振った。


「そうか、じゃあ職員室まで行こうか。」


「ごきげんよう、アキラ様。」

花形さんと別れて、アキラ君の先導で移動を始めると、花形さんによく似た縦ロールの女の子と、ボブカットの女の子が現れた。


「やぁ、おはよう。」

笑顔で挨拶するアキラ君に、彼女たちは頬を赤らめている。

うわぁ・・・イケメン、羨ましすぎる。


「あ、舞さんには紹介したほうが良いのかしら?」

花形さんが心配そうに確認してくる。

申し訳ないが、知らない人だったので、俺はコクリと頷いた。


「この子は私の妹で、子華コバナというの。

舞さんとは同じ学年だから、仲良くしてあげてね。」


「ごきげんよう、小華さん。

よろしくお願いします。」


ペコリと頭を下げると、なぜか一歩あとずさった。

何故?


「嘘でしょ・・・

 あの景山の妹が?」

隣のボブカットの子が、ぼそっと呟いた。


舞さんの評判はあまり良く無いのかな。

ちょっと不安だ。


「お名前、教えて下さい。」


「え、私?」

コクリと頷く。


「う、榊原といいます。」


「ごきげんよう、榊原さん。」

この子たちと何かあったのかもしれない。

けれど、平和が一番だ。だから俺は、きちんと挨拶して笑顔を作る。

そう、俺は争いごとを避けたいのだ。


「小華。

 挨拶は?」


麻美さんが「メッ」といった感じで注意すると、小華さんも同じように挨拶してくれた。


ところで、澪は?

チラッと見ると、スマホで何やら撮影していた。

スーパーペットファミリーで捕獲でもしてるのかな。


「舞は私が職員室まで連れて行くから。

 それじゃあ、またね!」

澪に腕を引っ張られたので、俺は素直にそのままついていった。


「仲が悪いの?」

やっぱり澪の機嫌が悪そうだったので、直球で聞いてみた。


「うーん。

 咲夜たちと仲が悪いから、関わりたくないの。」


「そうなの。」


「ずっと前に、仲良くなれるよう頑張ったんだけど、余計なことするなって怒られちゃった。」

「小華さんに?」

・・・

・・・

・・・

沈黙は、肯定ということか。

君子危うきに近寄らずという、ありがたいお言葉に従ったわけだ。


職員室には、後から追いかけてきたアキラ君と澪、そして俺の3人で入った。

しかし職員さんから「ここから先は任せて」と言われ、アキラ君と澪は教室へと向かっていった。


さて、30年が経過した学校の仕組みは、かなり様変わりしていた。

小学校3年までは、前世の時と変わらないクラス単位の授業だったが、4年生からは大学のような単位制に移行するらしい。


クラスという概念はなくなり、授業はすべて個人単位で、動画とAIによって行われるようになった。

理解の早い子はどんどん先に進み、中学生の時点で知識ベースでは高校卒業レベルを突破し、大学で研究を始める天才たちが数多く生まれているという。


まとまって行う授業は、音楽、美術、体育などの実技科目。

そして、道徳など主に人格形成を目的とした分野になるとのことだ。


小4、つまり10歳になると、ある意味競争が始まるわけかぁ。

受験はなくなっているらしいけど、毎日AIにテストされて、理解度を測定されるって、めっちゃ憂鬱だわ。

最後に、小学4年生からはクラブ活動が必須になるらしい。

そのため、記憶喪失前に希望していたクラブで本当に良いかどうか、確認があった。


どれ、舞さんの入ると決めていたクラブは何かな


『いきもの倶楽部』


こ、これは!?


「いきもの倶楽部の須藤さんが代表者となるグループに景山さんは所属しています。」


きたコレ

ウォッシャー!




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