表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子美少女姉妹の妹の方にTS転生してしまったわ  作者: はるお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/38

三匹の野獣

 部屋に入るとひしめき合っていた魚のぬいぐるみはほとんどなくなり、空いたスペースにシャレたテーブルと人数分の椅子がセットしてあり、プチサイズのケーキにジュースお菓子がキャビネットの上に並べてあった。


セレブよのう、本当に。


俺は咲夜から返却されたカクレクマノミのぬいぐるみを抱きしめながら、みんなの話を聞いている。

この形、この配色、そして肌触り、素晴らしい。

ニヤニヤが止まらない。

これは完全に体と魂が欲しているのだろうか。


「舞は本当にそのお魚が好きなんだニャ」


「癒やされる」


「爺ちゃんみたいな事いってるニャ」

失礼な。

俺は爺ちゃんではなくおっさんだったはず。

まぁ、いいけどちょっと傷付くな。


「咲夜!

 行儀が悪い!」


プチケーキにザクッとフォークを刺してむしゃむしゃと頬張る咲夜を高柳さんが鋭い目つきで睨んでいる。


「またかにゃ

 ちゃんと必要な時は猫を被るニャ」


上品な服を着たお嬢様がザクザクとフォークにプチケーキを2個刺して焼き鳥でも食うかのように貪る姿はシュールだ。


ところで気になるのはスマホで咲夜の醜態を撮影している藤林さん。

何枚か撮ったあと、小さくガッツポーズしたり、挙動が怪しい。


よく考えたら先程見せてもらった舞さんの動画は盗撮だと思う。


「あまり部屋の中で撮影してほしくない」


一言、釘を刺しておこう。


「おっと、失礼。

 激レアがいたので、反射的につい」


「激レア?」


藤林さんがスマホを見せてくれたので横に移動して覗き込む。


『ピコン

 レインボーフィレットがお友達になりました。』


 音声メッセージの通り、尻尾が虹のような七色のフィレットがくるくる走り回っている画面が表示されている。


「このフィレットが咲夜の横に現れたから捕獲したの」


藤林さんの説明を聞くと、近くに捕獲可能なペットが現れると通知がきて、カメラで撮影する事でペットに出来る

これはポケモ◯Goのみたいなゲームだな


澪も移動してスマホ覗きこむ。


「へぇ、レインボーは珍しいわね」


「でしょ。

 あ、そうだ、さっきペットにしたオキナインコいる?」


「え、いいの?」


「いいよ、澪は小鳥が大好きだもんね。」


「やったぁ、じゃあ私のチンチラと交換でいいかな。」


「ぜひ」


どうやら澪もこのゲームをやっているらしい。 藤林さんと澪がスマホをいじりながらペットの交換を始めたので、席に戻ることにする。


「咲夜、約束していたゴールデンリトリバーをそろそろもらいたいのだが。」


「お、そうだったニャ

 ちょっと待つニャ」


今度は高柳さんと咲夜がスマホを取り出し、ペットの引き渡しを始めた。


スマホを見せ合ってキャッキャとはしゃいでいる様子を見ると羨ましくなり、机の上にあったタブレットを手に取って電源を入れた。


「姉さん。

 そのアプリの名前教えて」


「スーパーペットファミリーっていうのだけど、覚えてない?」


覚えていないというか、初めて見るゲームだったので、頷いた。

画面のアプリ一覧を眺めてみたが、それらしい名前のアプリは見つからない。

どうやら舞さんはこのゲームには手を出していないらしい。

部屋の中にあった魚のぬいぐるみの山を見る限り、舞さんはペットが大好きだと思うし、澪もやっているから、こういうペット系のゲームは当然やっていると思っていたのだが…。


「やってみる。」

まぁ、やっていないなら気楽に始められるし、かえっていいか。

アバターAIのカクレクマノミさんにゲームのインストールをお願いしたところ、「アプリケーションの復元を行います」とメッセージが表示された。


復元?


つまり、このゲームを以前やっていたけれど、今は辞めたということかな?

復元中に表示されたペットの種類の説明によると、犬・猫・鳥のほか、ウサギなどの小動物、昆虫、トカゲなどの陸上の生き物がメインで、アクアリウム系のペットは登場しないことがわかった。

うーん、ちょっとテンションが下がるな。


「私と一緒に始めたけど、すぐに辞めたんだよね」


澪が後ろからタブレットを覗きこむと、みんなが集まってきた。


「保有ペット一覧を見せて欲しい。」


藤林さんが指を差したアイコンを押すと、舞さんが保有しているペット一覧が表示された。


まずは猫。

アメリカンショートヘアの黒だな。

次はラグドール 黒

最後はデボンレックスの黒


「黒猫ばっかり。」


藤林さんの言う通り猫が三匹だけだ。

舞さんは猫アレルギー体質だけど、猫そのものは好きだったかもしれないな。


嫌な視線を感じたので、そちらを見ると咲夜がニヤニヤとこちらをみてる。


「舞も猫好きだったんだニャー

 感動ニャああ」


「それはプレイ開始時に3枚もらえるガチャ分だと思われ。」


なるほど、ゲーム始めるのに肝心のペットがいないと萎えるから、藤林さんの言う通りかもしれない。

つまり、3回ともガチャで黒猫を引いたということか


「ガチャにゃのか?」


「覚えてない。」


咲夜はこのゲームをやっているんだから、当然知っているはずだと思うのだけど。


「ニャーんだ。舞と猫を語れると思ったのに残念ニャ

 あ 、餌が欲しいみたいだニャ」


「餌?」

咲夜の指示通りに操作して、猫たちに餌をあげようとしたけれど、どうやら餌がまったくないようだった。


「餌がないならこのミニゲームで採れますよ」


どうやら餌はミニゲームで採るようだ。

タイミングを合わせてボタンを押せば、マグロやサメ、タコやイカなどが釣れる。

そして釣れた餌に猫たちが飛びついてかじり、骨だけになって消えていくというシンプルなものだった。

まぁまぁ面白いな。

特に餌に飛びついて美味しそうに食べる猫の仕草が可愛い。


ペットに魚系がいないのは残念だけどいいんじゃないか。


餌を釣っていると音楽が変わった。


「大物が食い付いた

 ひたすら連打!

 これを食べさせればステータスアップ」


藤林さんの言う通り連打を始める。


むぅ、なかなか手ごわいな・・・


「あ、ああ、思い出した!

 舞!

 それ、釣り上げちゃダメ!」


澪が悲鳴の様に叫んだが、釣り上げてしまった。


巨大なカクレクマノミを・・・


釣り上げられてビチビチと飛び跳ねてるカクレクマノミに三匹の野獣達が襲いかかり、骨となって消えていった。


「澪、どうして釣ったらだめなの?

 あ、レベル上がった。

 猫達のステータス上がったから確認する。

 ステータスが上がるとAIアバターになるなどのスキルをもらえる様になる・・・

 あれ、舞どうしたの?


藤林さんが心配そうに声をかけてくれたが、俺はカクレクマノミのぬいぐるみを抱きしめながら即アンインストールを実行した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ