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「……は?」

「ど? 超えた?」

「え、いや、待て、……待て!?」


 期末試験が終わり、すべての答案用紙が帰ってきたその日。

 ダイニングテーブルにお互いの答案用紙を並べていると、違和感に気付く。


「高すぎねえか……!?」


 電卓を打つまでもない。――ひなたの点数が、高すぎるのだ。


「ボクだって本気出せばこのくらい取れるんだからねー」


 胸を張って言われ――帰って来て着替えておらず、ひなたの着る男子制服のシャツは盛り上がっていないが――その豊満なお胸をアピールされてることだけは分かった。


「……いやこれ、負けただろ」

「ボクも勝ったと思う!」


 まだ全部の教科を確認したわけではないが、正直勝てたとはとても思えない。

 並べられていくほとんどの紙に90点以上の数字が書かれており、ちらりと自分の方を見ると、80点台にたまに90点台って感じ。これでも1年の時から比べるとだいぶ上乗せ出来ているのでとんでもない成長ではあるのだが――


「ひ、ひなた、お前1年の時手ぇ抜いてたのか……?」

「そういうわけじゃないけど……」

「じゃあ、どうして急に」

「急にというか、前からこんな感じだよ? 編入試験の勉強だって1カ月もしてないし」

「…………」


 なるほど、地頭の差か。

 しっかし、この成績の伸び方はおかしいだろ。家で全く勉強してる様子なくてこれだぞ? なんなら最近のひなた、家で料理してるか、カズと遊んでるか、スマホで料理動画見てるくらいだ。いくら地頭がよくても、家で勉強せずこうも成績は伸びない……はず。

 いやでもなぁ、地頭、地頭だよなたぶん。マジで何したんだよ……。


「順位も一応調べとく?」

「……いや、やめとく」


 学校のポータルサイトに入れば総合得点や順位がアップされてるはずだが、流石に勝てたとは思えないので調べるまでもない。


「……負けだ。んで、俺に何させたいんだ?」

「デートっ!」

「…………そんだけか?」

「それだけ!」

「そ、そうか……」


 なんかとんでもない無茶を言われるとも思ったが――、そんくらいなら、まぁいいか。

 それに、たまに買い物付き合ったりしてるのもデートと言えばデートだしな。幼馴染の距離感で来るのでカップル感はあんまりないし。いや誰とも付き合ったことない俺はカップル感というものが分からんが。


 ――んで、夏休みに入る直前の日曜。

 空けておくように言われ(言われるまでもなく予定なんかないが)、念のため溜めてた小遣いで服を新調した俺は、デート当日に挑んだ。

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