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死んだアイドル

作者: キッチ


アイドルが死んだ。


最悪の目覚めだった。

朝起きて、友人からのラインの通知で知った。

そんなことわざわざ教えてくれなくてもって若干うざったく思いながら。


あー、今日は折角の全休の日だったのに。

解放感の日だったのに、最悪だ。人が死んだ事を耳にしてしまった。しかも自殺か。

そんな事を思いながら11時に朝ごはんを食べてすぐに二度寝した。

悪夢だった。

だから嫌なんだよ。

人が悪いくせに変に感受性の高い自分と付き合うのは。


そもそもアイドルが自殺なんてするなよ。

輝いていろよ、そういう職業だろ。

お金も持ってて顔も良くておまけに熱烈なファンまでいる。

何が足りないんだって、どうしようもない俺は思う。

俺だって死にたいよって。

でも、俺が死んでも誰も悲しまないから死ねない。死ぬだけ無駄じゃねぇかって思うから死ねない。

人が死んでまでこんな事を考えてしまう。

死んで悲しんでくれる人がいて羨ましいなって。

まあ死んだら悲しんでくれる人がいたかどうかの確認すらできないのが滑稽だけど。


どうしようもない俺とは死ぬその瞬間まで付き合わないといけない。だから、うーん。嫌いにはなれない。

これからもよろしくねとは言えないけど、まあ死なない程度に妥協し合いながら自分を保っていこうと思う。




そのアイドルに


お空でゆっくりして

来世は幸せになってね

生きてたらいい事あるかもしれないのに

勿体無い


とかそういう気持ち悪い言葉は送れない。


死ぬその瞬間まで怖かったはず。


ただ死んでほしくなかった。怖い思いをして欲しくなかった。それだけ。


お悔やみ申し上げます。



また明日が始まる。

おやすみ。





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