表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

トミーの縫物

作者: お舐め

朝九時半、ともみは洗面台で顔を洗っている、水道がいっぱいだ。

彼女は、友達綾子の縫物の店、『ブティック愛』を手伝っている。これから、いつものようにママチャリで通勤する。

店は綾子の旦那が配達を担当している。


と「昨日、自転車屋に行ったら、空気入れるだけなのに百円も取るのよ」

あ「まあ、それはぼったくりよ」

すると奥で聴いていた、綾子のん旦那亮太が半分怒ったように

「お、それどこや?」「今津よ」

「よっし金返してもらおうか?」

と「もういいって」

亮太「ええことあるかいや。」

綾子が口をはさんだ。

「兎に角本人が、行かなあかんわ」

ともみ「だからもういいって」

亮太「まあ、俺の友達に厳つい奴おるからな、そいつに頼んどくっわ」


カラン、カラン、

店のドアのカウベルが鳴る。お客さんだ。

「いらっしゃいませ」

客「黄色いジャンパーできてますか?」

綾子「縫い目があるのですね。出来てます。」

客「いくらですか?」

綾「2千円です」

「え?2千円??高いなあ。1500円って言ってたじゃない?」

綾「いいえ、ちゃんとここに明細書があります。そこに2000円と書いてますよ。」

客「そうだったかなあ?まあいいや。ご苦労さん」

そう言って、出て行った。


ともみ「何あれ?料金間違うわけないのに。」

綾「勘違いよ。」

ともみはゆっくりだが、ミシンを滑らせている。


亮太「そういやあ、ともみさん、前はコンピュータの仕事やってたんだろ?」

と「そうよ。」

亮太「それなら、コンピュータで縫い柄デザインしてもらおうか?」

と「いやん、私、デザインはやったことないのよ。」

綾「へえ。じゃあ、文章打ってたりしてたの?」

と「そうよ。デザイン知らんねん。『フォトショップ』とか『イラストレーター』っていうソフトはあるの。でも、使い方が分らない。フォトショップなら写真を加工したりできるから、まだわかるかも。」

綾「冊子とかのデザインとかならできるでしょ?」

と「まあ、その程度ならね」

亮太「じゃあ、少しずつでも手伝ってもらおうか?ギャラはずむよ」

と「それはうれしい。でも少しずつよ」


早速、綾子は店のパソコンにデザインソフトを入れた。

でもそこからわからない。

ともみは、ある程度はわかるようだ。

色も付けれるようだし。

しかし、みるみる上達して、パソコンを使いこなせるようになった。

綾子「うーん、これで前より思い通りの仕事ができるね。

  日々のギャラ上げてあげるわよ」

ともみ「いくらぐらい?」

「2000円でどう?」

「ええええ?」

「安い?」

「いいわよ。上達したらまたアップしてもらおっかな?」


亮太は、修正品の配達に軽自動車で回ってた。

「こんにちは、ブティック愛です。」

顧客「ああ、ブティックさん、ご苦労様です。」

客は自転車の空気を入れている。

亮太「パンクですか?」

客「いえ、空気が減ったのよ」

「ちなみに、自転車屋で空気入れるのいくらですか?」

「いくら、って無料でしょ?」

「ですよね、ところがお金取る所があるんですよ。100円ですよ!」

「え、どこ?」

亮太「今津です」

「苦情言いに行ったんですか?」

「いえ、本人が行ってないから」

「じゃあ、だめでしょう」


店に帰った亮太は

「空気入れの100円の件な、本人が行かなあかんらしいわ」

ともみ「だから、もうええて。私もうあきらめたから。」

綾子「諦めたらあかんわ。よっし、今から自転車屋行ってこようよ、亮ちゃんお店みとってな」

ともみと綾子は二人で自転車屋に行った。

自転車屋にはおっさんがいた。

綾子「あのおっさんか?」

ともみ「うん」


綾子は自転車の空気を入れるだけで100円も取るのはおかしいと言った。。

すると、自転車屋はあっさり100円を返した。

「なーんだ、最初からそう云えばよかったのね」とともみは思った。

綾子「お店早めに閉めて、3人で焼き肉でも食べにいかへん?」

「うん」


3人は元気を出そうと焼き肉屋に行った。

綾子「ともみちゃん、パソコンにソフト入れてデザインに使いやすくなったわね」

と「そうね。案外簡単よ。模様も入れやすいし。

でも、編み物してる方が楽よ。気持ちが和らぐわ」

駅前の鐘がなった。

亮太「ともみちゃんの新しい門出に乾杯!」

「乾杯!」

と「裁縫ができて幸せよ」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ