しんしんと、夜
孤独、コドク、こどく、ってなんだっけ
時折塞ぎようもなくわたしの中から湧き上がるもの
ここには誰もいないのだ
わたしは独りで何処へでも行かなくてはいけないのだ
ひたひたと水が沁みるような潮が満ちるような
じわじわとじりじりと冷える胸の真ん中に細く小さな穴
マフラーをぐるぐる巻きにしても防げない冬の風のように通り過ぎる音
何も実感していないのに確かにそこにある
いつか誰かを抱きしめた温もりを消費しながら堪える夜
言葉にしてはいけないと口を噤んで
舌の根本までたどり着いた言葉を噛み砕いて
孤独、コドク、こどく、ってなんだっけ
わたしの一番底の底に埋め立てたもの
何も気づかないように目を覚まさなければ