キスツスの花言葉 その後と前の話
明日も一緒に生きていく。
そう胡蝶と約束してからキスツスの自殺願望は薄れてきていたが、その一年近くを経て迎えた高校三年生の夏休み、キスツスは胡蝶からしばらく会えないと告げられる。
胡蝶の真意は、兄を助けられなかった自責に由来する、その兄の日単位の齢と並ぶ8月5日を越えられないのではないかという不安を秘匿するためのものであったが、思いがけずそれを知ったキスツスは、胡蝶を喪失する恐怖から再燃した自殺願望に抗えず、衝動的に自殺を試みるも、胡蝶とともに生きていくという決意から、自らの意志でそれを克服する。
胡蝶を助けたいが妙案の浮かばないキスツスは、仲違いしていた友人たちに助言を乞うたり、胡蝶の父母と密かに会って遺族の心情に触れたり、図らずも再会した父親から母親の最期を明かされたり、幻影とも空想ともつかない自身と瓜二つの母親と対峙したりした果てに、自分が死ねなかった理由を導き出す。
程なく迎えた8月5日。友人たちの手引きで胡蝶を自宅に招いたキスツスは、自身が死ねなかった理由、今なお生きている理由を根拠に、胡蝶の兄をはじめとした自殺者の思いを伝え、胡蝶を苦悩から解放することを試みる。
そう胡蝶と約束してからキスツスの自殺願望は薄れてきていたが、その一年近くを経て迎えた高校三年生の夏休み、キスツスは胡蝶からしばらく会えないと告げられる。
胡蝶の真意は、兄を助けられなかった自責に由来する、その兄の日単位の齢と並ぶ8月5日を越えられないのではないかという不安を秘匿するためのものであったが、思いがけずそれを知ったキスツスは、胡蝶を喪失する恐怖から再燃した自殺願望に抗えず、衝動的に自殺を試みるも、胡蝶とともに生きていくという決意から、自らの意志でそれを克服する。
胡蝶を助けたいが妙案の浮かばないキスツスは、仲違いしていた友人たちに助言を乞うたり、胡蝶の父母と密かに会って遺族の心情に触れたり、図らずも再会した父親から母親の最期を明かされたり、幻影とも空想ともつかない自身と瓜二つの母親と対峙したりした果てに、自分が死ねなかった理由を導き出す。
程なく迎えた8月5日。友人たちの手引きで胡蝶を自宅に招いたキスツスは、自身が死ねなかった理由、今なお生きている理由を根拠に、胡蝶の兄をはじめとした自殺者の思いを伝え、胡蝶を苦悩から解放することを試みる。