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その7:探険しましょ、そうしましょ。

 さて、今現在俺は一人だ。


 光とティアにはトイレに行くと嘘を吐いた。

 リファは基本的には傍に居ないしな。


 でだ。男が見知らぬ場所で一人、といえば勿論、探険だ!!

 イエーイ! ドンドン、パフパフ〜


 ……こほん。今、この城について俺が知っている場所は、寝室(魔王部屋)、書庫、食堂、トイレ、大広間、風呂場、玉座の間、応接室……ぐらいかな?

 魔王たるもの自分の城ぐらい全ての部屋を網羅していないとダメ魔王の称号がつくからな。(という名目の暇潰し)

 さて、何処に何する部屋が在るのかを調べますか。


 てなわけで任務開始(ミッションスタート)だ!




 さてはてこれはどうしたらいいんだ?


 近くの部屋に意気揚々と入ったはいいが、いきなり困ったことになった。


 部屋から出れねぇーーー!!


 押しても引いてもスライドしようとしても扉がビクともしない。


「う〜ん……」

「……どうしたの?」


 どうやって出るかについて悩んでいると後ろから声を掛けられた。


「扉が開かなくて出られないんだよ」

「……じゃあボクと一緒だね。えへへ」


 何故笑える? 出られないのに何故笑える?

 小さく笑った奴の顔を見るために後ろに振り返った。


 ちっさかった。うん、ちっこい。それが第一印象。

 次に顔。水色の短髪だが左目が隠れている。見えている右目を見て、美少女だと判断。だって凄く綺麗に澄んだ翠の瞳なんだよ? しかも顔も整ってるんだよ? 中性的、だけど女の子の可愛さを残している幼い顔。いや、ヤバイね。俺はロリコンじゃないけどその道に走りそうになるわ。多分出るとこ出たら大変なことになるぞ? この中性的なロリボクっ娘は。

 さっきも言ったが体は小さい。だから胸はペタンコなんだ。想像してみろ。ほら、ヤバいだろ? 出るとこ出たら大変なことになるだろ? ある意味(21)界の最終兵器だな。

 ガッデム。わふ〜なんて知りません。アタイに触ると痺りぇりゅじぇ。


「……名前、何て言うの?」


 小首を傾げながら訊ねてきた。

 ぐはっ! 中々やるじゃねぇか……可愛いじゃねぇか、コンチキショー!!


「俺は月闇静夜。一応魔王やってます」


 今の俺はセリフは普通だが、挙動は不審だ。

 動揺しまくってます。さっきのアレで大ダメージを受けました。はい。


「……魔王様だったんだ。ごめんなさい」


 突然ペコリとする幼……少女。


「いや、別にいいよ。てか何に対して謝ってるのか分かんねぇし」

「……でも……」

「じゃあこうしよう。君が俺に名前を教える。それでチャラだ。異論、反論は受け付けない」


 完全に封殺する。

 意味が分からないまま謝られるのは嫌いなんだよね、俺。


「……クーロ。クーロ・メトロム」


 クーロね。ちょっと呼びにくいかな?


「ヨロシクな、クー」

「……クー?」


 また小首を傾げる。

 ガハッ!! ……や、やるじゃねぇか。俺をここまで追い詰めるたぁな。


「クーロだからクー。ダメか?ダメならクーロで呼ぶが…」


 ふるふると首を横に振る。


「……ううん、いい。クーなんて呼ばれたことなかったからちょっとビックしただけ」


 小さく、そして少し柔らかい笑みを浮かべた。


「この扉の開け方知ってるか?」

「……知らない。知ってたらもう出ていってるよ」


 そうだよな〜……


「あ! そうか」

「……どうしたの?」

「此処から出る方法を思い付いたんだ」


 クーの手をとる。


「……どうするの?」


 不安が含まれた声を聞き、クーを安心させる為に微笑んでみせた。


「こうするの」


 魔力を解放する。


「“テレポート”」


 淡い光に包まれたかと思ったら俺達は廊下に立っていた。


「ほら、出れただろ?」


 ニッと笑いながらクーを見た。


「……普通は“テレポート”は一人にしか使えないんだよ?」

「え? マジ?」

「……でもありがとう。助かりました」


 ペコリとしたあと、踵を返して去っていった。


 今日の探険はココまでかな?


本日の収穫…クーと知り合いになった。一度入ると中からは出られなくなる部屋の存在を知った。

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