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泣く、涙のシリーズ

泣かない君を泣かせたい

作者: 仲仁へび





 俺の彼女は泣かない。

 とても強い女性だ。

 けれど、だからこそ泣いてほしいと思うのは俺のわがままなんだろうか。


 俺はそんなに頼りないかな。






 俺は、自分が通っている高校で彼女と出会った。

 女子生徒達が行う虐めに対して真正面から立ち向かっていく、強い君と。

 クラスメイトも学校も巻き込んで戦った君は、やがて勝利した。


 そんな強い君が、平凡な僕の彼女になってくれるなんて、誰が想像できただろう。


 僕達はある日突然、付き合う事になった。


 校舎裏で、誰にも見られないような環境で、泣きそうな顔をしていた君。

 そんな君に声をかけたのがきっかけだったのかもしれない。


 恋人同士になった僕達は、様々な時間を過ごした。


 デートもした。


 たくさん一緒に過ごした。


 けれど、そんな思い出の中で、君は一度も泣かなかった。


 頼りない彼氏なんて、君にふさわしくない。


 そう思った僕は、彼女と距離を置く事にしたんだけれど。


 そんな中で見つけたのは、彼女の思わぬ本音。


「泣いていても、弱くいても人から好かれなかった。嫌われる一方だった。だから泣かない強い子になろうと決めたんだ」


 彼女はずっと、弱い一面を見せて、誰かから受け入れられたかったんだ。


 強く生きなくちゃいけなかった彼女の人生はとてもつらかったに違いない。


 だから、僕は君の手をはなす事をやめた。


 僕は強くなるよ。


 君がいつでも僕の傍で安心して、目いっぱい泣くことができるように。



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