第2話 育ての巨大乳に遭遇!もとい 育ての巨大母に遭遇!
つたない作品を読んでいただきありがとうございます。
今回はほぼ、主人公が転生した世界の説明回になります。説明というか屁理屈というか・・・。
暗闇の中、巨大な紫色の生物の影が動く。
上半身は人間で、その容姿は荒々しくも妖艶で、見る者を魅了する。
人々を魅了する上半身と対照的に力強い大蛇の下半身を持つ。
背中から生えている巨大なメタリックパープル色のドラゴンの翼を羽ばたかせ、
その者は住処にしてる山の洞窟から夜の空に飛び立った。
何時もの様に山の麓の湖で水浴びをしようと飛んでいた最中・・・
「ん?珍しい奴の気を感じる、久しいな!久しぶりに奴と語らうか!」
その者は心の中で呟き、翼を羽ばたかせながら思いにふける。
普段の奴なら、自分の気を外に放つなどしないのだが・・・
奴は同族の「神々の戦い」で不毛で壮絶な争に心疲れ、天空、星星を流浪したのちこの世界を創造した。
奴は、母であり元妻であるガイアの作り出した世界と同じ世界を創造した。
違うのは、ガイアの世界は神々の戦いを経てゼウスが神羅万象を抑え、
荒れ狂う山、大地、海を落ち着かせ、宇宙を平定して四季、朝昼夜を手に入れた。
膨大な数の命を代償に・・・
元の世界では、最初は人間を下に見ていたが、やがて交わり・・・
神々の力は徐々に薄まり人間の支配する世界になった。
奴は初めから神羅万象に取り入、星が自転し、穏やかな山大地海を、四季、朝昼夜を手に入れた。
この世界を神羅万象を説得しマナに満ち溢れさせたのも奴だ。
奴以外にもあの壮絶な同族の争いに心身共に疲れた者たちが大勢いた。その中で我一族を含め幾ばくかの者たちは奴を頼りこの世界に移り住んだ。
奴は自分の世界に、人間(獣人を含む)、獣、魔物を創造し住まわせた。
奴曰く、同族は無論、多種生命が共存できる世界を目指したいと。
奴の思いとは裏腹に、この世界の住人達は、人間同士の争い、戦争、
それに魔物が加わり混沌とした。
しかし、いくらこの世界がマナに満ち溢れてるとはいえ、所詮創造した生物。
文明も進んでいないがこの世界を凌駕するような事には至っていない。
それでも、それぞれの種族が己の考えの赴くまま国を形成して、相手の事を考えず、話し合わず、
あるいは騙し、一方的な力での制圧、征服という名の大量虐殺は流石に目に余った。
奴は本来の姿での介入は避けたが、我々に介入するなとは言わなかった。
ただ、力は押さえろ、種族を根絶やすな!と。もちろん奴の意見に皆従った。
・・・1度だけ仲間を騙し力を利用しようとした国を滅ぼした事があった・・・・
・・いや2度だった・・3度あったような・・いずれ2000年以上この地に住んで居たから忘れた。
仲間を騙し利用しようとした人間共が悪いのだ。
たまに愚かな者共に牽制、威圧のため本来の姿で、一族、仲間たちと制裁した事も多々あった。
お陰で殆どの国で、我らの雄姿が未だ恐怖として伝承されてる。
しかし、我らが本来の姿で戦うと被害が凄く、出来るだけ穏便にと普段は変化の能力で姿大きさを人間と同じ様なスタイル、サイズに変えて生活してる。・・・人間共の街の傍では。
その後も奴や我らは、変化し人間型で100年程前までは、何とか戦の少ない世界にできぬかと、
王族、国の支配者、騎士、貴族、政治家、商人他などと話し合おうとしたが徒労に終わった。
人間共は我らを騙し、賺し戦争に利用する事しか考えられないのかとあきれるばかりであった。
そして、奴は30年ほど前最果ての地と言われる我の住む大地の遥か彼方に移り住んだ。
奴と神と呼ばれた者だけは転移魔法を使えるが、我らは使えない。
我のこの巨大な翼で飛んでも奴の居る地には3か月はかかるだろう。
・・・・
昔をふと思い出していたが、奴の気がだいぶ近づいた。ここは城からも近い川沿いだ。
奴が何故気をわざわざ放出してるのかという疑問が未だに残る・・・
近いと言っても城や城下街からは50キロ以上は離れてるだろ。
奴がこんなに人間の城の近くに来るなんて百年ぶりだろうか。
辺りに人の気配はないが、とりあえずその者は人型に変化した。
奴を驚かしてやろうと、自分の気を魔法で隠した。と言っても奴ならそれでも気が付くのだが。
もしかして、無意識のうちに警戒したのかもしれない。
・・・奴の気に近づけば近づく程、ほんの僅かではあるが違和感を感じた。
「?!奴とは久しぶりに会うが、気が奴であり、奴以外の気にも感じる」
・・・・・ウラノスではないのか?
その者は少し焦った。この世界でウラノスに近い気を持つものなど、
自分の夫以外居無いはずだからだ。
普段は怯まないその者の額から冷や汗が流れる。怯む気持ちを抑え気の傍まで歩いていく。
そこで目にしたのは・・・まさに異様な光景だった!
普通の人間が見たら、川に何かに包まれた小さい箱の様な物が流されてるだけに見えるが、
その者には、普段目にしないような強力な結界に守られた小さい何かがあり、
察知した時より、ウラノスの気(若干違和感のある)が、どんどん大きくなっているからだ。
しかもその強力な結界は、他者が掛けた魔法ではなく、小さい箱?に入ってる何かが自身で放った結界である事に。
1時間くらい観察してその者は更に驚愕した!
あの結界からあふれてくる気は、ある程度魔物を倒すたびに、気が大きくなってるからだ。
結界内の者の成長の効果なのだろうが、こんな気を持つ者が、あの程度(気で頭がおかしくなり発狂し訳も分からず攻撃する雑魚)の魔物なら1000万匹き倒しても経験を得ての成長はしないはずだからだ。
いや、このレベルの気を持つなら普通なら経験レベルは頭打ちしてるはずだからだ。
ある程度レベルが高かったり、知性のある魔物なら絶対近づかない。
いや理性又は生物の本質が絶対に近づかせないレベルの気である。
しかも驚くべきことに、その尋常じゃない気はあの40㎝に満たない小箱の様な物からである。
あんな小さな箱に収まるとは、ウラノスが兎にでも変化してるのか?
いや、ウラノスであれば、あの程度の魔物を倒してレベルアップなどありえないし
、いまだにあの結界内にいる何かはレベルアップしているのだ!
何なんなのよ・・・この世界で1人しかいないSSS冒険者さえ倒すことができない、その者が震えていた。
この結界は大昔見たことがある。
うかつに手を出したら、我でも敵わぬかも知れないほど強力すぎる。
記憶では敵意の無き者には防御、攻撃効果は発動しなかった。これは同じタイプの結界だ。
その者は、気持ちを落ち着かせ、怯えはあったが、自分がこの結界を発動してる者に敵意が無い事を今一度確認し、意を決して包まれた籠に手を伸ばし・・・無事何事もなく拾い上げた。
その者の頬を伝わり、あごの下から幾つもの冷や汗の雫が衣服を濡らしてた。
そして先程迄発動してた結界は消え、同時にウラノスとそっくりな気も消えた。
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川に籠を放流されてどの位時間がたったのであろうか。真っ暗だった空は少し白けてきた。
カイルスは空腹と喉の渇きで眠れなかった。特にのどの渇きは限界であった。
シャレにならないよ(涙)川で喉乾いて脱水症状で死亡なんて(涙)
あの爺!転生して1日生きてられなかったぞ!(涙)
でもこれで、妻や娘のところに行けるのかな・・異世界にいるらしいけど魂戻れるのかな・・・・
まさに気を失う寸前であった!何の衝撃音も叫び声もなく、自然に籠が持ち上げられたのだった。
「えっ!えっ!えっ!」カイルスは驚いた。が、赤子なので「だぁっ」て叫んでいた。
カイルスは驚いた!覗き込んでるその者を見て!
「うわぁぁぁ!誰だこの美人さんは!銀座のお姉ちゃんやママより美人だ!」
しかし本当にカイルスが驚いたのはその者の美貌ではなかった。
カイルスは再び驚いた!目が飛び出るんじゃないかというくらい驚いた!
覗き込んでるその者の胸元を見て!
「胸に巨大メロン2個発見!」「僕、脱水症状で死亡回避できたかも・・・」
その者の胸元にはとんでもなく巨大なメロンが2個隠されてるんじゃないかという膨らみがあった!
カイルスは赤子なのに、生まれてから今まで、授乳も睡眠も一度も取っていなかった。
巨大メロン2個を発見して安心したのか、カイルスは「すぅーすぅー」と寝息を立てて
眠りについたのであった。
誤字脱字、文章的に重複してるか所、感情の補足など訂正しました。
もしよろしければ、今後の参考のため評価お願いしたします。