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プロローグその3

・・・・

ずいぶん周りが騒がしい。


「王女様しっかりしてくださいませ」

王女様?ここは何処だ?豪華な調度品と雰囲気のある部屋が見える。


「王女様・・・お子様がもう一人お生まれしました・・・・」

その言葉と同時に、周りがさらに騒がしくなった。


「なっ、なんという事なのでしょう」

色々な声が聞こえる。最低でもこの場に5人以上はいるのではないかという音、声が聞こえる。

すべて女性の様だ。


「先にお生まれしたのは、王子様、王女様と同じ、金髪の女子です。」

「今お生まれしたのは、黒髪ですでに目が開き、片方がブラウン、片方がブルーの瞳の男の子です」


「あぁああぁ、なんてことでしょう」

「王女様!お気をしっかりお持ちください!」

「今なら、どちらかを選んで、もう片方のお子は処分したら事は公になりませぬ」


「本来なら男子を取るべきですが・・・・」

「忌み子の上に髪の色がおかしく、瞳の色もブラウンとブルー・・・」


えっ!私の事なのか!だめだ、生まれたばかりなのか、体が自由に動かせない!

えぇぇぇ!俺!処分されちゃうの?理不尽じゃない?産んだならちゃんと育ててよぉぉぉぉ!


「王女様!ご指示を!」

「あぁぁぁぁぁぁ!私のかわいい子達よ!でも忌み子を産んだとなれば私の居場所もなくなる・・・」


母親らしき奇麗な女性と目があった。マミーなのか?

「うぅっうっぅうっー」

何やら皆で話し合ってるらしい。


「あぁぁぁぁぁ!私のかわいい坊や!決めました!この子を連れて私は城を出ます!」

「王女様!それはなりませぬ!」


部屋は喧噪で包まれてる。


俺はどうなるんだ。あの爺!何が疫病などでは死なないじゃ!病気にかかる前に、処分されそうじゃないか!魔法が使えるとか言っていたが、使い方も分からない!て赤子でいきなり魔法使えるのかもわからない。


その前に、初乳まだですか~!免疫早く!


部屋は更なる喧噪で包まれ、様々な意見が飛び交っている。俺どうなるの?

「わかりました。坊やはバスケットに入れて川に流します・・・」

マミーその決断は俺終ですよ(涙)


「せめて、私のショールで坊やを包みお守りとして私の短剣を忍ばせたいと思います」

「なりませぬ!王女様!それらには王家の紋章が記されており、身元が分かってしまいます!」

「結果全てが公に晒されてしまいます!」


えぇぇぇ~!本当ですか?生まれたままの姿で生後すぐに川にダイブ!俺終了ですよ!

なんかさっきから随分考え方、話し方が軽くなってるような?しかも一人称が俺で、母をマミーて。


「お願い、せめて何かで包んで!生き延びるチャンスを坊やに与えて!」


マミーの悲痛な叫びが聞こえた。どうやら俺は王室に生まれ、双子で生まれたらしい。

確か日本でも昔は双子は忌み嫌われていたな。嫡子の関係や、人は一回の出産で1人を産み、それ以上を1回の出産で産むのは獣扱いで、畜生腹と呼ばれるんだっけ。


しかも俺は、髪の色は両親と違い黒髪で、目の色もバイアイらしい・・・

忌み子条件コンプリートじゃないですか!あの爺!何してくれてんだよ!

未だに様々な意見、悲鳴が飛び交いまくってるし。


「セシリア王女様!いま召使の部屋よりバスケットと麻袋をお持ちしました」

おおお!マミーの名前はセシリアというのか!て、それどころじゃないか!


でも今の俺は、まさに俎板の鯉状態!仰向けになっている状態で、ひたすら言葉にならないうめき声を出している!俺泣いちゃうよ!


「セシリア王女様!アレク王子様の使者が出産の状況報告をうかがってきました!」


うわ!喧噪マックス!どうなるんだ俺!


・・どうやらアレク父ちゃんの使者には娘が生まれたと伝え、俺はの存在は無かった事にしたらしい。

場が落ち着き次第セシリアマミーと名前は知らないが双子の姉がアレク父ちゃんと合流するらしい。

俺はどうやら麻袋に包まれて庶民用のバスケットに入れられて城の裏側の川に流されるらしい。


「私のかわいい坊や、ごめんなさい。せめてこれだけは付けさせて頂戴」

「高価な品だけど紋章は記されていないから身元はばれないわ!」

そう言うと、セシリアマミーが自分の首からネックレスを外し俺の首に嵌めてくれた。


流石に周りの連中もこの行動だけは止めなかったみたいだ。


頬に口づけされ、セシリアマミーの涙が俺の顔をめちゃくちゃ濡らした。

そして俺は、セシリアマミーが一番信頼してるらしい女性にバスケットごと預けられて城を後にした。


・・・・

外は薄暗かったがなぜか寒くなかった。しかもベスト温度。さらにゴワゴワザラザラのはずの麻袋が肌を通して柔らかさが伝わっていた。なにこれ?


突然俺は籠から出され、俺を連れ出した女性が着ていた上着を脱ぎそのまま包んでくれた。

しかもどうやらバスケットを女性が着ていた皮のマント?で覆い籠が沈まない様にしてくれてるようだ。


「私は侍女のメアリーと申します。王子様に神様のご加護がありますように」

そう呟いてから、メアリーは俺の入ってる籠を川に浮かべ手を離した。


ゆ~ら~ゆ~ら~。ざば~ん。ゆ~らゆ~ら。俺を入れた籠はひたすら川の流れに身を任せてる。


ざぱ~んというたびに激しく籠が揺れ水しぶきが空中を舞う!川の水しぶきなんて生後数時間の赤子に被ったら流石にやばいでしょ!ヤバイヨ!ヤバイヨ!


だが不思議なことに、水しぶきが俺にはかかってこない。何か見えない壁が俺の周りにあるみたいだ。

そもそも、生後すぐに両目が開いてしかも視認出来てることがおかしい。

さらに、初乳も飲んでないのだが体は今のところ問題はないような感じがする。


これから俺はどうなるんだろう。今のところ気温も寝心地も悪くなく、籠は揺れてても俺自身はほぼ揺れてないことに気が付いた。何が起きてるんだ・・・


ふと考えてしまう。俺このまま川に洗濯にきたおばあさんに拾われて、籠から生まれた籠太郎として育てられて、ウラノスが言っていた魔物退治に行くのだろうかと・・・まだ頭が混乱してる様だ。


主人公の髪の色を銀から黒髪に変更しました。

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