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世界最強の超能力の異世界譚  作者: 灰色 人生
第1章 アルカランス王国編
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07話 シルバーランク昇格試験(2)

 


 ダンジョンには危険な魔物がうようよいる魔境である。


 そんかダンジョンには毎年沢山の冒険者が挑戦し、中には還らぬ人となる者も一定数存在する。


 そんな危険なダンジョンはどうやって出来たのか、その目的は未だに判明しておらず謎が多い場所である。


 そんなダンジョンに何故冒険者達が命懸けで挑戦するかと言うと、それは単純な事である。


 それは人々の欲望の化身と言える存在だからである。


 ダンジョンには希少な鉱石や宝物などの、人々の欲望を刺激する物が沢山あり、ダンジョンにしか存在しないアーティファクトと呼ばれる存在もある。


 人の欲望が無くならない限り、ダンジョンに挑戦する者は後を絶たないだろう。


 更にダンジョンは入口を塞ぐと、氾濫と言う現象が発生する。



 ダンジョンの中から魔物が溢れ出す現象の事であり、塞ぐとその氾濫までの時間が極端に短くなるのである。


 研究者の見解としては、冒険者がダンジョンに挑戦して魔物を倒す事で間引いている説が今のところ有力である。



 因みにダンジョン専門の冒険者の事を探索者と呼ぶ。


 現在ではダンジョンは無くてはならない存在となっている国や地域も存在する程の影響力がある。



 閑話休題。



 ケインはダンジョンの中へと足を踏み入れる。


 このダンジョンは洞窟型と呼ばれるダンジョンで、この洞窟型のダンジョンが一番多く存在する。


 このダンジョンは終始洞窟内であるが、ダンジョンにより中が草原であったり砂漠や湖、雪山など千差万別存在する。


 その点このダンジョンは全部で3階層しか存在しない、小さなダンジョン(一階層の広さは大体東京ドーム3〜5個分である)であり、洞窟型であるが最低限の灯りはある。


 ヒカリゴケと呼ばれる特殊なコケであり、何故かダンジョン外だと光らない不思議なコケである。



 罠に注意しながらケインは目的地である、赤い印が書かれた場所に向かう。


 この印の場所にボスが居りそれを倒し、ボスのドロップ品を手に入れるのが試験の内容である。



 このダンジョンの主な魔物はスケルトン、ゴブリン、ビックラット、ビックバットの4種である。


 確かボスはスケルトンナイトだった筈である。


「来たか」


 歩いていると目の前からガチャガチャと五月蝿く音を鳴らして、スケルトンが4体現れた。


「邪魔だ」


 腕を横に振るうと、見えない巨大な手に薙ぎ払われたかのように、ビタン!と壁に4体まとめてぶつかり砕け散った。


 その後も現れる魔物を念力でプレスしたり、吹き飛ばしたりしながら進む。


 ダンジョンの魔物は倒されると黒い靄となり消えて、そこには魔石かそのモンスターの素材のどちらか或いは何も残さない。


 ボスは必ず何かをドロップする。


 時々レア素材もドロップする事もあるらしい。


 一応ドロップ品は拾って行く。


「ボス部屋までもう少しだな」


 地図を確認しながら行く。


 ダンジョンによっては中の迷路が特定の周期で変化するらしく、このダンジョンも一ヶ月に一回のペースで変化するらしい。


 なので地図屋と呼ばれるマッピングスキルに優れた者達の稼ぎ場となる。


 通路の曲がり角から剣戟の音が聞こえる。


 気を付けなければ、魔物の横取りなどもあったりダンジョン内にも盗賊行為に及ぶ輩もいるから危険がいっぱいである。


 曲がり角を曲がらないと、ボス部屋まで遠回りしなければならないので曲がる。


 すると広場になっている場所にスケルトンが20体近くおり、壁付近で二人の冒険者が戦っていたが、見るからに押されている。


 その冒険者二人は如何にも駆け出しと言った少年少女であった。


「はぁ、面倒だな。見捨てるか?ダンジョンに潜るのは自己責任だしな」


 見なかった事にして、通り過ぎようとした時二人の元へスケルトンをあっという間に斬り伏せながら、女剣士が現れた。


「大丈夫か?」


「は、はい!ありがとうございます!助かりました」


「何、礼には及ばないさ。当然の事をしたまでだ。それで、そこに居る御仁はどうするか?」


 どうやれバレているので姿を現わす。


「見事な剣技だな」


「ああ、ありがとう」


「それでなんだ?手助けを求めるのか?」


「いや何、ただ気になっただけさ」


 そう言って女剣士はスケルトンを斬り伏せて行く。


 僅か1分程度でスケルトンを全て排除し終わる。


「お見事」


「ありがとう。自己紹介がまだだったね。ボクはルーラ。ミスリルランクさ」


「ケイン、ブロンズだ。今は昇格試験中でな」


「そっか、なら引き止めちゃ悪いね。じゃあ頑張ってね」


「ああ」


 ルーラが付いていればあの二人の駆け出しは大丈夫だろう。


 それにしても中々の剣技であったな。



 ルーラ達と別れたあと特にトラブルもなくボス部屋に到着した。


 そこには扉の前で待っている他の冒険者達もいた。



 ボス部屋は中のボスが倒されるか、冒険者が戦闘不能になります開かない仕組みである。


 一応高いが転移石と呼ばれる緊急避難用の魔道具があり、それを起動させると入口まで転移出来る代物である。


 暫く待っていると扉が開き、ボロボロになりながらもボスを倒した冒険者達が出て来ていたが、その顔は浮かない。


 多分このペンダントを破壊されたのだろう。


 このペンダントは脆い作りなので、一撃食らっただけでも多分アウトだろう。


 さて、次の冒険者パーティーが中へと入って行く。


 ボスはリポップするのに通常は30分必要なので、その間は普通にボス部屋を通過して下の階層に行ける。


 だが、今回の試験の目的はボスのドロップ品の獲得なので時間がかかるだろう。



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