04話 隣国へ
どうしようか悩んだが、先ずは旅支度をする事にした。
因みに部屋はビジネスホテルの様な感じで、思ってたよりも快適であり水洗トイレであったのが一番の驚きだ。
水は出るけどお湯は出ないとはこれいかに?と矛盾点もあったが、どうやら店主がこだわり内装にかなり掛かったらしく、お湯を出す魔道具も結構な値段がするので付けられていないらしい事が、後で看板娘ちゃんから聞いた話である。
その事でこっ酷く店主は女将さんに絞られたらしい。
後数ヶ月後にはお金も貯まり、魔道具の取り付けも完了するらしいが、その分部屋代も上がるらしい。
閑話休題。
一応向こうでもいつもある程度は準備していたが、この世界独自の便利な物もあるかも知れないからな。
一応宝物庫の中にも有用そうな物は多々あったが、あまり大っぴらにしない方が無難だろう。
さて、いつまでも部屋に居ても仕方がない。
風来亭から出て旅に必要な道具や食料を買いに行く。
幸い金はたんまりある。
足りなくなれば、そこら辺の貴族の家を襲撃すれば事足りる。
何せ俺は召喚された被害者だからな。
と言うわけで早速色んな店で買ったりしながら街を歩く、そうやって3日を過ごした後防具屋に行くと、ちゃんと注文通りの品が数着用意されていた。
代金を払い買った馬に荷物を乗せて、隣国に向けて出発する。
因みにこの頃には王宮の崩壊と王族の全滅、国の要人の全滅の話が伝わって来ていた。
地図は王宮で手に入れた正確な物があるので迷わないだろう。
大体隣国の国境までは此処から3週間ほど先である。
ゆっくりと観光しながら向かう事にした。
そして現在国境まで一週間程の距離におり、ケインの周りには盗賊が10人ほど上半身を消滅させて、下半身が倒れていた。
ケインを襲い返り討ちになったのである。
そして頭目の男が目の前に腰を抜かしていた。
「おい」
「は、はぃぃぃ!い、命だけは!」
「なら、アジトに案内しろ」
「は、はい!こっちで御座いますです」
辺な言葉遣いで頭目はアジトまで案内する。
小さな盗賊団であり、アジトには見張りは居らず中には食料と僅かな金があるだけであった。
「はぁ、使えない」
手刀で頭目の男の首を斬る。
金だけ手に入れて再び国境目指して進む。
その後は面倒な盗賊には合わず、出て来る魔物を適宜プレスして進んで行くと漸く国境の町まで辿り着いた。
国境の町は物々しい雰囲気をしており、向こう側に行くのはかなり面倒な手続きをしなければならないらしい。
何故なら敵対国であるからだ。
だが、そんな面倒な事をする気がないケインは、正面突破して国境を通過する予定だ。
そうやっていざ正面突破しようとしたが、何やら町の様子がおかしい事に気付いた。
どうやら王様が死んだことが伝わって来ており、それをチャンスと見た隣国が攻めて来る様だ。
なのでケインはその混乱を利用して隣国へと行く事にした。
町で宿を取り待機する事2日後、遂に隣国が攻め込んだ来た。
その数2万であり、この町の防衛戦力は3千なのでとても勝ち目はない。
すぐに早馬を出したが、上が消滅したので上手く連絡が取れていない。
そして戦端が開かれた。
大量の矢が降り頻る中、平然とケインは旅の準備をして矢の雨の中馬に乗り歩く。
矢はケインの数メートル手前で不自然な軌道をして、ケインと馬を避ける様に地面に落ちていく。
姿を見られるとこの先の生活で面倒なので、影を操り身体に纏わらせて鎧の様な見た目にする。
出来上がったのは黒騎士である。
影は黒く色が変えられないので仕方がない。
馬も茶色から影で黒く塗り替えておく。
「貴様!何処の所属だ!」と偶々出くわした騎士に誰何される。
問答する気もないので手早く気絶させて道の端に寄せておく。
10メートルもある壁をヒョイっと飛び越えて、隣国の国境を越える。
後ろを振り返ると、丁度町の門が陥落して兵士が町の中へと雪崩れ込んでいた。
興味を失ったケインは影を解除して森の中へと姿を消した。
数日後ケインの姿は町の中にあった。
「やはり風来亭の飯が特別美味かっただけだな。まあ、不味くはないが普通の味だな」
そう評しながら、ケインは朝食を済ませる。
「さてと、この国に俺を楽しませてくれる存在は居なさそうだな。アルカランス王国の勇者にでも会いに行ってみるか」
理由は面白いそうなのと、アルカランス王国の方がダウンカーズ帝国よりも近いからである。
因みにケインを召喚した国はこの国の手により滅びた。
「そろそろ、依頼でも受けて冒険者ランクでも上げとくか」
冒険者はランクが上の方が色々と恩恵を受けられるらしい。
その分面倒ごともあるが、デメリットとメリットを天秤に掛けた結果メリットが上回ったのである。
冒険者ギルドに行き適当に薬草採取の依頼を受けてそれをこなしていくと、簡単にブロンズランクに上がった。
冒険者ギルドからの評価は丁寧で素早いとの事である。
実際は千里眼で薬草の場所を探して、見つけ次第念力で丁寧に引き抜いているだけである。
実際には一歩も動いていない。
「やはりせっかく買ったのに剣を一回も使って居ないな。だが剣術の心得もないが、やはり異世界と言ったら剣と魔法だからな。魔法はまあ今のところ超能力の方が便利だからな。剣も………必要はないな。だが、一度くらいは剣と魔法には憧れたからな」
ポケットからタバコを取り出して、指先に火を灯して火を付ける。
「ふう、どうするかな」
タバコを吸い終わると取り敢えず冒険者ギルドに向かった。
アルカランス王国方面に何か依頼が無いかを探す為だ。




