33話 南方都市図書館
遅くなりました。
最近忙しくて少しペース落ちます。
すいません
南方都市図書館に入ると、その蔵書量の多さに初見で来た人は驚くだろう。
だが、前の世界を知るケインからすれば市の図書館よりも、少しぐらい多いか?ぐらいにしか感じない。
なので、さして驚かずに普通に受付に行き、この施設の使い方の説明を受ける。
基本的に持ち出しは厳禁ではあるが、一般区画の書物なら写しは大丈夫との事であった。
そして保証金として銀貨5枚を支払う。
汚さなければ後で銀貨3枚は帰って来て、残りの2枚は利用料として徴収させる仕組みらしい。
早速ケインは興味がありそうな、蔵書を片っ端から取って読者スペースへと持って行く。
ゆっくりと読みながら、超能力を使い次々に用紙に、書物の内容を転写して行く。
側から見ると、異常な光景であるが其処は世界最強の超能力者である。
存在を隠して目立たなくしているので、気付く者はいない。魔力を使っていないのも理由の一つであろう。
閉館時間ギリギリまで、ケインは図書館で過ごした。
面白そうな物は幾つかあった。
『勇者による魔王討伐録』『大陸の歴史』『大陸を一周するなら』『世界の名料理』『魔王とは』などなど、面白そうなタイトルの物が多かった。
それに禁書エリアも気になる。
近いうちに忍び込むつもりである。
宿に戻った後も、自室で写生した物を読む。
本を読んでいると部屋の扉がノックされたので、答えるとルーラが入って来た。
「お邪魔するよ。それにしても凄い数だね」
「ああ、興味深い物ばかりだ」
「そのようだね。それとそろそろ夕食の時間だよ」
「もうそんな時間か?」
「そうだよ」
「わかった。今向かう」
読み掛けの本にしおりを挟み、ルーラと一緒に食堂に向かう。
既に食堂には他のメンバーが揃っていた。
遅れた事を謝罪してから席に着く。
いつも通りに、情報交換をしてその日の成果を報告して行く。
特に目新しいものは無く、翌日再びケインは図書館に向かう。
昨日と違うのは、今日はジョンとトバイアス卿もついて来ている点である。
教養が足りないジョンに、トバイアス卿が教えるらしい。
これからのエミリアの側近候補だかららしい。
平民であるジョンは辛うじて読み書きは出来るが、それも必要最低限の事なのでこの機会に、徹底的に教えるらしい。
大変だな。
今日も昨日と同じく、ケインは気になった書物を見て行く。
そうやって昼食も忘れて没頭していると、日が傾いて来ていた。
「ん?もうこんな時間か」
仕方なさそうに本を閉じて、元あった場所へと戻す。
この様な作業を2日続けたあと、いよいよ深夜に禁書エリアに侵入するつもりである。
みんなが寝静まったあと、影で全体を包み真っ黒にする。
そっと部屋の窓を開けて、空に飛び立つ。
空を飛べる魔術士は、非常に希少らしく態々泥棒などせずとも、十分に稼げるので空への警戒は薄い。
なので簡単に図書館の屋根に、と思ったが屋根にも防犯用の魔道具が設置されていたので、それを回避して壁を通り抜けて中へと図書館へと入る。
ここまで一切魔力は使用していないので、魔力感知の警報機は作動していない。
慎重に禁書エリアまで進む。
時折巡回の警備兵を隠れてやり過ごし、漸く禁書エリアまで到着したが、その前には警備兵が5人もいた。
入口以外の壁には、よく見ると雷の魔法が掛かっており触れると感電して麻痺して、暫くは動けなくなるだろう。
解除も可能だが、痕跡を出来る限り残したく無いので、入口の警備兵をどうにかする事にした。
影から、強力な睡眠作用のあるお香を取り出して火を付ける。
「ん?何か甘ったるい匂いがしないか?」
「確かに………確認に行くか?」
そう言って歩き出そうとしたがふらつく。
「あ……れ……おかしい……な」
辿々しい話たと思ったから、いつの間にか床に倒れていた。
そして周りからは規則正しい寝息が聞こえて来て、男も瞼がだいぶ重く感じて、少しだけ、少しだけと思いながら目を閉じる。
「全員寝たな」
この睡眠作用のあるお香は、威力が高い分持続時間が短い欠点もあるので、急いで寝ている衛兵の懐を漁り、鍵を取り出すと扉の鍵を開ける。
振り返り、5人がちゃんと警備している様に見える、幻影を用意してから中へと入って行く。
禁書エリア内に侵入する。
「さて、来たは良いが目的の物とかは特に無いからな」
呪いなどがありそうな物は避けながら、物色して行く。
面白そうなのものが沢山ある。
あまり時間は掛けられないので、急いで写生して行く。
終わると素早く部屋から出て、影に溶け込む様にその場を後にする。
翌日、いつも通りに図書館に行ったが、昨日の侵入はどうやらバレては居らずに騒ぎにはなっていなかった。




