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世界最強の超能力の異世界譚  作者: 灰色 人生
第1章 アルカランス王国編
30/33

30話 宿り木亭(1)

 



 南方都市はアルカランス王国でも、最大級の交易都市でもあるので、異国情緒あふれる街並みであり、様々な地方や国の特産品も集まる為に、珍しい食べ物も多く思わず目移りしてしまう。


 今回はマーカスオススメの、海鮮料理を扱った店へと行く。


 海鮮料理は、港町ポートでも食べたが、此処はそれ以上の種類の豊富さを感じる品揃えの多さである。


「此処です」


 マーカスの馬車で到着したのは、一軒の定食屋であった。


「意外ですか?」


 マーカスが皆の反応を見てそう聞いてくる。


「え?は、はい!マーカスさんはオルベラン商会の会頭さんですので、高級店かと思ってました?」


 偶々マーカスの対面の席に座っていたジョンが、慌てた様にそう答える。


「ふふ、確かに。大事な会食などではそう言った店を利用しますが、我が家の家訓は『初心忘るべからず』ですので最初の頃は、片田舎にある小さな商会でしたのでね。なので、こう言った店にも時折行きますし、私は現場を知りたいので時々行商人の真似事をしてましてね」


「そ、そうなんですか?オルベラン商会はアルカランス王国でも、とても大きな商会なので想像出来ませんよ」



「大抵の人はそうかも知れませんね。さて、そろそろ降りましょうか。皆さんお腹がすいてるでしょうしね」


 マーカスに同意して、馬車から降りる。


「では、入りましょうか」


「その前にマーカス殿。この服装でも大丈夫なのか?」


 トバイアス卿達の服装は、南方伯ジャヌーブ伯爵に会う為に、今現在は正装姿である。


「ああ、失礼しました。中は個室があるので大丈夫ですけど、やはりそのままでは目立ちますね。着替えてしまいましょうか。あの宿の女将とは親しくさせて貰ってますので、少しお待ち下さい」


 すぐ近くの宿屋へと入る。


 数分でマーカスが戻って来た。


「着替えに使うだけなら、料金も要らないとの事です。どうぞ」


 案内されて宿で普通の服に着替える。


 一応馬車の中には入れて置いたのである。



 着替え終わると、早速店の中へと入る。


「まあまあ、マーカスさん。宿り木亭にようこそ。お久しぶりですね」


「ええ、お久しぶりです。ミリーさん。すいませんが個室は空いてますかね?」


「ええ、大丈夫ですよ」


 ミリーさんに案内されて、二階の個室へと案内される。


「中々綺麗な店だな」


「ええ、完全防音ですので密会にも持ってこいですよ」


 冗談混じりにマーカスがトバイアス卿へそう返す。


 トバイアス卿は苦笑する他ない。


 それぞれが席に着きメニューを開く。


「へぇ、結構豊富だね」


 ルーラの言葉に、エミリア達は同意する。


「ふぅ、それにしても緊張しました。倒れるかと思いましたよ」


「流石にジョンには厳しかったな。まあ、顔合わせも住んだことだし、次からは宿で待機していて大丈夫だ」


「それを聞いて安心しました。次は確実に倒れる自信がありましたから」


 確かにジョンは緊張で、かなり危険な顔色をしていた。



「これからも今回の様な事が、あるかもしれんからな。これから少しずつ鍛えんとな」


 ジョンは道中トバイアス卿から、剣の手ほどきを受けており弟子と言える感じであった。


 なので、トバイアス卿は今度は剣以外にも鍛えようとしていた。


「いえいえ!剣だけで十分です!それに自分は一般兵ですから、今回の旅が終われば普通の兵士に戻りますよ」


「そうなのですか?ジョンさんさえ良ければ、私の護衛の一人にしたかったのですが」


 悲しそうに年下の、それも王女に言われてジョンに断る選択肢はなかった。


 ケインはエミリアが僅かに、ニヤついた事を見逃さなかった。


 からかい半分後は本当なのだろう。


「皆さん。そろそろ何か注文しませんか?ジェシカさんとルーラさんが限界みたいですよ」


 言われて二人を見れば、テーブルに突っ伏していた。


 ジェシカのお腹から「キュルルル」と可愛らしい音が鳴り、ルーラも「ごはん〜ごはん〜」と言っていたので、話を一旦切り上げて料理を注文する事にした。



 それぞれが頼む物が決まれば、テーブルに設置してあるベルを鳴らす。


 するとノックされて扉が開き、給仕の女性が現れる。


「はい、ご注文は如何致しますか?」


 マーカスが代表して、それぞれの好みの食べ物と飲み物を注文して行く。



 料理が運ばれて来るまで、暫し談笑していると料理が届けられる。


「さて、食べましょうか。味は保証しますよ」


 早速とばかりに、ルーラとジェシカがナイフとフォークを使い料理を食べ始める。


 ケインも頼んだ厚切りステーキを食べる。


 噛むと肉汁がジュワと、口いっぱいに広がりシンプルに故障だけで焼き上げているので、素材の味が十分に感じられる。


 程よい焼き加減で、肉はとても柔らかく殆ど噛む必要さえ感じない。


 付け合わせのサラダも新鮮で美味しく、魚介スープとパンも美味しい。


 他にも、パスタも美味しく、よくわからない料理もあったが、どれもとても美味しい。



 ある程度食べ終えたところで、今後について話し合う。


 それにしてもジェシカとルーラの食欲は凄いな。軽くステーキを二人とも5枚も平らげており、他にも料理を頼んでいた。


 そう言うケインも、軽くステーキを8枚食べていた。



「ジェシカ。そんなに食べて大丈夫?」


「はい!大丈夫です姫様。私は普段から身体を動かしますしね。それにどう言うわけか一向に太りませんから。身長が伸びて欲しいのですが、何故か胸だけが大きくなるのですよね」


 確かに15歳にしては、ジェシカの胸は重巡洋艦級である。


 それを聞いたエミリアは、自身の胸に手を当てる。


 ペターンとする胸を見て、エミリアはジェシカに暗い笑みを浮かべて「そんなに食べたなら、晩御飯はいらないわね」と可愛らしく言う。


「そ、そんな!姫様〜」


 どうやらエミリアの地雷を踏んだようだ。


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