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世界最強の超能力の異世界譚  作者: 灰色 人生
第1章 アルカランス王国編
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29話 南方伯との対面(2)

 



 南方伯が応接室へと、老年の執事を連れ立ってやって来た。


「待たせたね。少し仕事が立て込んでいてね」と物腰柔らかそうに、開口一番にそう言って入って来て、エミリアの姿を見て固まる。


「すまないが、君達は退室してくれ」


 メイド達は訝しんだが、退室して行く。


 唯一南方伯ことブライアン・フォン・ジャヌーブ伯爵と共に、部屋に入って来た老年の執事だけが残った。


 そして、メイド達が退室したのを確認してから、南方伯は跪く。


 後ろの執事も同様である。


「これは御無礼を致しました。姫様」


「構いません。此方が素性も明かさずに参ったのですから、ジャヌーブ伯爵。それとも南方伯とお呼びした方がよろしくて?」


 最後の方はユーモアを交えてエミリアが言うと、ジャヌーブ伯爵も口元に笑みを浮かべて「お好きにお呼び下さい」と答える。


「さて、いつまでもその姿勢では話しにくいですので、座って話しませんか?」


「畏まりました」


 南方伯と執事は立ち上がる。



 ケインはエミリアの今の立ち振る舞いを見て、やっぱり王女様なんだな。と今更ながらに思った。



「それで、今まではどちらに?」


「その質問に答える前に、この部屋の防諜設備は大丈夫ですかな?」


 トバイアス卿の質問に老年の執事が「万全で御座います」と答える。


 ケインも辺りを探って見るが、聞き耳を立てている者は居ない。


「疑うような真似をして失礼しました」


「いや、当然の反応だろう。気にしてはいない」


 ジャヌーブ伯爵は鷹揚に答える。


 その前にエミリアから席に座る様に言われて、ジャヌーブ伯爵がエミリアの対面の席へと座り、その後ろへ老年の執事が付く。


 それにしても、老年の執事はケインに警戒する視線を向ける。


 それに気付いたトバイアス卿が「ふむ、この者達は信頼出来ますぞ?」と言う。


「バリス」

 ジャヌーブ伯爵が一言声を掛ける。


「申し訳御座いませんでした」


 そう言って警戒度を下げる。


「いや、こちらこそ不躾な視線をすまない」


 つい、バリスが中々の強者で戦ってみたいと言う、欲望が思わず漏れてしまったのでケインは謝罪する。


 取り敢えずは、双方が謝罪したので一応は話は終わった。


 そしてエミリアがタイミングを見計らって内容を話す。


 今までの出来事を掻い摘んで話す。


 途中ローラやトバイアス卿が、補足しながら最後まで聞き終えたジャヌーブ伯爵は「なるほど」と一言だけ答えた。



「状況は理解しました。まさかそこまでとは、予想していた中でも最悪の部類に入るものですね。そうなるとマーリア王女殿下の勢力は、思ったよりも強大である様ですね。

 この国の法律的にも今の状況ですと、強権を発動して強制的に排除するのも、ままならない状況でしょう。下手をすると国が割れますからね」


「ええ、私もその様に考えています。それにこの件には策謀を感じます」


「そうですね。私も調査を行なっていますが、中々尻尾を捕まえられていません。()は余程の手練れでしょう」


 ここで初めてジャヌーブ伯爵は、敵と言う言葉を使った。


「それで、ジャヌーブ伯爵殿。こちらの状況はどうなのでしょうか?」


「そうですね。多少エミリア王女殿下の失踪により中立的な立場であった者や、此方へ協力的な者の一部がマーリア王女殿下の陣営側へと流れました。ですが、これにより残った者はそう易々とは寝返らないでしょう」


 ジャヌーブ伯爵より、マーリア王女側に付いた者達を聞く。


「なるほど。それにしても想定よりも少ないですな」


「それも、エミリア王女殿下の人徳の致すところでしょう」


 ジャヌーブ伯爵の言葉に、ジェシカとローラは満足そうに頷く。



 その二人の反応を見て、少し残念そうにするトバイアス卿。


 仕える主人が褒められて、嬉しいのはわかるがそうやって態度に出すのは如何なものだろうか?と内心では思っていたが、まだまだ若いので仕方がない。

 と思う反面と一番側で仕えているので、やはりしっかりと教育させないと駄目か?と悩んでいた。



 だが、その事は一旦棚に上げて後ほど考える事にしたトバイアス卿は、ジャヌーブ伯爵の方を向き質問する。


「この南方都市にも、やはりマーリア王女殿下の手の者が?」


「ええ、今はまだ様子の監視人員のみですけどね。あわよくばと何人か此処へと侵入しようと試みた輩もいましたが、今のところは問題なく対処出来て居ますよ」


 対処の部分で、ジャヌーブ伯爵は黒い笑みを浮かべた。


 その部分には触れない方が良さそうである。


 その後、情報交換も終わりジャヌーブ伯爵とは、しっかりと協力関係を築けたエミリア達は、踊る猫亭へと戻る事にした。


 防諜対策などは万全ではあるが、何処から情報が漏れるかはわからないものである。


 なので今はまだ、エミリア達の生存を知られる可能性は極力避けた方が良いので、マーリア王女殿下の手の者が監視するジャヌーブ伯爵とは、出来るだけ接触を避けた方が無難である。


 その為に、一旦踊る猫亭に帰る事にしたのである。


 それにしても、結構話し込んでしまったので昼御飯はまだである。


 一応軽食などは出たが、食べ盛りであるエミリアやジョンは勿論、体を動かす事が多い騎士の二人や、冒険者のケインやルーラもお腹が空いているので、マーカスオススメの店に寄ってから踊る猫亭に帰る事にした。


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