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世界最強の超能力の異世界譚  作者: 灰色 人生
第1章 アルカランス王国編
16/33

16話 港町ポート(1)

 



 アルカランス王国に入ってから、5日後国境近くから離れた町へとたどり着いた。


 そこで食料などの補給を行う。


「それにしても王国内では勇者の話は聞かないね」


 ルーラがそう呟くと確かにその通りである。


 他国では聞こえていたのに王国内で聞かないのはおかしな話である。


「やはり何者かの情報操作でしょうか?」


 侍女のローラがそう言うとトバイアス卿は同意する。


「その可能性が高そうだな」



「だが、何故国内では勇者の話を流さないのだ?」


「それは……わかりかねます」


「そうだな。まだ情報が少ない」



「当面の目標である港町ポートを目指しましょうか」


「それで、陸路と海路どちらを使います?陸路の方が時間はかかりますが、旅費は少なく済みます。海路の方が旅費は高いですが時間は短いですが、貴族なども乗船する可能性が高いのでリアの身バレの可能性が高くなります」



 その後エミリア、ローラ、トバイアス卿にジェシカの4人はこれからについて話し合う。


 マーカスはどのルートでも問題ないらしく、気長に待っていた。


 三時間ほど話し合い結論が出たようだ。



「もし期日通りに勇者召喚の儀式を執り行うなら、陸路では時間がかかり過ぎるので此処は海路を選択したいと思う。ケイン殿やルーラ殿には申し訳ないが、船代を貸して欲しい」


「わかった。出すよ。その代わり見返りは期待してるよ」


「承知した」


 トバイアス卿に頼まれたので船代も出す事にした。



「この町から南東に進んだ方向にある港から、ポートまでの船が出ている筈です。そちらへ向かいましょう」


 方針が決まったので、南西にある町へ向かう。



 3日ほどで港に到着しマーカスとトバイアス卿の2人が交渉に向かった。



 その間にケインは港を散策する。


「やはり日本人たるもの魚を食べないとな。前の世界では拠点をニューヨークに移してたから、あまり日本食を食べてないからな。最近寿司を食べてなかったから、久し振りに食べたいが、異世界にあるとは思えないが港なんだから、新鮮な魚があれば自分で調理すれば良いか」


 そう呟きながら歩いていると市場に出た。


 其処彼処で魚が売られており見たことがない魚が多い。


「生魚を食べたりするか?」と駄目元で近くの屋台のおっさんに聞いてみると「うん?ああ刺身ってやつがあるが知ってるか?他国だとあまりないらしいな。まあ、ここでもあるのは海や川近くだけだけどな。これに魚醤を掛けて食べると美味いぞ。高級な店に行くと醤油って言う遠い東の国原産の奴を掛けると更に美味いらしいぞ」


「ほう、それはいい事を聞いた」


 おっさんからいくつかお礼として魚を買い、刺身を出している店を教えてもらい其処へ行く。



「ここか」


「いらっしゃいませ!お一人様ですか?」


 店の前にいると中から女の子が出て来て話しかけて来た。


「ああ」


「どうぞ」


 席に案内されて座る。


 メニューを渡されたので、その中に刺身があったので頼む。


「以上でよろしいでしょうか?」


「ああ」






 その後出された刺身をケインが満喫している頃、ルーラやエミリア達はと言うと




「あれ?ケインさんは何処に行ったのでしょうか?」


「あれ?本当だね?勝手にどっかに行ったのかな?まあ、でも大丈夫でしょう。ケインは強いからね。それにどうやっているのか此方の動きも常時監視しているようだから、船に乗る前には帰って来ると思うよ」


 ルーラは何故か自慢気にそう話す。


「あの、前々から聞きたかったことがあったのですが良いですか?」とエミリアがルーラに質問する。


「うん?なんだい?」



「お二人はランクがかなり離れているのにパーティーを組んでいるのですか?同郷の者とかでランクが離れていても、教導の為に組むこともあると聞いた事がありますがそれとも違うように感じまして」


「ああ、ボクとケインはパーティーを組んでいないソロの冒険者だよ。ケインと出会ったのも君達を助け出した時より少し前に出会ったばかりだね。

 一緒に行動している理由だけど、偶々目的地が2人ともアルカランス王国だったんだよ」


「なるほど、ルーラさんは勇者様の御指導の為ですがケインさんは?」


「さぁ?それは聞いてないからね。あまり冒険者の人には詮索はしない方がいいよ。脛に傷ある者が多いからね」


「わかりました。注意します」


 神妙な頷くエミリアを微笑ましそうにルーラは見つめる。


「それにケインは強いよ。冒険者になって日が浅いらしいからランクは低いけど、すぐに上に上がってくると思うよ」


「確かに、妙な凄みと言うのでしょうか。ケインさんには常人には近寄り難い雰囲気を時たま見せますからね。それに本人は魔術士と言ってますが、多分近接戦闘とそれなりに熟せるように見えました」


「行けると思うよ。まあ、ケインの場合は相手が至近距離に近付くと前に確実に仕留めるから、アウトレンジに見えるだけだと思うな」



「そうなのですか?では万能型と言われるタイプの人でしょうか?」


「さあな、だが多分そうでは無いかと思っているよ。それにボクは一回でもいいからケインと戦って見たい」


「そうなのですか?」


「うん、強い人と戦うのは楽しいじゃ無いか?」



「えっと、私には少しわかりませんね。何せ戦ったことがないので」


「まあ、お姫様じゃそうかもね。ボクは事情があったからね」


 遠い目をするルーラにどう声を掛けていいのか迷うエミリア。


「では、ルーラ殿。問題が全て解決した後は是非とも私と手合わせ願いたい」


 そんな沈黙を破ったのはジェシカである。


 彼女は所謂脳筋と呼ばれる部類に入るので、鍛錬は毎日欠かさずに行っている。


「いいよ、楽しみだ」


「私もです」


 2人は楽しそうに笑い合う。

9月後半は忙しいので、毎日更新が途切れるかも知れません。


ご了承下さい。



閲覧頂きありがとうございます。


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