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世界最強の超能力の異世界譚  作者: 灰色 人生
第1章 アルカランス王国編
14/33

14話 アルカランス王国へ(4)

 


 トバイアス卿とマーカスの二人は食堂に此方の姿を見かけると寄って来る。


「お待たせしました。マーカス殿をお連れしました。ある程度の事情は既に話しております」


「そうですか、ご苦労様ですトバイアス卿」


「はっ!恐れ入ります」


「マーカスさん。ここではなんですしお部屋でお話ししませんか?」


「勿論ですとも」


 マーカスも笑顔で了承したので8人で部屋に戻る。


 流石に8人ともなると窮屈であるが、我慢する。


 だが、ジョンとトバイアス卿はエミリアに命じられて部屋の外で待機する。


 盗聴されないか警戒するようだ。


 その方が返って怪しまれると思うがケインとルーラも別に警戒しておく。


「さて、マーカスさん」


「エミリア殿下。私ごときにさんなどとマーカスとお呼びください」


「いえ、これからの話次第ではお世話になるのでさん付けでお願いします」


 お願いされては断れない。


「わかりました」


「ありがとうございます。それでですね。既にトバイアス卿からも聞いていると思いますけど、ケインさんとルーラさんについてです。私達も御同行しても構いませんか?」


「ええ、大丈夫ですよ。幸い馬車も手に入りましたので安物の中古品ですが、無いよりはマシだと思います」


「はい、それともう一点お願いがありまして、マーカスさんは王都の本店にと聞きましたが?」


「ええ、その通りです」



「すいませんが、王都には入らずに港町ポートに向かって欲しいのです。そこで情報を集めてから王都に向かいたいのですが構いませんか?」


 少しマーカスが考え込む。


「ええ、大丈夫です。ポートには支店も御座いますのでそこに向かうとしましょう」



「重ね重ねありがとうございます。このご恩はいずれお返しします」


「いえいえ、とんでも御座いません」


 その後は細かい点が話し合われて、港町ポートに向けて明日の朝出発する事が決まった。


 その間に村で平民の服を買い(代金はケインが立て替えた)それを着て、身分を偽る事にした。


 トバイアス卿やジェシカにジョンも格好を変更して冒険者風に変える。


 因みにローラ村娘の格好である。



 設定として商人の護衛依頼を受けた冒険者パーティーの設定である。


 エミリアとローラは商人であるマーカスの親戚の設定である。


 ジェシカはエミリアを平民として扱うのに抵抗があったが、エミリアとローラの説得もあり渋々了承していた。



 そして翌朝アルカランス王国の港町ポートに向けて出発する。


 二週間掛けて問題なく国境に辿り着き、その後は関所も何とか通過し次の国へと入った。


 この国の隣国がアルカランス王国なのでもう少しである。



 国境を抜けてすぐの町へと入り、宿を取り情報収集をする。


 ここなら、アルカランス王国の隣国なのである程度の情報が流れている可能性がある。


 するとある噂話が流れて来ていた。


 それはアルカランス王国で勇者が召喚されるというか噂であった。


「おかしいですね。勇者様の召喚は秘中の秘であり、更に予定日は二ヶ月以上も先の筈。なのに既に噂話としてですが、アルカランス王国と反対側の国境の街にまで噂が流れて来ている。

 これは意図的に流された噂の可能性が高いですわね」


 エミリアは真剣な表情で推測する。


「だとすれば可能性が高いのが第三王女殿下ですな。第三王女殿下の周りには怪しい者が数多く出入りしていましたしの」


 トバイアス卿の意見にエミリアも頷く。


「どこまで姉様の手が広がっているかも不明ですからね。このまま港町ポートを目指しても良いものか」



「どちらにしろ、このままここにいる訳にも参りません。ポートを目指しましょう!」とジェシカがエミリアを励ます。


「ええ、そうですね」


 その後は旅程を早めて20日掛かる所を、14日ほどでアルカランス王国との国境の街へと辿り着いた。



 宿を取り、そこであつまり協議する。



「さて、どうしますか?アルカランス王国に入ると、少しの事で我らの事が王都まで知らされましょう。そうすると第三王女の手の者が襲って来る可能性があります」


 やはり、エミリアは第三王女から命を狙われているのか。


「そうですね。それにここまで連れて来て貰ったのです。薄々は察しているでしょうが、やはりここで彼らにも我々の事情を説明すべきでしょう」



 そう言いエミリア達はこれまでの事情を話し始めた。



 エミリア達の話を要約すると、昔から第一王妃の娘であるエミリアと第三王妃の娘である三つ上の姉である第三王女とは仲が悪かったと言う。


 だが、それも一方的に第三王女がエミリアを嫌っているだけであり、エミリアは当初は嫌ってはいなくかと言って好きでもない感じであった。



 第三王女は他の王女や王子との仲は悪くはなく、むしろ良好な関係の者が多いとの事であり、決定的にエミリアを嫌い始めたのはエミリアが姫巫女と言う、特殊な地位に就いてからである。


 姫巫女は王家の子女なら誰にでもなる可能性がある地位であるが、それを決定するのは教会である。


 そして今回史上最年少であるエミリアが姫巫女として選ばれたのである。


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