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世界最強の超能力の異世界譚  作者: 灰色 人生
第1章 アルカランス王国編
13/33

13話 アルカランス王国へ(3)

 


 部屋の中へと入ると、中にはトバイアス卿に12〜13歳ぐらいの少女に、それよりと5歳ぐらい年上の女騎士に、20歳以上の侍女の4人がいた。


「この度は助けて下さりましてありがとうございます」と少女が頭を下げると、女騎士が「なっ!姫様が頭を下げる事はありません!」とキツめの印象の女騎士がそう言う。


 それにしても『姫様』かと思う。


「ジェシカ!」とトバイアス卿が叱責する。


「申し訳ありません」


「儂にではなかろう?」


「すまなかった」


 素直にジェシカと呼ばれた女騎士は、こちらへ頭を下げたが目には警戒心がありありと伺えた。



「ジェシカ。貴女が私を心配する気持ちは有り難いと思うけど、恩人に対してその態度は駄目よ」と姫様と呼ばれた少女も注意する。


「そうですよ、ジェシカさん」と侍女も同意する。



「うぅ〜。確かに。助けて頂けたのに申し訳なかった」と今度は深々と頭を下げる。


 ルーラが目でどうする?と問いかけてきたので溜息を一つしてから「いい」と言う。


「さて、先ずは自己紹介がまだでしたね。もう姫様と呼ばれたので大体の所はお分かりになられたかと思いますが、私はアルカランス王国第四王女のエミリア・ノエラ・アルカランスと申します。正体を公には出来ない事情が御座いますので、私の事はリアとお呼び下さい」


 綺麗な礼をする。


「私は姫様の侍女を務めております。プリシラ家が次女のローラと申します」


「姫様の側仕えをしている騎士ジェシカ・フォン・ロバンスだ」



 三人の自己紹介が終わったので此方も自己紹介をする。



「次はボク達だね。冒険者でミスリルランクのルーラだよ」


 そう言うとエミリアが「ミスリルランクで、名前がルーラ……それに御髪も銀髪。

 もしかして勇者様の指南役として御依頼したイストバーグ家の魔剣姫ルーラですか?」


 どうやらルーラは有名人の様だな。



「うん、そうだね。あ!言葉遣いを正した方が良いかな?」


「いえ、公式の場なら兎も角今は私的な場であります。それに命の恩人の方ですから」


「そう?わかったよ」


 ルーラから目配せを受ける。


「ん?次は俺か?冒険者のケインだ。ランクはシルバーだ」


「ふふ、今はシルバーでしょ?ケインならすぐに上に上がれると思うな」


 意味深な笑みを浮かべているが無視する。



 そんな2人のやりとりを楽しそうにエミリアは見つめる。


 気になったので聞いてみると「いえ、お二人は仲がよろしいんですね。イストバーグのルーラと言えば、昔は冷たい氷の女王と呼ばれていましたから、もっと取っ付き難い方だと思ってましたから」


「ハハ、確かな昔はそんな感じだったけど、今はイストバーグ家とは関係ないただのルーラだからね。重荷が取れて解放されたんだよ」


 明るく笑うルーラだが、それ以上過去の話はされたくないのか、話題を変える。


「そんな事より、ボクが気になるのは何故アルカランス王国の王女様が、他国のしかも魔物の巣の中で捕らわれていたのかが気になるんだけど?」



「それは……」


「すまないが詳細については話せない。それと厚かましいお願いだとは重々承知しているが、アルカランス王国の王都までの護衛をお願いしたい。勿論報酬は支払う」


 トバイアス卿はそう言って頭を下げる。



「えっと、もう一人商人が一緒に居たと話しましたよね?その方の護衛依頼を受けたので、まあ、目的地は一緒だからその人と交渉してくれないかな?」


「なるほど、わかった。儂が話して来ます。差し支えなければその方の名前は?」



「マーカスさんだよ。オルベラン商会の会頭の」



「オルベラン商会のマーカス殿か。儂は面識が御座いますので、話は纏まるかと思います」


「そう、お願いするわ」


「はっ!」


 失礼しますと言ってトバイアス卿はマーカスの元へと向かう。




「そう言えば起きたばかりだったね。お腹が空いているだろうし、何か食べに下に行くかい?」


「そうですわね。手持ちはあるローラ?」


「はい、銀貨数枚程度は」



「なら食事は大丈夫そうだけど、帰るまでの食費などはどうしようかしら」


 それにしても見た目12〜13歳なのにしっかりしているな。


 実際はもっと年上なのか?



「どうしたのケイン?」


「リアは何歳なんだ?」


「確か今年で12歳じゃなかったかな?」


 予想通りだがそれでもしっかりしている事に少し驚く。



「で、多分だけどジェシカちゃんは成人して一年が経った16歳じゃないかな?あの猪突猛進な感じから考えたら」


「その成人から一年の根拠は?」


「そうだね。あの兵士のジョンくんは15歳って言ってたらね。そう考えるとジェシカちゃんは仕事に慣れて来たぐらいだと思ったからプラス一年した感じかな?」


 よく観察しているなと感心する。



「取り敢えずは下に行き先に腹拵えをしましょう。その方がいい考えも浮かぶと思いますよ」


 ローラの言葉に皆頷いて下に降りる。


 ジョンは自国のお姫様とあり、酷く緊張していたが声を掛けると余計に緊張してしまうので放置した。


 運ばれて来た食事を食べ終わった辺りでトバイアス卿がマーカスを伴って宿に戻って来た。







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