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五寿司ソロッテ。  作者: 水菜月
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レッド=リーダー?

挿絵(By みてみん)


よい子のみんな! 私はレッド。

そう、戦隊ヒーローのリーダーだ。


リーダーたるもの、責任感が強くなくてはいけない。

上からの指令には忠実に、かつ迅速に対応し

隊員たちが元気に出動できるよう健康に留意し、心のケアも怠らず

世界のみんなを笑顔にするために、日々奔走するのだ。


なーんて、できないです。ぐすん。

そんな器じゃないんだ、ほんとは。

だって私は、私生活では赤川家の四人姉妹の後に

やっとできた男一人。


上げ膳据え膳で甘やかされてはきたけど

自分の意見なんて言おうものなら

怪人よりコワイ姉たちに散々言い負かされ

レールの上に乗せられた人生を歩んできたんだ。


なぜ私に白羽の矢が立ったのかは、いまだ謎。

もしかしたらヒーローずきの2番目の姉の差し金かもしれない。


私は本当は、グリーンがうらやましい。

あの本来あるべき末っ子気質の、のほほんとしたあいつが!

あんな風に生きてみたかった!



今日もついグリーン村に来てしまった。魂の洗濯に。


あらもー、千客万来だ。

グリーン家の木の陰で、ブルーが指くわえてじっと見てる。


その後方でピンクが、そのまた後方でイエローが

目の前の相手を、ガン見してる。

なんて直線的なわかりやすい視線。

10メートル間隔の、片思いベクトル!


それを統括して見ている私は

やはりリーダーの器であると言えるのか否か?


大体、今日はオフなのに、何みんなユニフォーム着ちゃってんの?

まったくこれじゃ、「5人ソロッテ」だぞ!


「あれ、どうしたの? みんな集まっちゃって。事件? 出動?」

さすがに濃厚な視線に気づいたのか、家から出てきて

のんびり聞いてくるグリーン。


わぁーっと集まってくる村のこどもたち。

「なになに、今日って戦隊ショーなのー? 握手してー」


「で、あの人誰?」 

グリーンが、私の背後をくいくいっと指差す。

え、は? そういや、さっきからやたらと視線を感じてたんだ。


振り向いた私は、驚いた。

そこには、黒のコスチュームを着た新人が立っていたのだ。

ドナタデスカ!

総括していたつもりの私を含めて、全体を見渡していた

あなたこそが陰のリーダー?


私はあわてて卵を産みそうになった。コケッコー。

そう、私の正体は「ニワトリ」だ。トサカはレッドの印。

おんどりだから卵は嘘ね。パサパサパサ。



<つづく>




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