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私は女勇者を倒さないといけないらしい!  作者: 榊原つむり
始まり
2/3

第2話 勇者は親友

楓ちゃんのスキルが判明します。


「さて大まかな内容は伝えた。細かいことを聞きたければそこにいるサキュバスに聞くとよい。スノー、カエデを部屋に案内しろ。」


「かしこまりました。おい人間、ついてこい。」


肉感的な体つきをしたサキュバスに腕を引っ張られ私は部屋に向かうことになった。


着いた先の部屋は思っていたよりも豪華な作りだった。召喚されたとはいえ魔族の敵である人間にこんな良い部屋が与えられるとは。家畜小屋みたいなものを想像してたのでとても嬉しい。


「なにをニヤニヤとしている。魔王様は貴様を同胞として迎えいれているようだが私は認めていない。貴様の身の回りの世話を任されている以上こうして話してやっているがあまり調子にのるなよ?」


「なんかすみません。調子に乗ってるつもりはないですけど…。それよりあなたのことはなんて呼べばいいですか?」


「ふんっ。私はクラリッサ・スノーフレーク。スノー様と呼べ。」


「はぁ。スノー様ですか、よろしくお願いします。」


このサキュバス妙に態度がでかくてイラつく。私は召喚されたわけだしもう少し友好的に話してほしい。魔王様を見習ってください。


「召喚直後だし今日のところは寝ろ。力の使い方は起きた後で教える。」


「わかりました。」


命令されたのでモッフモフのベットで寝ることにした。疲れていたのかすぐに寝てしまうのだった。






魔王城に転移してから二日目。


暖かくてとても気持ちいい。二度寝をしようと深い眠りにつこうとしたがサキュバスのスノーさんに叩き起こされた。もう少し優しく起こしてほしいと頼んだら鋭い目つきで睨まれた。

魔王様、身の回りの世話をしてくれる人をつけてくれたのは嬉しいけど、人選ミスってると思います。



「おい、人間。ボーっとするな。今日からお前に祝福(ギフト)の使い方を教えてやる。」


「あの、確かに私は人間なんですけど楓っていう名前があるのでちゃんと呼んでほしいです。」


「ふんっ、細かいヤツめ。…カエデ、今から心の中でステータスオープンと唱えろ。」


「おっけーです。」


言われた通りに唱えると目の前に半透明のディスプレイが表示された。

そこには自分の名前や年齢、その他諸々のことが詳しく書かれていた。


「そこに表示されているのはお前のステータスだ。そのステータスボードは本人しか見えないから聞くが、スキルの欄にはなんて書いてある?」


「ええっと言語理解Lv MAXと魅了Lv MAXです。」


「二つしかないのか?しかも非戦闘スキル…ゴミめ、魔王城から出て行け。」


言う通りに読み上げて言ったらゴミ扱いされた。いや確かにこれじゃあ勇者倒せなさそうですが、そんなにハッキリ言われると流石の私も傷つきます。



「しかし…初めからスキルレベルがカンストしているとはな。神は異世界人に特別なスキルを与えると思っていたが既存のスキルをレベルマックスにして付与するとは思わなかった。普通の人間でスキルレベルが上限までいってるやつは基本いない。魔族でも魔王様くらいしかいないだろう。だが言語理解は戦いで使えないし実質お前のスキルは魅了だけだな。」


「そうなんですか。ちなみに魅了ってどんな効果があるんですか?」


字面から大体想像できるけど一応聞いておく。


「私のようなサキュバスは基本的に魅了スキルを持っている。私のものと同じであれば文字通り相手を魅了して思いのままに動かすことができるはずだ。スキルレベルがカンストすると特典で更に別の効果が付与されるそうだが見たことないから分からないな。おそらく抵抗(レジスト)が難しくなるとかその程度のことだろうが。」


「そうなんですか。ゴミとか言われてちょっと落ち込んでましたけどレベルマックスは凄いんですね。神さまに感謝しておきます。」


「そうだな、と言いたいとこだが勇者討伐するなら戦闘系スキルの方がいいからどのみち微妙なことには変わりない。」


わざわざ追い討ちをかけてくるスノーさん。確かに戦闘スキルじゃないのは残念だけど痛いのは嫌だし結果的に良かったのかもしれない。それに相手を魅了して操るってよくよく考えるとかなり強いんじゃなかろうか。


「まだ勇者がどんな人かは分からないけど、絶対に倒して元の世界に帰ってみせる!」


強く誓う楓だった。




****




桜は親友の楓が目の前でいきなり消えてしまったことに驚きを隠せなかった。

人がいきなり消えるなんてありえない。


彼女が消える瞬間、赤黒い光に包まれた楓はこちらに手を伸ばしてきたけれど掴むことはできなかった。

もし掴むことができたら彼女は消えずに済んだかもしれない。

私は身動きが取れずただその場に突っ立っていることしかできなかった。


(後悔なんて後ですればいい。楓ちゃんは一体どこに…。)


だがその思考は続かなかった。

周りを漂っていた黄金色の光の粒子が数を増し輝きを強め、光の渦に閉じ込められる。

視界が眩しい。思わず目を瞑ると空間が揺れるような感覚がして思わずしゃがみこんだ。


「っっ!!」


今までに感じたことのない感覚。

何をすることもできずその場にいるしかなかった。


しばらくすると揺れが収まった。車酔いのような感覚になって気持ち悪い。


「おお!勇者様!成功だ。」


周囲が騒がしい。

顔をあげるとさっきまでと景色が違った。先ほどまで図書館にいたはずなのに見たこともない場所、そして知らない人たちに囲まれている。

その人たちは豪華な服に包まれた威厳のありそうな男性を中心に私の顔を見て驚きと喜びが混ざった顔をしていた。




「ようこそ、我が城へ。早速ですが勇者様、魔王を倒してくだされ。」


「…はい?」


訳がわからない。

情報量の多さに混乱は増すばかりだった。


タイトルでネタバレしてることに気づいた(^-^)

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