再会(一方的に見るだけ)
『――――というわけなんですよ、母よ。その、人間を見てきてもいいですか?』
『ふむ、いいよ』
『え?』
『ただし、見るだけだ。まだ、弱いでしょ?殺されたら大変だ』
『…は、い。わかりました。母よ。行ってきます』
『行ってらっしゃい』
はぁ。許可はもらったけど、まだ弱いか。否定できないのが悔しい。私は避けるのが得意だが一撃が軽い。魔法は得意だが物理が弱い。確かに私はまだ子供だ。これからかもしれない。でも、
「強くなりたいんだ、はやく」
ぼやいても仕方ない。とりあえず、行くか。黒のところに。
「お、白。どうだった?大丈夫だっただろ?」
「ああ、許可はもらった。で、その人間は?」
「こっちだ。見失うなよ?」
「こんなデカイ鳥を見失うわけないだろう」
しかし、黒はいいな。飛べて。地上でもなかなか速いし。
そんなことをつらつら考えていたら
「おい、ついたぞ。ほら、あそこにいる」
「あ…。ほんとだ。あれ?誰だっけ。見たことある」
――ライ!こっちにこいよ。ほら、あそこ!薬草が生えてるだろ!―――
あ、あいつだ。よくお嬢様とお屋敷を抜け出して(お嬢様を監視するため)いたときによく遊んだ。確か、名前は
『グルース…』
「ぐるーす?あいつの名前か?なんで知っているんだ」
「分からない。ただ、見たことがあるんだ」
「ふぅん。そっか。ああ、前世の記憶とやらか?俺にも朧気にある」
「え、お前にもあるのか?」
「ああ、なぜか知らんが。だが、名前は分からないしどうやって死んだかもわからん。ただ」
「ただ?」
「誰かに最後呼ばれてたような気がする」
「そっか」
こいつは看取ってもらえたのか。相手にとっては嫌だろうが、な。ああ、お嬢様は元気かな。