まあ、いいか。
転生してから五年が過ぎた。私も小さい魔物なら狩れる位はっ……と。危ないな。もう。
『あー!避けられた!お姉ちゃん、なんでわかるのっ』
『ふふふっ。弟には負けないさ』
『あーもー!なーんーでー! 』
『ほらほら、私はここだよ? 』
『むきー! 』
そう、今は攻撃を避ける遊び…んんっ。訓練をしているのだ。今は私が避ける番。今まで一回も当たっていないのだ。だが、確実に精度を高めている。しかし、姉として当たるわけにはいかない。
「おい、白」
「え?ちょっと待ってろ、後にし…てぇっ」
あっっっぶなぁ。当たるかと思った。あんの自称私の兄め。私の兄は優しいんだぞ?お前よりもな!
『いったんやめ。ちょっと待ってて。アレに少し付き合わないと』
『大変だね。お姉ちゃん』
「おい、まだか? 」
「ええい、少しは待つことを覚えろ。私の弟の方が我慢が出来るぞ。それで私の兄を名乗るとは片腹痛い! 」
「む…我慢ぐらい出来るぞ! 」
「ならまて!全く……」
この自称私の兄は…めんどくさい。何故私を妹にしたがる。お前の弟は素直で可愛いのにほんとにまったく。確かに綺麗な漆黒と言うよりからすの濡れ羽色かな?凄く綺麗だ。目も深い海のような蒼できれいだがめんどくさい。本当に性格が残念だ。
『いいかい、母に黒といると伝えてくれ。できるね? 』
『うん!出来るよ。任せて!いってくるー! 』
『気を付けなよ。行ってらっしゃい。……』
「で、何のよう? 」
「もういいのか。このぐらい、待てるぞ! 」
「この程度で威張るな。で、何のようだって」
「人間がいる。見に来ないか?子供のようだ。大丈夫だろ」
「む、人間か。しかし、母から駄目だと言われている。興味はあるが」
「ばれやしないって、な? 」
「駄目だ。……わかったから、母に聞いてみる。つつこうとするな。痛いから」
「よっしゃ。絶対だぞ?待ってるからな」
あー……まあ、いいか。めんどくさいな。
次はついに人間を見る?