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昔話
母視点です。
『そうだね。どこから話そうかな』
首を同じようにかしげる我が子達。とても愛らしい。まずはこの子達の父らへんのところから話すかな。とすると
『まず、私は魔王軍の四天王の一人だったんだよ。渾名は…いや、良いか。まあ、一人だったわけだ』
『母、魔王軍ってなに?四天王って?』
いま質問したのは一番上の兄か。代表して言ったみたいだな下の子たちが さすが! と言わんばかりに見ている。
『ん、そういや教えてなかったかな?魔王軍ってのは魔王の率いる魔族の軍団だ。魔族っていうのは魔王に忠誠を誓ったもの達のことだよ。四天王はそのなかで群を抜いて強い四体のことだ。あの朱雀もそうだったんだよ』
『でも、母は幻獣でしょ?魔王に忠誠を誓っているの?』
『そうだよ。といっても、もう魔王は倒されちゃったんだけど。そして、魔王は…君たちの父でもあるんだ』
『え?どういうこと?母。』
『ふふっ。忠誠を誓っている相手と番になることもあるんだよ?』
『じゃあ、魔王はフェンリルなの?』
『いや、違うよ?』
とても混乱している我が子達。ふふふ、愛らしいな。さあ、本格的に話そうかな。