ほんとにさいご!
伝説のシリアル回
まさかこう終わるとは書き始めてるときには思いもしてなかったです。
まじで。
一度意識してしまったらもう、なんと言うか色々ダメダメだった…
頭のなかからデートかもしれないっていう意識が抜けなくて、カフェのあとに行った美術館も絵を観てる時間よりもトールさんを眺めている時間が長い位だった辺り、私はヤバイ。
美術館の後はプラネタリウムを見に行った。
こういうと私がアホな女子高生に見えてしまうから言いたくはないのだが、ヤバイ。
夜空になってくとか星座の話とかもうロマンチック止まらない。
私がついトールさんの手を無意識に握ってしまったとき、トールさんは暗闇のなかでも淡く光るような微笑みを返して握り返してくれた。
え、なにこれ、幸せ。
夢うつら?つらつら?
とりあえず夢のような?デートのような?素敵な時間は終わりを告げ、私たちは帰路へと向かう。
歩くつり橋や街灯すら、トールさんと歩くと何時もと違って見えた。
居心地のいい静寂に包まれた後、私の少し前を歩くトールさんは振り返り、その静寂を破った。
まるでドラマの最終回のように。
ゆっくりと、重く。
だけど、柔らかく、優しく。
「今日はどうでした?」
「楽しかったです!」
「本当に?良かったぁ…」
トールさんは子供のようなあどけない顔をして夜空を見上げた。
その姿が私に喜んで貰えて本心からホッとしたように見えて、胸の奥がきゅうと締め付けられる。
「それにしても…アミさんがこんなにに可愛らしい女の子だとは…」
「かわっ…!?そんな事ないですよ!?」
私が驚いたりするのがそんなにおかしいのか、トールさんは本当に面白そうに笑いながら言葉を続ける…
「そうやって表情がころころ変わるところが、面白くてかわいらしいですよ」
「トールさん、それ褒めてるんですか!?」
「褒めてますよ?俺なんか表情が読めないって影で言われてて…最近ついたあだ名が表情が読めないロボット・マンですよ?」
「なんかアメコミのヒーローみたいで強そうですね…?」
一瞬、わざとらしく「その発想があったか!?」みたいな演技をトールさんは見せた後、また笑い出した。
そんなトールさんを私は表情の読めない人とはとても思えなかった。
私はこの人が悪戯をするときに意地悪だけど子悪魔的な笑みを見せるのを知ってる。
私がヘマをすると、ジトーっと呆れたような目で見た後に「仕方ないですねぇ…」といって助けてくれる事も。
そして今、彼が見せる表情は私に真剣な話をしようとしている事も。
私は少し姿勢を正して、彼の口元から出てくる言葉を待った。
「アミ…いや光さん、俺、今日貴女と一緒に居れて本当に良かった」
「私もですよ…?」
「今日みたいな日がずっと続けば良いと思ってるんです」
「え…っと…?」
「俺が言いたいのは…えーっと…つまり…」
彼の言葉は私の欲しいときに欲しい言葉のまま紡がれていく。
「光さん、あなたの事が好きです」
「はい…私もです…トオルさん…」
この言葉を最後に私はこの日、言葉を発する事をやめた。
目と目でトールさん…いや、トオルさんと合図を交わし、迫る彼の唇を受け入れるようにそっと目を閉じた。
静寂に包まれた夜半、とくんと跳ねる心臓の音が彼に聞こえませんようにと心で祈りながら私達は想いを通じ合わせた。
そう、私の実験は終わったのだ。
ネットゲームでネカマとカミングアウトしていたら…
―――彼氏が出来ました!!
終わりです!!
良かったら感想ください!!
それにしても…かけた労力がATVの1/3以下にもかかわらずPV数を越すという事実。
色々と考えさせられる作品でした。
また、なろう受けのしそうな作品を書いていこうと思いますので、応援、よろしくお願いします!
コンテストの関係で執筆頻度が下がるかもしれませんが、がんばるます!
ちなみに、要望があれば
もしかしたらトールの独白的な裏話はかくかも…です。