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EP:2「再会の序曲《プレリュード》」


女の子に変わってしまった次の日。

僕はフォルトゥーナ学院に編入するための試験やらなんやらを行いに向かった。

予め妹の優が手を回してくれていたので、元は男だったとかを疑われることもなく、僕『榊原七緒』としてのプロフィールも作ってれていたので良かった。

その日は優も珍しく付いて来てくれた。

基本外を出るのを嫌う優だけど、流石に僕が女性化して間もない事もあり、一緒に同行してくれた。

『面白そう』と呟いていたのが少し気になったけど……。


当日は休校日で、お休みだった為生徒はほとんど見かけなかった。

ただ部活などをしている生徒はチラホラ見えていた。


そして、無事に編入試験はクリアできた。このフォルトゥーナ学院は今まで通っていた清王学園に比べれば偏差値は低い方らしい。学業においては天才的頭脳を持つ優に解らない所を教えて貰ったり(一つ下だけど優の頭脳は優秀で大学レベル以上の天才なのです。)していたので、清王でも上から数えられるくらい学力はある。だから問題なく受かったのは良かった。

これで色々と手続きや準備期間があり、来週から女子校ライフを送る事になった。

昨日まで男だったので女性ばかりの空間であることに多少の不安はあるけど、「まあ何とかなる」、と気楽な考えでその時の僕はいた。


制服の採寸を行い(採寸の際は先生がしてくれるようでしたが、流石に今は同姓でも今まで男として暮らしていたので、異性と言う感覚がまだ深く気恥ずかしい。だから採寸は優に行ってもらった。……その際に色々撫でたり摩ったりされたりもしたけど…)、来週からの予定などの確認をして帰る為、玄関口を優と一緒に出た。

流石に慣れない姿に空間、試験やら説明やらを行ない疲れていた。

だから早く家に帰ろう、と優と校門に向かって歩いていた、その時だった。


「あら、珍しいわね。優が休日に学院に来てるなんて……えっ、あれ?もしかして、アンタ…直?…」


咄嗟に「えっ?」と僕は声を漏らしていた。

それにはいくつか理由があった。

一つはその女性が僕の名前『直』と呼んだ事。

もう一つは僕にとって聞き覚えのある女の子の声だった。


僕は声の主の方に向いた。

隣の優は何やら小声で呟いていたけど、僕の意識は声の主の方に向いていたので聞き取れなかった。


(…嫌なタイミングで逢ってしまいました。休校日だからと油断し過ぎでしたか…。いずれ、今後もこの学院に通うわけですから知られるのは時間の問題ではありましたが、まさか今あの人と出逢うなんてね)


僕は、僕の名を呼んだ女性の姿を目にする。

記憶にある彼女と比べて何だか大人っぽく綺麗になっていたとその時は思った。少し髪も伸びたようで、長めの髪をポニーテールに纏めている。部活か何かなのかユニフォームの姿だった。


高校が別になり会う機会が減り交流する事が無かった少女。

幼馴染と言う関係で仲の良かった女の子。


「……凛音(りんね)


そう久々に再会した幼馴染の女の子の名前を口にしていた。


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