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【完結】からふるわーるど  作者: 仮面大将G
高校生編

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75.ちからだめしとぼけばとる

 幌の隙間から差し込む陽の光が俺の顔を照らし、思わず目を細める。

 ガタゴトと揺れるリズムが心地よく、緩やかに眠気がやってくる。

 俺は、いや俺たちは馬車の中にいた。


 目の前に座るジェームズとコーディは少し前から船を漕いでいる。

 そんな2人を眺めながら、俺も軽く目を閉じた。


 俺がジェームズ、コーディと一緒に馬車に乗っているのは、武術協会へ向かうためだ。

 何故そうなったのかって?事の顛末はこうだ。






「力試しをしたいからサポートして欲しい?」



 突然寮の俺の部屋にやって来たジェームズとコーディは、これから武術協会へ行きたいらしい。

 2人は小学生時代にそれぞれ剣術3級、槍術3級に合格し、高校の戦闘訓練でも好成績を残している。


 だが2人はそれでは物足りないらしく、2級合格を目指しているそうだ。

 それで武術協会の訓練場で夏休みにも特訓をし、在学中に2級に合格するのが目標らしい。



「別に良いけど......具体的に俺は何をすればいいんだ?」



「あっしらが危なくなったら助けて欲しいでやんす!超大型魔獣とも戦うつもりでやんすからね」



「俺たちが危なくない時はただ見ていてくれればいい。不良にカツアゲされている同級生を助ける勇気が無い学生のように」



「相変わらず例えが酷いな!!ていうかお前らが助けて貰う方じゃねえのかよ!!」



 ジェームズの例えは置いといて、要するに2人が倒しきれない魔獣が出てきたら助太刀すればいいってことだな。

 まあ今の俺の実力なら超大型魔獣くらいは簡単に討伐できる。



「まあいいよ。武術協会なら馬車で行くんだろ?ちょうど魔法陣の研究もひと段落ついたところだから付き合うよ」



「流石の余裕だなルーシャス。まるで不良にカツアゲされている同級生を助ける元ヤンのようだ」



「不良の例え止めない!?」






 ......ということで、俺たちは3人で武術協会に向かっているのだ。

 武術協会は俺たちの実家がある地域にある為、馬車で約3日かかる。武術協会にいるのが1日としても、往復で1週間は寮を離れることになる。アリスが寂しがるかな?


 と思ってアリスに話すと、意外にも快く送り出してくれた。

 なんでも、「ルーシャス様にも友達と遊ぶ時間は必要だと思いますわ!もちろん私にも。せっかくだからメイヴィスとシルヴィア、ハンナとどこかへお出かけでもしますわ!」とのことだった。別に遊びに行くわけじゃないんだけどな......。


 それにしても、彼女らはいつの間にそんなに仲良くなったのだろう。いつだったか俺が風邪を引いた時にみんなでお見舞いに来てくれたが、それがきっかけだったのだろうか。

 まあ何にせよ同性の友達と過ごすのも大事なことだ。



 そうこうしてるうちに3日経ち、俺たち3人は武術協会へ辿り着いた。

 ここに来るのも久しぶりだなあ。小学生時代の夏休みに宿題で来て以来だ。



「さあ、闘志を燃やしていくでやんすよ!7!8!9!ジュウ〜」



「それじゃハン○ーグ師匠じゃねえか!!せめてアン○ニオ猪木の方やれよ!!......いやなんで知ってんだよ!!」



 日本でも知らなそうなネタを全力でやるコーディに誰にも伝わらないツッコミを入れつつ、俺たちは武術協会へ足を踏み入れた。



「おうルーシャスの坊ちゃんにジェームズの坊ちゃん!久しぶりだな!そっちの坊ちゃんは初めましてだな!俺はおせっかい焼きのロバートってもんだ!よろしくな!」



 金の長髪にハットを被った武術協会職員のロバートさんが出迎えてくれる。

 久しぶりに会ったが相変わらずテンションの高い人だ。



「あっしはルーシャスのアニキの舎弟をやらしてもらってるコーディ・ヒーズマンって者でやんす!よろしくでやんす!」



「コーディの坊ちゃんだな!よろしく!それで、今日はわざわざ馬車で来てどうしたんだ?」



 俺はロバートさんに2人の訓練を手伝いに来たことを説明する。

 訓練場は大きめで、超大型魔獣も出る設定での訓練をお願いした。



「もう君らも高校生だからそれぐらいチャレンジしないとな!ルーシャスの坊ちゃんがいるから超大型も大丈夫だろ!じゃ、訓練場へ行くぞ!」



 颯爽と歩き出すロバートさんの後を3人で追う俺たち。

 なんかドラ○エのパーティみたいだな。壺とかあったりするんだろうか。あったら割って中身を調べたりしたい。


 アホなことを考えていると訓練場に着いた。

 小学生の時に宿題の為使っていた訓練場よりもかなり広いところだ。



「魔道具を起動したからすぐに擬似魔獣が出てくるだろう!なんかあったらすぐ呼んでくれ!それじゃあ、俺はクールに去るぜ」



 キャラがブレないロバートさんを見送り、俺たちは現れ始めている擬似魔獣に向き直った。

 さあ、戦闘開始だ。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 結果から言うと、2人は相当に強くなっていた。

 ジェームズもコーディも大型魔獣なら1人で討伐できるようになっており、超大型魔獣にもちゃんとダメージを与えられていた。


 途中ジェームズが熊の超大型魔獣にハチミツをあげようとして食われそうになったので俺が魔術で助けたが、そんなボケをかましていなかったらジェームズとコーディ2人でも倒せたかもしれない。勝利より笑いを優先するなよ。賞レースで負けたけど爪痕を残したい若手芸人かよ。


 ちなみに同じ時にコーディは鮭をあげようとしていたが、魔獣には無視されていたので俺もスルーした。いやどっちかは真面目にやってくれ!?


 ボケ続けるジェームズとコーディに呆れつつ、強くなっていた2人を頼もしく思う俺なのだった。

ルーシャス「相変わらず戦闘描写は無いのな」


アリス「いい加減書けるようになって欲しいのですわ!ジェームズとコーディが戦っているところを見たことが無いですの!」


ルーシャス「ジェームズは昔ちょっとあったけどコーディは完全に無いな。可哀想に」


アリス「もっと勉強して書けるようになると信じるしかないですわね」


みんなの活躍を書けるように頑張ります......。

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