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【完結】からふるわーるど  作者: 仮面大将G
高校生編

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72.とどまるばしょととまらないもうそう

 11月ー。春の足音が近づき、だんだんと暖かくなってきた。

 もうすぐ高校生になって1年が経つ。俺が高校の寮を離れる日も近づいてきているが、俺はどうしようか悩んでいた。


 というのも、1年生が終わっても寮に留まることもできるからだ。

 ジュリアお姉ちゃんが1年で帰ってきてたから俺も帰らなきゃいけないもんだと思ってたが、どうやらそんなことはないらしい。


 俺が寮に留まる理由としては、転移魔法陣の研究だ。約1年経ったがあまり進んでなくて、まだ転移先を人に設定するプロセスは完成にほど遠い。エリック先輩も寮に留まるらしいから俺も寮にいた方が研究できる時間が増える。というわけだ。



 それからもう1つ理由があって、前世でも実家暮らしの高校生だった俺は、実は一人暮らしというものに憧れていたのだ。

 それに、来年になったらジェームズやコーディもこの高校に入ってくる。彼らは1年生だから強制的に寮生活。なら俺も一緒に寮にいた方が楽しくね?と思ってるんだ。

 一人暮らしの部屋と、ドアを開けたらすぐ近くにいる友達。最高の空間だろ?


 ちなみにジェームズもコーディもちゃんと入試には合格している。ハンナ、メイヴィスも合格だそうだ。メイヴィスに至っては首席合格らしい。魔術も勉強もピカイチだもんなあの子。


 要するに、俺は同級生の友達がいて欲しいのだ。いやエリック先輩とかも学年は同じなんだけどさ。同い年の友達って違うじゃん?


 学校というところでは年齢が違うと友達とは言いづらい。先輩は先輩だし、後輩は後輩だ。日本で大学生や社会人になったら年が違う友達なんていくらでもできるのだろうが、俺は前世でもそれを経験していない。

 だからエリック先輩も友達というよりは先輩なんだよな。


「確かに、同い年の友達はいると楽しいですものね」



「アリス!?なんで男子寮に!?てかまた心読んだな!?」



「エリックさんに頼んで転移魔法陣を使わせてもらいましたわ!ルーシャス様の部屋に行くのが夢だったんですの!」



「おう、あいしー......」



 相変わらずこの子の行動力には驚かされる。そこまでして会いに来てくれるのに値する存在になれているか不安になるほどだ。


 ていうかエリック先輩、転移魔法陣使わせてあげたのな。多分強引にだろうけど。

 最近分かってきたが、エリック先輩は押しに弱い。勢いで頼み込むと大概のことは許してくれる。それをアリスも分かっていて利用したのだろう。



「まあせっかく来たんなら座りなよ。ベッドしかないけど」



「遠慮なく座らせていただきますわ!」



 ぽふっと軽い音を立ててベッドに座るアリス。

 お嬢様なんだけど、所々仕草が可愛らしくて上品さとの塩梅がちょうどいいんだよな。変に気取ってもないし。


 そういえばアリスは実家に帰るのだろうか。以前アリスは俺との時間が取れないことでストレスを溜めてしまっていた。アリスが帰るか帰らないかに寄っても俺の選択が変わってくるぞ。


 アリスに退寮するかどうか聞いてみると、「悩んでいますわ」と答えが返ってきた。

 意外だな。アリスは家に帰るものだと思っていた。



「帰りたい気持ちもちろんありますわ。けれど、寮で生活してみると一人暮らししてる感じが思いの外楽しくて......それに、ルーシャス様との距離は寮にいた方が近いですわ!私の家からルーシャス様の家だと馬車を使わないといけませんもの」



 おう......なんかほとんど同じこと考えてんな。それこそ転移魔法陣を使えば解決の気もするが、アリス的には家同士の距離が遠くて会ってない時間は離れて感じてしまうのが嫌なのだろう。

 確かに、恋人とは会ってない時でも少しでも近くに感じたいものだ。俺もアリスと恋人になってからその気持ちは分かるようになった。

 ちょっと愛が重い子だけど、近くにいてくれると安心するようになったんだよな。



「ルーシャス様、私のことをそこまで......!」



「また心読んだな?ちょっと恥ずかしいんだけど」



「恥ずかしがることはありませんわ!でもそこまでルーシャス様が私を想ってくださってるのなら、今すぐにでも結婚してずっと一緒にいられるようにするべきですわ!」



「え?ちょっと待ってアリス、それは気がはy」



「何か問題ありますの?ああ、ウエディングドレスはどうしましょう?どうせなら豪華にしたいですわよね。5mぐらいあるドレスとかどうですの?」



「小○幸子か!!ラスボス感半端ないだろ!!」



「ウエディングケーキは私が食べる分が3段いるから10段重ねとかにしたいですわね!でも上に行くほど小さくなるのは損した気分になりますわね......全部同じ大きさのケーキを重ねますの!」



「だるま落としか!!いやだるま落としにしても段数が多いわ!!崩れ去る未来が見えるぞ!?」



「ケーキ入刀に使うナイフも普通だと面白くないですわよね......せっかくだからマグロの形とかにしましょう!」



「モ○ハンじゃねえか!!レイトウマ○ロ氷属性強いからアイスケーキになるぞ!?」



 絶対伝わらないツッコミを入れつつ、妄想の世界に入り込んでしまったアリスをなんとか引き戻す俺なのだった。

アリス「前回からルーシャス様と一緒にいることが多くて嬉しいですわ!」


ルーシャス「作者も悪いと思ってたんだよきっと。ていうかアリスに作者が悪いって言われたからだろうな」


アリス「まあこの小説、日常系コメディですから。私とルーシャス様のイチャイチャを書くのも大事ですわ!」


ルーシャス「イチャイチャというより漫才に近い気はするけどな......作者のエゴが出てるよな」


すみません、この形式が好きなんです......。

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