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【完結】からふるわーるど  作者: 仮面大将G
幼年編

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20/101

20.こーひーのおはなし

「ふう〜」



 ジェームズの家から帰ってきた俺達は、それぞれ飲み物でひと息ついている。

 ミーナちゃんが飲んでいるのはオレンジジュースで俺はコーヒーだ。

 いつもは俺もミーナちゃんと一緒にジュースを飲むのだが、なんとなくコーヒーが飲みたくなってイーナさんに淹れて貰った。

 そのイーナさんは今はコーヒーをポットに移してシェイカーを洗っている。

 俺が手間を増やしてしまったみたいでなんだか申し訳ないな。でもイーナさんは皆が出て行ってから夕方までやることが掃除と洗濯しか無くて暇だって言ってたからいいや。


 前世ではよくコーヒーを飲んだものだが、今世(こっち)では初めてだ。

 今世初めてのコーヒーは子供の舌には少し苦かった。

 前世でよく飲んでいたからなんとか平静は保ったけどな。…ちょっと吐き出しそうになったわ。
















「ルーシャス様、大人です〜…」



 ほえ〜、と口を開けてミーナちゃんが関心して俺を見てきた。

 大きな目と小ちゃい体も相まって子供みたいだ。

 彼女はコーヒーが苦くて飲めないそうで、今日は1人オレンジジュースを啜っている。

 ちょっと羨ましそうな目がまた可愛らしい。

 いつもはピョコピョコとせわしなく動いているネコ耳も今はペタンとなっている。






「ルーシャス様、おかわりはいかがですか?」



 そんなミーナちゃんにはお構いなし、といった感じで洗い物が終わったイーナさんがおかわりを勧めてくる。

 因みにイーナさんは片手に自分の分の紅茶を持っている。



「うん、もらうよ。イーナさんは紅茶なんだね」



「はい、コーヒーも飲めますけどあまり好きではないので…。それに女性が飲んでも意味がありませんから」



「確かにねー」



「うにゅ〜?どういうことですか〜?」



 ミーナちゃんは首を傾げながら不思議そうにオレンジの目を向けてくる。

 倒れていたネコ耳もピョコピョコと動いている。

 ああ可愛いなチクショウ。












「コーヒーは男性が飲むと癌の予防効果があるの」



 ミーナちゃんの疑問にイーナさんが答える。



「ほえ〜、そうなんだ〜」



「1日4杯飲んだら癌にかかる確率が6割減るんだ。女の人が飲んでもこの効果は無いけどね」



 これは地球で学んだことだ。高校の時の生物の先生がおしゃべりな人で、いろいろ授業に関係のない話を教えてもらった。

 他にもドーナツの穴の空間を売ったやつがいて、そいつのせいでドーナツの穴を売ってはいけないという法律がアメリカでできたとか、雨に濡れて帰ってきたネコを電子レンジで乾かそうとしたら死んじゃって、それで裁判を起こして勝ったおばさんがいるとか聞かされた。どのタイミングで話したんだよ。話のインパクトが強すぎてその時の授業内容覚えてねえよ。
























「ルーシャス様も知ってるなんて…。うう〜…ご主人様とはいえ10年も下の子供に教えられてしまいました〜…」



「あ、あははー」



 あのミーナちゃんが凹んじゃったぜ。

 忘れそうになるけどミーナちゃんって今年で15歳になるんだよな。

 この世界の成人は16歳。成人手前のミーナちゃんが5歳児に雑学教えられたらそりゃ凹むわな。ごめんねー。
























「ただいまー」


 凹むミーナちゃんがレアなので観察していると、ジュリアお姉ちゃんが帰ってきた。

 騎士団の見習いは朝が早い代わりに15時くらいには帰れるのだ。




「あー疲れたぁー。イーナさんコーヒー淹れてー」



「ぶっ」



「ふふっ」



「うふふ〜」



 思わず笑ってしまう俺達。えらくタイミングのいいこって。


「えー?何で笑ってるの?」



 事情を知らないお姉ちゃんはびっくりしている。



「ねールーシャス君ー」



「教えなーい」



「ええー?教えてよー!」


 納得がいかないお姉様はメイドちゃん達にも聞いたけど2人とも答えず、ますます頭を抱え込んでしまった。



「もうー、何で誰も教えてくれないのよー⁉︎」



 そんなお姉様をみて俺達は笑みを浮かべる。



「また笑ってるー!もう、何で笑ってるのか教えろー!」




 我が家は今日も平和だ。




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