13.くんれん
「戦闘訓練?」
「はい〜」
今日は珍しく看守さんが遊びに行っていて、久しぶりにミーナちゃんと2人だ。
あ、もちろんくまさんは一緒だよ?
この世界では6歳になる年から3年間小学校に通い、小学校を卒業するとその先は自由だ。仕事に就いてもいいし、高校に進学してもいい。大半の人は進学するみたいだけどな。
一応大学もあるが、専門学校的な位置づけのようだ。
で、うちのお姉様はちょうど俺が生まれるときに高校が始まったんだと。高校は最初の1年間を寮で過ごさなければならないらしい。
2年目からは自宅通いでもいいんだって。なんかきっちりしてんだかしてないんだか分からない制度だなぁ。
俺を見ることなく高校へと旅立ったお姉様は、俺の誕生日に帰ってきてサプライズプレゼントとなった訳だ。
……そりゃあ寂しいわな。今まで戦慄してたのが申し訳なく思えてきた。
帰ってきてからずっと俺にくっついていたお姉様だが、そこは流石に春休み。友達と約束があったようでお出かけ中だ。
そこで待ってましたとばかりにミーナちゃんが戦闘訓練を持ちかけてきたのだ。
「ミーナちゃん、俺1歳だよ?」
「はい〜、そうですね〜」
「まだ訓練は早くないか?」
「そんなことないですよ〜?ルーシャス様なら今から訓練すれば相当な実力者になれます〜」
「うーん…」
「それにルーシャス様の適正は魔法剣士ですから〜。魔法も剣も頑張らなくちゃ!ですよ〜?」
うぐ、そうだった…。
剣は父さんが教えてくれるけど魔法を母さんに教わるのは無理そうだもんなぁ。仕事で忙しいし。
となると魔法を教えてくれるのがミーナちゃんしかいないな。ここは素直に教えてもらうか。
「分かった。じゃあ頼むよ」
「かしこまりました〜♪」
「でも何するの?」
「ええっとですねぇ〜、ルーシャス様はかなり魔力量が多いんです〜」
「うん」
「魔力量が多い人は、逆に小さい魔法が苦手なんですよ〜?」
「うん、確かにそうかも」
「でも魔法の精度を上げるためには、小さい魔法も出来ないとダメなんです〜」
「…なんてこった」
「ルーシャス様の適正属性は風ということでしたので〜、出来るだけ小さな微風を起こしてみてください〜」
「キツそうだな…」
しかしここで俺にイタズラ心が芽生えた。
メイド服のスカートはかなり長くて、捲れ上がることなんてない。…もう分かるよな?
俺はワザと今出来る限界より大分大きな魔力をこめてミーナちゃんに向けて撃った。
「チンカラホイッ!!」
フワリとスカートが捲れ上がり、白い絶対領域を通り過ぎると、そこにはオレンジ色の神秘があった。
「きゃあ〜!ちょ、ちょっと、ルーシャス様あ〜⁉︎」
「うりうり〜♪」
「きゃあ〜!ルーシャス様のエッチぃ〜!」
「もう!こんなことしないでくださいね〜⁉︎」
「はい、ごめんなさい」
涙目で睨んでくるミーナちゃん。ちょっとやり過ぎました。
でも真っ赤な顔で涙目のミーナちゃんは可愛かった。反省してんだかしてないんだか。