たまには男同士、語らうか
俺にカミングアウトして吹っ切れたのか、恐ろしい事にあれからゆずはどんどん女らしさを増してきている。
今日なんかキャッシュちゃんとふわふわ天然ルーフェルミちゃんを連れて「ケーキ屋さんで女子会♪」とかほざきながら行ってしまった。
なんと羨ましい! 甘い物なんか死ぬ程嫌いだった癖に……!
「機嫌悪いな」
ついに本日の同行者、雑貨屋アデラールから心配されてしまった。
「うるせー」
「放っとけ放っとけ。置いてかれて拗ねてんだよ」
牧場のおにーさんディーノが手をひらひらと振りながら、これでもかの呆れポーズを作る。
「拗ねてねーわ!」
そうは言ったものの、ぶっちゃけ拗ねている。だって……キャッシュちゃんと女子会って……。
「なあ、それはそうとリク」
雑貨屋アデラールが急に真剣な面持ちになった。
なんだ? 悩み事か? うんうん、なんでも来いだよ、話してみなさい。
「リクさ、ミランダさんの事どう思ってる?」
「どうって」
ミランダ姐さんといえば麗しいボディに妖艶な踊り……超絶セクシーだよね。
……じゃねぇ!
これ、あれだ。攻略対象者とライバルキャラとの互いの好感度が80以上になったら出てくる選択肢だ。
うっかり「好きだ」的ことを言おうもんなら、ライバルキャラの好感度がいきなり10も下がる上、バリバリにライバル視されて、その手のイベントがわんさか出てくる魔の選択肢だったよ、危ないところだった!
「友達! 友達に決まってるだろ! 綺麗なのにサバサバしてるし、面倒見もいいしな!」
極力恋愛臭がしないように褒めてみる。
うっかり貶すのも勿論ご法度なのだ。誰だって自分の好きな相手を貶されるのは嫌だからな。
……良かった、明らかにアデラールの顔がホッとしたみたいにほころんだし。
アデラールとミランダ姐さんって意外な組み合わせなんだけど、なんか不思議な空気感で面白いんだよな。
発明好きで新しいもの好きなアデラールは、ミランダ姐さんの商隊が運んでくる色々な物資を興味津々でよく見に行ってるから、多分それがきっかけで仲良くなってるんだと思うけど。
ミランダ姐さんの方が年上だからか、弟みたいに面倒見てる感じでさ。
でもアデラールがこれまたグイグイいくんだよな。このまま是非幸せになってほしい。
「……そっか。俺さ、ミランダさんの事が好きなんだ」
えー!? いきなりカミングアウト?
「それなりに仲はいいと思うんだけど……」
「打ち明けちゃいなさい」
そしてとっとと幸せになるがいい。
「お前簡単に言うなぁ」
ディーノにまたもや呆れられてしまったが、ミランダ姐さんだって満更でもないの分かってるし、後押しするしかないじゃないか、この場合。




